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『黒本―平成怪談実録』を読んだ

黒本―平成怪談実録 (新潮文庫 ふ 36-1)
福澤 徹三 / / 新潮社
ISBN : 4101323712
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まだまだ残暑も厳しいので、怪談も良かろうと思って衝動買いしました。創作怪談ではなく、著者が聞き集めた「幽霊話」集です。

親類や祖先の霊から、家に取り憑いて移り住んで来た人に祟る霊、いわゆる心霊スポットのエピソードなども紹介されています。

私には霊感などというものが一切ないので、今まで幽霊とか物の怪の類いには遭ったことはありません。中学生くらいからでしょうか、いわゆる「闇」に対しての怯えもなくなりました。金縛りには何度か遭ったことがありますが、「これは脳だけが目覚めていて、カラダは目覚めていない状態だ」という自覚を持っていて「恐怖」を感じたことはありません。従って「幽霊」というものの存在を完全に否定するものではないが、遭遇したこともないので信じるに足る「証拠」もないというどっち付かずの立場を取らざるを得ません。

私が「霊感の強い」同僚から聞いたエピソードを一つ。

以前私が勤務していた支店のビルは大きな病院の跡地に立てられたものだったそうです(いかにも心霊スポットっぽいですな)。
ある日その同僚は一人で深夜まで残業していたそうです。フロアが広いので電灯はいくつかのブロックに別れて点灯できるようになっていたので、同僚は自分の机のブロックだけ点灯させて仕事をしていたそうですが、ふと見るとフロアの隅の方がほの明るい。その光はやがて人の形のようになっていったそうです。しばらく見ているとその光は「うずくまり」膝を抱えてすわるような形でしばらくとどまった後、徐々に消えていったそうです。「あれは光が小さくなったとかじゃなくて、確かにうずくまってそのあと座っていた」とは同僚の弁。

このビルはその他にも監視カメラには何も映っていないのに自動ドアが何度も開く、とか夜中の非常階段に白い影が漂っていた、とかいう噂は結構ありました。

いまならさしずめ、ホテルニュージャパン跡地のオフィスビルにこういう「怪現象」は一杯起きていそうですな。先日久々に赤坂に行ったら大きなビルが建っちゃってましたが、つい何年か前までは、都心にぽっかりと空いたブラックホールのような不気味なスポットでしたからね。
by lemgmnsc-bara | 2007-09-06 07:06 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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