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『捌き屋―企業交渉人鶴谷康』を読んだ

捌き屋―企業交渉人鶴谷康
浜田 文人 / / 幻冬舎
ISBN : 4344410580
スコア選択: ※※※





五十嵐貴久氏、垣根涼介氏と衝動買いで買った作者の本が思いのほか面白かったのに味を占めて手に取りました。

企業間のトラブルを解決するために活動する「捌き屋」の姿を描いた小説。この話では公共事業発注に絡んだ、建設設計会社と土建業者のトラブルがテーマになっています。

登場人物は主人公の鶴谷康をはじめ、彼をとりまくヤクザや雑誌記者、高級クラブのママに興信所のメンバー、など一癖も二癖もある連中ばかりです。

鶴谷は依頼主である土建業者の意向を受け、内定を取り消された公共事業の受注復活を果たすため、あらゆる手練手管を用いて建設設計会社重役にアプローチします。

設計会社に結びついているヤクザと鶴谷の親友のヤクザとの水面下での暗闘。クラブママや雑誌記者、興信所のメンバーからもたらされる、設計会社重役の公私を問わない情報。

使える手はすべて使って迎えた結末とは…。これ以上は読んでいただくしかありません(こればっかり)。

冒頭に挙げた二人ほどの衝撃はありませんでしたが、公共事業の発注にからむ大手土建会社の談合にはリアリティーがあったし、乾いた関係を装いながらも実は情にとんだ登場人物たちも生き生きと描かれていました。

次回作は製薬会社をめぐるもののようです。買ってしまいそうな予感が…。
by lemgmnsc-bara | 2008-02-06 19:26 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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