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『鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線――魚・肉・野菜・米』を読んだ

鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線――魚・肉・野菜・米 (晋遊舎ブラック新書 3)
吾妻 博勝 / / 晋遊舎
ISBN : 488380691X
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まず、書店でタイトルを見てギョッとしました(あのねのねか!古っ!)。

読み進めていくうちに気分が悪くなってきました。ちょっと前に某食品日配サービスの会社が、安全な食材を手に入れることの大変さをアピールするために部屋の中で牛を飼ったり魚を養殖していてたりという映像をおもしろおかしくCMに仕立て上げてましたが、そのCMがシャレにならない状態です。

タイトルにもなっている鯛という名のマンボウは和名を万鯛というアカマンボウで、主に切り身にされて粕漬けなどに加工されているようですが、小売店の店頭や飲食店などでは堂々と「鯛」として供されているそうです。また回転寿司などで出ているアナゴはチリ産のマルアナゴだそうですがアナゴという名前はついているものの、歴としたウミヘビの仲間だそうです。いずれも安価で調理の仕方でいくらでもゴマカシがきくという理由で広く流通しているようですが、これは明らかな詐欺行為。消費者をなめているといわれても仕方ない行為ですが、まだこの程度の詐欺は可愛い方。

ミートホープ社の事件は記憶に新しいですが、ひき肉に色々なモノを混ぜるというのは食肉業界の「常識」。安いハンバーグなど何が入っているか分かったモンじゃありません。同じ理由でマグロのすき身なんてのも信用が置けない。

抗生物質漬けの養殖魚。放射線照射で発芽をとめているジャガイモ。古米や古々米がブレンドされた新米。2年経っても腐らない防腐剤まみれの果物。防腐剤や発色剤をどっさり投入されたハム。作っている人間が「絶対に食べない」という加工食品。

その他にもカップ麺の残り汁に蝿や蟻を入れておくとすぐに死んでしまうとか、餌として賞味期限切れのコンビニ弁当を与えていた豚から大量の奇形児が生まれたというエピソードが紹介されています。

読了後、当然のことながら、「一体何を食えば安全なんだろう」っていう疑問がわき上がってきました。生協などはそれなりの基準を設けて危険と思われる食品は扱わないようにしていますが、根本のところで偽装が行われているなら必ずしも安全だとは言い切れません。結局は自分で栽培なり養殖なりを手がけるしかないんでしょうか?

ここ数日の食事はついつい箸を付けるのをためらってしまいます。一旦箸をつければおかまい無しに食いきってしまうんですがね(苦笑)。
by lemgmnsc-bara | 2007-10-16 07:18 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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