『こどもつかい』を読んだ

こどもつかい (講談社タイガ)

牧野 修/講談社

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2017年に公開された同名のホラーサスペンス映画のノベライズ作品。大人による虐待を受けた子供が強い恨みを持つと出現し、出現の三日後にはその大人が変死してしまうという怪人トミーとその手下の7人の子供たちが怖さを担います。

作品中には二つの時間軸が存在します。

一つは現代。トミーによってもたらされた死は「不審死」であるため、その真相を突き止めるべく奔走する新聞記者駿也と、保育士をしているその恋人尚美の周辺に巻き起こる事件を描きます。

もう一つは数十年前のロシア、いわば「トミーライジング」とでもいうべき物語です。後にトミーと呼ばれることになる人物は少年時代に、そのテの趣味をお持ちの方のお相手をする娼館に親によって売られた少年。少年は自分を苦境に投げ込んだ親を恨むとともに、自分にとってこの世を苦境たらしめている大人全体を恨むようになります。行き場のない恨みや怒りのはけ口は一体どこに向かうか?自分よりも小さくて弱い存在です。トミーはある日バスに乗り遅れてバス停に佇んでいた少年を森の中に誘い込み、産前に性的暴行を加えた末に殺し、埋めてしまいます。この少年の祖母は魔力を持っており、トミーはその呪いに、時と場所を問わず苛まれることになります。この呪いから逃れないことには死ぬことすらできないのです。この辺りから物語には非日常性が高まっていきます。

さて現代の方に戻りましょう。尚美は自身も親から虐待された経験を持っており、同じような境遇の少年蓮への同情心から、つい彼の母になることを約束してしまいますが、現実にはコトはそうそう簡単には運びません。結果的に蓮との約束を破ってしまうことになり、深く傷ついた蓮の前にはトミーが現れます。そして尚美はトミーの呪いを受けてしまいます。残された時間は三日間。駿也は子供達が歌っていた歌を手がかりに、トミーの謎に迫っていきます。果たして尚美を救うことはできるのか?そしてトミーという存在の謎を暴くことができるのか?というところでストーリーの紹介はおしまい。続きは小説を読むか、映画を観るかしてください。

つい最近も悲惨としか言いようのない状態で衰弱死させられた女児がいましたが、彼女に代表されるような、子供達にはトミーはむしろヒーローのような位置付けで必要なのではないか、と思ってしまいました。性衝動に駆られて子供を「作ってしまった」大人になりきれないクソガキどもには、圧倒的な恐怖を与えてやるくらいのことをしないと、家庭内の虐待は減らないのではないか、というのが率直な感想です。密室内で行われている虐待に関しては。必殺仕置人ではありませんが「天の裁きは待ってはおれぬ。この世の正義もあてにはできぬ」という状態が出来しちゃってますからね、すでに。



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by lemgmnsc-bara | 2018-08-11 08:04 | 読んだ本 | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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