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『カンブリア宮殿<特別版> 村上龍×孫正義』を読んだ

カンブリア宮殿<特別版> 村上龍×孫正義 (日経プレミアシリーズ)

村上 龍 / 日本経済新聞出版社

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村上龍氏と小池栄子氏のMCによる人気対談番組『カンブリア宮殿』の書籍化シリーズ。題名の通り、孫正義氏との対談をまとめたもの。現在の日本を代表する企業の経営者が多々出演している同番組においても一人で一冊の本が出来てしまうというのは異例なこと。それだけのオハナシは確かに詰まっています。

孫氏は高校を中退し、単身渡米しカリフォルニア大学バークレー校に入学します。まずこの経歴が凡人とは違うところ。孫氏の「母校」は久留米大学付属高校という全国でも屈指の進学校ですから、「普通」に考えたら日本の優秀な大学への進学を目指すところですが、日本よりアメリカの方が10年進んでいるという考えに基づき日本を飛び出してしまうのです。まあ、彼が在日韓国人の三世であることも少なからず影響しているのかもしれませんね。

彼のこの「従来のフレームに囚われない」という姿勢は現在に至るまで一貫しています。ニーズに見合ったコンピューターソフトを調達し、企業相手に売る、という商売を始めたのは孫氏が初めてですし、事業の拡大に伴って、既存の分野だけでなく新しい事業にもどんどん挑戦しましたね。それも、マネーゲームに走ることなく、健全に各事業を育てて来ました。

iPhoneを最初に取り入れたのもソフトバンクなら、CMの主人公を犬にしてしまい、常に好感度のNo.1をひた走るシリーズにしたのもソフトバンク。携帯電話の電波の枠を求めて、許認可省庁を訴えるなどという暴挙ともいうべき行動に出たのもソフトバンクでしたし、親会社の経営難から売りに出ていたホークスを買い取ったのもソフトバンクでした。

孫氏のやること為すことはすべて当たっており、日本における新しい枠組みを造り出したり、新しいニーズを発掘したりしながら、着実に収益をあげていますね。儲かっていることもうらやましいですが、それよりも卓越した先見性を持ち、正しいと信じた方向に向けて努力し、それがきちんと利益に結びついていることがなによりうらやましい。毎日毎日楽しくて仕方がないでしょうね。

孫氏は現在でもケイタイ他社の新製品は全て手に入れて、どこが優れているのかを自らチェックしているそうです。こうした「実践」こそが常に新しいもの、進んだものを造り出す源泉となるのでしょうね。

なかなか面白い内容だったと思います。まあ、でも彼の下で働くのは大変そうですね。私なら納得させるまでに気が狂ってしまうような気がします(笑)。
by lemgmnsc-bara | 2014-04-13 18:15 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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