2018年 06月 10日
『ビッグ・リボウスキ』鑑賞
コーエンブラザース作、演出の一作。何かのランキングでかなり上位にあったので、なんとなく心に引っかかっていたのをレンタル。
主人公のジュフリー・”デュード”・リボウスキ(以下デュード)はデブで冴えないオタクっぽいおじさん。日中は怠惰に過ごし、ボウリングが唯一の社会との接点という設定です。
そんなデュードが、ある日自宅でやばい連中の待ち伏せに遭います。彼らはデュードに「借金を払え」と要求するのですが、デュードには全く心当たりがありません。デュードを襲った二人のおにいちゃんたちは「お前の女房の借金だ」というのですが、デュードには近づこうとする女性すらなく、女房なんてものは持ったことすらないのです。実は、この街にはもう一人リボウスきという人物がおり、そちらはビッグと言われるほどの大金持ち。どうやらこのおにいちゃんたちはデュードとビッグを間違えたらしいのです。ビッグの妻の浪費は事実のようでしたが…。まずもって導入部からおマヌケ全開です。
おにいちゃんたちの一人が腹いせにデュード家の敷物に放尿し、使い物にならなくしてしまいます。この敷物の賠償を求めて、デュードはビッグの元に出向くのですが、全く相手にされないまま追い払われます。せめてもの抵抗としてデュードはビッグの秘書に「どれでも好きな敷物を持っていって良いと言われた」と嘘をつき、一枚敷物をせしめます。こういうところでデュードのケチな小悪党ぶりが描かれます。
ところが数日してデュードはビッグの自宅に呼び出されることとなります。件のおにいちゃんたちの背後にいる組織がビッグの妻を誘拐して、身代金を要求してきたのでした。おにいちゃんたちの顔を知っているのはデュードだけということで、彼は身代金の受け渡し役を依頼されます。ここで素直に身代金の受け渡しが行われないところがコーエン兄弟映画の仕掛け。デュードのボウリング仲間が身代金のネコババを持ちかけ、デュードの反対にも関わらず、ネコババを強行してしまったことで、主人公たちがどんどんやばいシチュエーションに追い込まれていく、いわゆるドツボにはまってしまうというストーリーが展開されることとなります。
この辺のドタバタぶりがコーエン作品の妙味です。今作に関しては多少血は流れますが、人は死なず、シャッキリとはしないながらも心和む結末に向かって行きます。日米の笑いのツボの違いなのか?個人的な感覚なのか?コメディーと謳っているわりにはそんなに笑えない作品でした。
by lemgmnsc-bara
| 2018-06-10 16:04
| エンターテインメント