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『高らかに行け―社長と慕われた教師の「与え、考えさせ、動かす」技術』を読んだ

高らかに行け―社長と慕われた教師の「与え、考えさせ、動かす」技術
渡邉 一郎 / / グラフ社
ISBN : 4766210492
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著者渡邉一郎氏は1999年に定年退職するまで成蹊高校ラグビー部の監督を34年勤め上げた人物。強豪校ひしめく東京地区から、1968年と1974年の2度花園に出場しています。

小学校から大学までを擁する成蹊学園の教育理念のすばらしさと、選手の自主性を最大限に尊重しながらも要所要所は締める、という渡邉監督の指導方法の要諦はそれなりに伝わって来たのですが、ラグビー本としては少々物足りなかったですな。具体的な練習方法や、花園出場に至るまでの努力の過程というものが今ひとつ伝わって来ませんでした。

幼少の頃から楕円球に親しんで来たおぼっちゃん高校は、時にキビシい鍛錬を積んで勝ち上がって来た強豪校の泥臭さを軽くいなして、実にスマートにその上をいってしまうことがあります。叩き上げの強豪校がレスリングをやりに来るところをバスケットボールの試合に転換してしまうとでもいいましょうか。相手の力技をたくみに回避して自分たちの得意なプレーに終始する。花園出場時の成蹊高校なんかはまさにその典型だと思います。もちろん、スマートさの陰に隠れた基本的な力強さは持ち合わせてはいるのですが。

まあ、とにかく成蹊高校というラグビーに関しては決して恵まれているとはいえない環境下において、渡邉氏の指導により、花園出場を2回も果たしたということは賞賛すべきことではあります。成蹊学園の同窓会誌をたまたま読ませてもらったってなところですかね。
by lemgmnsc-bara | 2007-05-13 08:33 | 読んだ本

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