2016年 03月 26日
『日本共産党と中韓−左から右へ大転換してわかったこと』を読んだ
日本共産党のNo.4まで昇ったものの、セクハラスキャンダルで党職を解かれ、参議院議員の職も失った筆坂秀世氏による、日本共産党を内部から眺めた一冊。
日本共産党の思想の揺らぎや、理論の矛盾点、発言の誤りを指摘し、題名にあるように中韓との関係を解説する、という体裁をとっていますが、ぶっちゃけ共産党に対しての悪口を書き綴ったものです。
まあ、共産主義に関しては理想は崇高であるもののソ連の崩壊と中国の「名ばかり共産主義」の惨状を鑑みると現実的な理論ではないと言えると思います。大きな戦争でも起こって世の中がひっくり返らない限り、局地的にはともかく全世界にはうけいれられないであろう理論です。
その理論を掲げている以上は、世の中的には「ひねくれモノ」にならざるを得ません。自公に対しての対立軸であった民主党が壊滅し、維新の会が担うはずだった第三極も事実上消滅した今、共産党が衆議院の議席を増やしたのは消去法に従った結果。政権奪取などは夢のまた夢です。
私自身は「反対のためだけにある政党」としての共産党には一定の意味があるとかんがえています。「反対意見は存在するぞ」という姿勢を示す勢力がなければ、強引な数の論理ばかりがまかり通る世の中になってしまいますから。
ただし、理想や理念だけでは人々はついてきません。どこまで現実との折り合いが付けられるかが今後の共産党伸張のカギとなるでしょうね。
さて、著者筆坂氏は思想の柱といった大きな問題から、『赤旗』の購読者減少に至るまで、実に様々なレベルとカテゴリーで共産党の悪口を言いまくっています。セクハラスキャンダルで失脚した事をよほどうらみに思っているのでしょうね。「なるほど」という部分も少なからずあるのですが、総体的には単なる揚げ足取り、という印象を払拭出来ません。批判のための批判を繰り広げるところは共産党の「遺伝子」をしっかり受け継いでいらっしゃいます(笑)。悪口雑言のサンプルとしては非常に面白いとは思いましたが、結局それだけでした。
by lemgmnsc-bara
| 2016-03-26 06:30
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