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『ミックス。』鑑賞

ミックス。 通常版Blu-ray

新垣結衣/瑛太/ポニーキャニオン

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主演に新垣結衣、瑛太という人気者を起用し、脇役にも様々な個性派を配したスポ根モノ。タイトルの「ミックス」は卓球の男女混合ダブルスを指します。

ヒロイン多満子(新垣)は幼少時から母親(真木よう子)に卓球のスパルタ教育を施されてきており、技術的には非常に高いものを持っていましたが、「優勝以外の成績は全てクズ」という極端さについていけず、本当は嫌で嫌でたまらないものの、逃げ出せないという「生き地獄」を味わっていました。幼少時の練習風景が「泣き虫愛ちゃん」のVTRをもじった作りになっているという細かなくすぐりがありました。高校時代に母親が病死すると、長年の重石が一気に取れた多満子は卓球から遠ざかって一気にヤマンバギャル化。その後も一切卓球と関わることなく、30目前の今まで普通のOLとして冴えない生活を送っています。

そんなある日勤務している会社に卓球部ができ、そこにスター選手として入部してきたのが、多満子と同年代で、数々の大会で優勝していて多満子の憧れだった晃彦。多満子は卓球少女であったという前歴を隠して、晃彦と付き合うようになりました。

そこに入部してきたのが若手女子選手愛莉。ミックスのパートナーでもある彼女は私生活でも晃彦を略奪してしまいます。

傷心の多満子は、会社を辞めて故郷に帰り、母親の遺産である潰れかかった卓球クラブを引き継ぐことになります。最初はすぐにでも潰してしまおうと考えていた多満子でしたが、幼少時代からの会員弥生をはじめとする、現在のメンバーたちのために渋々経営を引き受けます。そしてそこに、ある目的で卓球を知ろうと入ってきた元ボクシングの日本ランカーである久(瑛太)が入ってきて、ミックスで日本選手権優勝を目指し、メンバーのそれぞれがその置かれた様々な状況を乗り越えて努力する様子を描く、というのがメインストーリーです。多満子と久の「歴史」を軸に、主要なメンバーの背負うそれぞれの苦境がクロスオーバーして行く、というのはスポ根ドラマの常道ですが、それぞれのキャラクターが持つストーリーはそれなりに練られていて、不自然さとか、無理矢理な感じとかはありませんでした。ま、日本人の嗜好には最も合うストーリー展開の一つのパターンであることは事実です。

脇役陣の怪演も目立ってました。多満子の母親役の真木よう子の鬼気迫るそれでいてコミカルなスパルタ毒母には一つ大きく笑えるギャグがあります。メンバー行きつけの中華料理店の中国人店員を演じていた蒼井優が特に出色。日々ふてくされている無愛想な店員をうまく演じていたと思います。あとは、やや反則ではありますが、ドラッグクイーンの役を演じた生瀬勝久氏のインパクトが大。欲を言えば、彼(女?)も大会に出すなどしてもう少し出番を増やしてもよかったかな?

さて、肝心の多満子は『逃げ恥』の森山みくりをどうしても想像させてしまうキャラクターでした。若くて綺麗なのに、消極的で考え込みすぎる性格故になかなか次の一歩が踏み出せない。人生も、恋愛もそれで失敗しているのに、もう一度失敗するのが怖くて現状の肯定に逃げ込んでいる…。こういう経験は誰にでもあるでしょうから、感情移入はしやすかったんですけどね。柳の下の二匹目のドジョウを狙うのはこの業界の常ですが、あまりこうした役ばかり演じてしまうと、何をやっても「のだめ」に見えてしまう上野樹里みたいになってしまいますから、本人も周りのスタッフも気をつけないといけませんね。瑛太はまあ、いつもの調子で、可もなく不可もなくでした。









by lemgmnsc-bara | 2018-05-20 16:49 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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