『金田一耕助の冒険』鑑賞

金田一耕助の冒険 [DVD]

古谷一行,田中邦衛,仲谷昇,吉田日出子/PI,ASM/角川書店

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いわゆる「角川商法」で、横溝正史氏の小説の売り上げが最高潮だった頃に『金田一耕助の冒険』という短編集が二刷発行されましたが、その中の一編『瞳の中の女』をメインストーリーとして制作されたのが標題の一作。

私は書籍発刊当時小学生でしたが、「角川商法」に見事に引っかかってこの二冊買ってもらった覚えがあります(他にも森村誠一氏の作品も随分買ってもらいました…)。で、何度か読み返したはずなのですが、肝心の作品の内容は見事なまでに忘却の彼方にあります。従って初めて触れるストーリーとしてこの映画を観ました。

しかしながら、この映画、正直言ってストーリーは全く必要ありませんでした。シーンの一つ一つに当時のドラマや映画、CMのパロディーが盛り込まれた、映画というよりはショートコント集に近いノリでしたね。

私はこういうオフザケは大好きです。パロディーの元ネタを知らずにもどかしさを感じたシーンはいくつかありましたが、この映画の公開当時は大のテレビっ子だった私にとっては、懐かしく、面白いシーンの方が多かったような気がします。

一つ一つの細かなくすぐりも快適だったのですが、一番評価すべきは「角川映画」や横溝作品に対する世間の人々からのツッコミに堂々と反論するシーンがあることです。当時の「角川映画」には「制作にも宣伝にも大金をかけて、さも大作であるかのように前評判を煽るが、中身が薄い」、横溝作品に対しては「金田一がそもそもあんまり役に立っていない」、「犯人がわかる前に人が死にすぎる」、「いつも、呪いとか悪魔とかおどろおどろしい」などという批判がありました。この批判に対し、この作品の金田一役である古谷一行が、劇中の長台詞でズバリ反論していますし、「大金をかける」ことへの批判に対しては横溝氏が本人役で出演し、見事に皮肉っています。

角川映画の個々の作品については、確かに必ずしも名作ばかりだとは言い難いのですが、その辺を逆手に取った、こうした、いまでいうところの「自虐ネタ」私は大好きです。

また、三船敏郎、壇ふみなどの豪華俳優陣や、先にも述べたとおり、横溝氏本人、作家の高木彬光氏や、角川春樹氏本人がカメオ出演しているのも見どころです。公開当時、この作品に関しては賛否両論あったようですが、私は断然支持します。



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by lemgmnsc-bara | 2018-09-05 09:42 | エンターテインメント | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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