『ウォークライ』(全8巻)を読んだ

ウォー・クライ コミックセット [マーケットプレイスセット]

竜崎 遼児/ワニブックス

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高校ラグビーを題材としたスポ根漫画。『どぐされ球団』の作者竜崎遼児氏がラグビーというスポーツをどう料理しているのかに興味を惹かれ、衝動DL。

舞台は創立1年目の扶桑高校。校長兼ラグビー部の監督は元日本代表のラガーマン。犯罪を犯して少年院送りになった者、あるいはそれと同等の悪たれどもを集めてラグビー部を創り、そこで少年たちを更生させようってのが目論見、って『スクールウォーズ』(それもどちらかというとパート2)の設定そのまんまじゃねーかよ!

最初の試合で強豪校と当たって、惨めな大差の敗戦を喫し、そこから発奮して猛練習に励み、ってモロにそのまんまの展開がしばらく続きます。

この作品の連載時期は1980〜81年。有名な伏見工業vs大工大高(そう言えばこの両校とも校名が変わっちゃいましたね…)の決勝が1981年の正月で、書籍としての『スクールウォーズ』の出版はそれよりももっと後になってのオハナシですので、こちらの方が先、とも言えるのですが、伏見工業のエピソードはこの作品のもっと前ですから、マスコミ等を通じて伝えられたエピソードの数々に竜崎氏がインスパイアを受けたであろうことは想像に難くありません。

ストーリーは王道のスポ根モノです。一度叩きのめされた相手にリベンジするまでの血と汗にまみれた猛練習の日々と、キャプテンである叶の苦悩、校長からこの悪たれたちの「調教」を任された女監督なんかが出てきて、それなりに読ませるストーリーが仕掛けられています。

数々の強豪との対戦、NZの高校生チームとの対戦などを経て、最後には少年院のチームまで出てきて、ケンカというよりは殺し合いに近いような試合をやったりもするのです。このチームの必殺サインプレー「アマゾネス」なんてのも登場しますが、これはちょっとラグビーをかじったことのある人なら、実現性の極めて低いプレーであるとすぐにわかってしまう必殺技です。こういうところがフィクションとノンフィクションの決定的な違いですね。

物語の終結部分では、今までの敵味方を問わないメインキャラたちが勢ぞろいして、日本代表チームとして、オールブラックスと対戦することとなります。試合は一進一退で最後の最後まで結果がわからないままのストーリー展開となります。

この作品の発表時点ではW杯も開催されていませんので、オールブラックスとは対戦することも難しかったし、ましてや互角に戦うなんざ、夢のまた夢、人類が木星で暮らすのと同レベルの不可能なオハナシでした。しかしながら2015年のW杯の「ブライトンの奇跡」以降、月面で生活するくらいの距離感に縮まってはきたように思います。このストーリーの最後で描かれたような熱戦の末、ジャパンがNZを破って優勝、なんてな2019年W杯になってくれたらいいな、ってのが読後に最も強く感じた感想でした。


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by lemgmnsc-bara | 2018-04-21 08:03 | 読んだ本 | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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