2013年 09月 10日
『崩壊!パナソニック 復活への秘策』を読んだ
Kindle無料書籍DLシリーズ第二作目。著者管野氏はパナソニックに30年奉職した経験の持ち主で
その後、様々な企業のシステム事業に携わったそうです。
論旨は明確にして単純。今のパナソニックは組織が肥大化し過ぎていて意思決定に時間がかかり過ぎ、世界の潮流に乗り遅れているので、事業部制にもどし、各々の事業部を独立採算制にすることで、ムリ、ムダ、ムラをなくし、「世界の松下」を復活させようというものです。そして各社の本社に携わる人数を今の半分にまで減らし、残りの社員は全国にあるパナソニックの系列店の店員にし、電器だけではなく、高齢者介護の領域にまで踏み込んだきめ細かいサービスを売りにせよ、ということも述べています。
技術のソニーに販売のナショナル。つい最近までこの方針は世界の隅々にまで浸透していましたが、いまや韓国勢に押されて、シャープを含めた日本の電器メーカーの影はすっかり薄くなっています。典型的なのがスマホ。日本のお家芸とでも言える小型の電子機器なのに、アップルとサムスンの二強状態が世界的規模で続いています。日本企業は次々と戦線から離脱して行く始末。かつて世界を席巻し、アメリカ製品を駆逐した勢いはどこにいったのでしょう?電器業界が立ちいかなくなれば日本の産業界そのものが危うくなるのです。コトはパナソニック一社だけの問題ではありません。
著者の主張は明確ですが、はたして著者のとなえる体制を敷いたところで、復活はなるのでしょうか?これも大いに疑問です。でも試してもみずにいては座して死を待つばかり。何らかの対策を講じる事は確かに必要だと言えましょう。
著者の持説の主張が強すぎて、やや食傷気味になってしまった一冊。まあ、これもタダなんですから文句は言えませんがね(苦笑)
by lemgmnsc-bara
| 2013-09-10 19:20
| 読んだ本