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『逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 』を読んだ

逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 (小学館文庫 い 1-18)
井沢 元彦 / / 小学館
ISBN : 4094081747
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『逆説の日本史』シリーズ文庫版も巻を重ねること11冊目。このブログで取り上げるのは初めてですが今までの十巻もすべて読んでいます。

著者井沢元彦氏は現在の日本の歴史学は「過度の細分化」「宗教観の欠如」「史料至上主義」の三つの弊害があり、ゆがんだ歴史認識に陥っていると常々批判しています。この『逆説の日本史』シリーズは前述の三つの弊害を全てクリアしたとする、井沢氏独自の歴史観のもとに著されています。

残念ながら私の歴史の知識は高校の教科書の時点で止まっています。歴史小説は好きでよく読みますが、まあ、あれはあくまでも読み物であって、専門的に学んだことはありません。従っていわゆる、学会の多数派を占める考え方が正しいのか、井沢氏の考え方が正しいのかについては判断を下すことができません。

ただし、井沢氏の著作を読むと常に新しい発見があります。トピックしかり、考え方しかり。私にとって非常に面白く読める本であるのは間違いありません。

今巻はのっけから「秀吉は6本指だった」という説を紹介しています。これは全く荒唐無稽なハナシではなく前田家の文書にそうした記述のあるものがあるそうです。「史料至上主義」によってしまえば、この文書は前田家の私文書ですから非常に信憑性が低いということになってしまうのですが、秀吉と前田利家の関係を考えた時にこの史料の信憑性は非常に高いと井沢氏は指摘します。

教科書では本能寺の変の後、明智光秀を討った秀吉が、すんなり織田信長の「跡目」を継いだように「習い」ますが、実際はいくつかの幸運に恵まれたことと、秀吉お得意の権謀術数を駆使したことで苦難の末に天下を手に入れたということについても、改めて解説してもらえました。

『水滸伝』のように毎月刊行される本ではありませんが、出ればかならず買ってしまう本の一冊です。
by lemgmnsc-bara | 2007-09-13 23:23 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
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