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『頭脳のスタジアム―一球一球に意思が宿る』を読んだ

頭脳のスタジアム―一球一球に意思が宿る
吉井 妙子 / / 講談社
ISBN : 4062760851
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いわゆる「体育会系」の人間は身体能力は優れているものの、頭脳の働きは今ひとつ、というのが世間一般の通り相場ですな。トップアスリートと言われている人々もしかり。カラダの働きはすばらしいがアタマの働きは「?」という印象を私自身も持っていました。

この本は8人のプロ野球選手を取り上げ、彼らが球場で見せるパフォーマンスの陰には多大なる頭脳の働きがあることを描いています。

たとえば、ソフトバンクの和田投手が球速を上げるために、どのようにカラダを動かすべきかを考え、その動きをカラダに覚えこませるためにどのようなトレーニングを積んだか、中日の和田選手が「ぎりぎりまでボールをひきつけて打つ」ために何を考えたか、などが述べられています。

ヒトの運動能力をつかさどるのは小脳だそうです。小脳をうまく使うことによってヒトの身体能力は上がっていくのですが、「カラダに覚えさせる」ためには大脳の働きも無視できないそうです。自分がどのように動きたいかを正確にイメージして、そのイメージどおりカラダが動くようトレーニングを行う。指先の微妙な感覚や、腕の振り、バッティングフォームなどはこうして固まっていくそうです。

170kmの速球が投げられれば別ですが、身体能力が優れているだけでは、アスリートとしては大成できない。大成するにはトレーニングの方法なども含めて、常日頃から「考える」こと。
実に示唆にとんだ本でした。

一流のアスリートは試験にでるような「知識」には乏しいかもしれないが、物事を瞬時に判断し的確な行動をとるための知能は優れている、という著者の言葉は、まさにその通り。知能も知識ももっと鍛えなきゃいけないなぁ、と感じさせられた本でした。
by lemgmnsc-bara | 2008-07-24 20:54 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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