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『新・夢十夜』を読んだ

新・夢十夜
芦原 すなお / / 東京創元社
ISBN : 4488430066
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この方の作品を読んだのは、直木賞受賞作の『青春デンデケデケデケ』以来です。『青春デンデケデケデケ』は田舎の高校生のバンド生活を描いた、ユーモアとペーソスにあふれる小説で、特にラストシーンは結構感動した記憶があります。

今回の『新・夢十夜』は夏目漱石の『夢十夜』をもじったもので、夢をテーマにした短編集。ユーモアとペーソスではなく、「奇妙な味の小説」にカテゴライズされる、恐怖と不可思議さに満ちた作品たちでした。

私自身は夢というのはあまり覚えていません。目覚めた後に強烈な印象が残るような夢は見ていないようです。むしろ現実の生活に非常に近い夢を見ているようで、以前最高権力者様に「寝言でそこのスペースに何かを積むとか積まないとか言っていたわよ」と指摘されたことがあります。当時スーパーを担当していたので、店頭で陳列場所を交渉する夢でも見ていたのでしょう。なんとも「夢」のないハナシですな、まったく。どうせ見るなら、贅沢な生活とか、華麗な走りを見せてトライを取るとか、現実にはありえないようなシュチュエーションを見てみたいものです。

作品の中では「おむかえ」が印象的でした。出口のない家に迷い込んだ主人公が、「これは夢なんだ」と自覚して、その家の中で夢のなかの謎をすべて解明してくれる医者に出会います。その医者から全ての謎解きを聞いた主人公に待ち受けていた結末とは・・・?

短編はオチを言ってしまえばそれまでなので、ついつい説明が中途半端に終わっちゃいますな。先週末のような寒い雨の降る天候下に読むにはぴったりの短編集でした。
by lemgmnsc-bara | 2007-11-14 07:05 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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