2016年 07月 01日
『クリード チャンプを継ぐ男』鑑賞
ボクシング映画の金字塔『ロッキー』シリーズの最新作。さすがに元祖ロッキー、シルベスター・スタローンの復帰は年齢的に無理。何しろすでに還暦超えてるんですから。いかに薬を使おうと、いかに筋トレを欠かさずにいようと、役者本人の肉体が見るに耐えなければ、それだけで作品としては成り立ちません。
というわけで、この作品でのスタローンの立ち位置はトレーナー。そして実際にリングに立つのは『ロッキー3』の敵役、アポロの息子アドニス・ジョンソンです。作中アドニスはダニーと自らのニックネームを名乗っていますので、この投稿中は彼のことをダニーと呼ぶことにします。
ダニーはアポロの愛人の子供。施設を転々としながら、ケンカに明け暮れる毎日を送っています。そこに登場するのはアポロの正妻メアリー・アン。彼女はダニーを引き取り、養子として育てます。何不自由なく教育も受けさせ、「真っ当なビジネス」の場で成功を修めつつあったダニーですが、血は争えなかったようで、ボクシングの世界に惹かれていきます。当然のことながら、周りはダニーの行動を諌めるのですが、ダニーを止めることは誰にもできません。
そして、その情熱はボクシングに関わることを一切辞めていたロッキーをも突き動かし、ロッキーはダニーのトレーナーとして、彼を鍛えぬくことを決意。ロッキーに鍛え上げられたダニーが不敗のチャンプに挑むというのがざっくりとしたストーリー展開です。
まあ、ストーリー展開は読めてました。あとはアカデミー賞を受賞した第一作のように「わかっているのに、手に汗を握ってしまう」というドキドキ感をどこまで高めてくれるのかが勝負。そういう意味においては、会心の出来とまではいかないまでもそれなりに仕上がった作品だったとは言えるでしょう。我々がスポーツというものから感じるドキドキ感とはいったい何なのか?作り物であってもドキドキしてしまうシュチュエーションとは一体どんなものなのか、ということについて改めて考えさせてくれる作品ではあります。まあ、それ以外にこの作品を鑑賞する価値はありません。
ムダに引っ張って第二シリーズ化するような真似だけは避けて欲しい作品でした。
by lemgmnsc-bara
| 2016-07-01 20:12
| エンターテインメント