2017年 10月 07日
『ダーティ・グランパ』鑑賞
押しも押されぬ名優ロバート・デ・ニーロと、若手の有望株ジャック・エフロン共演によるコメディー。
連れ合いを亡くしたばかりのディック(デ・ニーロ)は生真面目な弁護士である孫ジェイソン(エフロン)を、強引にフロリダ旅行へ同行させます。ジェイソンは良家の令嬢との結婚式を間近に控えており、その準備で忙しいことを理由に断ろうとしたのですが、ディックから「最後(になるかもしれない)の頼みだ」との言葉に押し切られたカタチです。
ジェイソンがディックを迎えに行くシーンがまずぶっ飛び。ディックは朝から酒をかっくらっている上、エロビデオを観ながら青少年が耽るような一人遊びの真っ最中。このシーンだけでこの作品の「方向性」がわかってしまうという巧妙な作り。妻という重石が取れて、メチャクチャはしゃぎたいじーさんと、それに振り回される生真面目な孫のドタバタなんだろうな、と思ったらその通り。でも結局はジェイソンもディックに引っ張られて、酒とドラッグを浴びるほど嗜んでしまい、股間に動物のぬいぐるみを装着しただけの姿でマカレナを踊り狂ったりします。この辺のドタバタが一番の笑いどころ。じーさんの性格もぶっ飛んでますが、孫にもその地は濃厚に受け継がれているという事実を暗示していたりもします。
じーさんは自分のぶっ飛んだ性格を受け継いでいるはずの孫が、堅苦しい良家のしきたりや、束縛ばかりしたがる婚約者とは絶対に合うことはなく、その結婚生活が不幸あものになるであろうことを予見していたのでしょう。じーさんには、性格も行動もじーさんそっくりなもう一人の孫(ジェイソンの従兄弟)がいるのですが、そっちを旅に誘わず、一見すると真逆な性格であるジェイソンを連れ出したことがそれを示しています。
結局、結婚式前の友人知人を招いての食事会の席で、ものの見事にこの結婚は破談となります。そしてジェイソンはじーさんとの道行き中に再会した大学時代の同級生と結ばれることとなるのです。
じーさんには孫よりももっとぶっ飛んだエンディングが待っています。どんなエンディングかは本編をごらんください。
理屈抜きで笑える作品でした。もし日本でこの作品をやるとしたら、高倉健氏や三船敏郎氏などの大御所に登場願えればさぞかし笑えるものなったであろうと思います。本人たちはやりたがりそうもない役ではありそうですがね。
by lemgmnsc-bara
| 2017-10-07 10:09
| エンターテインメント