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『エール!』鑑賞

エール! 【DVD】

ルアンヌ・エメラ,カリン・ヴィアール,フランソワ・ダミアン,エリック・エルモスニーノ,ロクサーヌ・デュラン/アルバトロス

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久々に観たフランス映画。フランス映画というと『ラ・ブーム』しか印象に残っていません。それもストーリーよりはソフィー・マルソーの可憐さ(当時)ばかりが頭の中に残っているという無関心ぶり。小やたら難しい理屈と高尚すぎる美意識に恐れをなして敬遠していました。

この作品も、以前に紹介した『ボーイ・ソプラノ』の隣に陳列されていたので勢いで借りてきてしまったもの。特に観たいという意図があった訳ではありません。

ストーリーは田舎町で牛を飼ってその乳からチーズを作って打っている一家の長女で女子高生のポーラを主人公として展開します。家族は夫婦と姉弟という4人で構成されていますが、ポーラ以外はすべてろうあ者という設定。ポーラと家族は手話で会話するのですが、感情が高まる場面では自然と動きが激しく、コミカルなものになりいいアクセントとして作用していましたね。

さてポーラはイケメンだけを目当てでコーラス隊に応募しますが、そこで隠れていた音楽的な才能を見いだされて、パリの音楽学校へ行く事を薦められます。しかし耳が聞こえないがゆえに彼女の才能を「実感」できない家族はパリ行きに猛反対。特に母親はワインを瓶からラッパ飲みして泥酔し「育て方を間違った」とまで毒づきます。

いわゆる毒親ですね。子供の可能性を伸ばすよりは、自分にとって心地よい今の状態を維持したいという欲望を優先させる母親。こういう母親からは逃げてしまうのが一番なのですが、まあ高校生ぐらいの年齢ではそうそう簡単には思い切れないでしょうね。経済的な問題もありますし…。

一方でおフランスの映画らしく、エロ要素もちょいちょい。なかでもポーラが思いをよせるイケメン君がポーラの家にデュエット曲の練習に来た際に、アクシデント的に初潮が来てしまった(高校卒業も近いというのに初潮が来てないってのは遅くないか?)娘のズボンを取り上げ、そこについたシミを見せびらかすようにしながら大喜びする母親には笑っちゃいました。娘としてはたまったもんじゃないですね。音武がいろいろと話題を喚起してますが、障碍者だって人間なんですから、いろいろな欲望があるし、その強弱だって人それぞれです。

最後はかなりウエットな仕上がり。まあこのテの作品でバッドエンドはありえませんから「順当」な仕上がりでしょう。もう少し皮肉の利いたユーモアとエスプリが欲しかったところですね。



by lemgmnsc-bara | 2016-04-09 08:39 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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