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『エコうまに乗れ!』を読んだ

エコうまに乗れ!

滝 順一 / 小学館

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今の部署の前の部署では、環境経営に関する「資格」であるISO14001の認証や継続に関することが業務の一つの柱でしたので、環境問題に関する本は何冊か読みました。この本もその一環として読むように言われていたのですが、ついつい自前の積ん読山のなかに埋もれさせてしまったままでした。今は直接環境問題とは関係ない業務なのですが、懐かしさに駆られて読んじゃいました。

一頃、環境問題に関連したビジネスや商品が多々開発され、マーケットをにぎわしましたが、東日本大震災による福島原発の問題が起こってから、なんとなく環境に関する議論そのものが下火になってきたような気がします。私自身が関連業務を離れたという事もありますが、今環境問題を声高に語り始めるといつ原発問題という「地雷」を踏むかわからない、という不安の下、マスコミが得意の「自主規制」をかけているような気がしますね。

この本は「環境バブル」華やかなりし2008年の出版です。なるべくCO2を出さないクリーンエネルギーに廃棄物のリサイクル、壁面緑化に電気自動車…、いずれも環境問題の救世主的な扱われ方をされ、マスコミにはアイドル並みに露出していました。ところが今ではどうでしょう?クリーンエネルギーを推進し脱原発を謳っていたドイツはクリーンエネルギーにかかるコストを負担しきれなくなり、継続的なクリーンエネルギー使用に黄色信号がともっています。電気自動車はインフラ整備が進まず、自治体など一部にしか使われていません。それに結局は電力も別のエネルギーを使って作り出している訳ですから、本当に環境問題の解決に寄与しているのかどうか疑問です。それよりも、大半が熱となって放出されてしまうだけのガソリンの効果をもっと高めるようなエンジンを開発する方が先決ではないかと思うのですが…。

廃棄物の処理、リサイクル問題もまだまだ不透明ですね。本当にヤバいものはちょっと危ない筋の方々が一枚噛んで人目につきにくいところに不法投棄を繰り返しているようですし…。一度隠された有害な廃棄物が再び世の中に姿を現す時は恐ろしい事になっていそうな気がします。

まあ、私が知らないというだけで、様々な技術は進歩しているのかも知れませんし、例えば中国になんらかのインセンティブを与えて「本気」で環境問題の解決のために力を入れさせたら大半の問題は解決してしまうのかも知れません。依然として、いまの地球環境の「異常さ」が果たして人類の営為によるものだけなのかという根本的な疑問はついてまわるのですがね…。
by lemgmnsc-bara | 2013-09-06 23:29 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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