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『戦国の古戦場を歩く』を読んだ

戦国の古戦場を歩く(祥伝社新書232)

祥伝社

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独自の史観で数々の歴史関連書籍を上梓している井沢元彦氏が戦国時代の古戦場を紹介したガイドブック。氏が書いた歴史関連書籍としては珍しく、宗教の話も怨霊の話も出て来ず、淡々と史実を述べる構成となっています。

氏の考え方は、冒頭の部分に簡潔に述べられています。「ぜひとも現地に行き、自分の足で歩いて戦場を体感して欲しい」というのがその考え。数十キロにもなる重い鎧を身につけ、鉄砲の弾をかいくぐり、走るしんどさってのは想像を絶する過酷さです。ただですら坂道を駆け上がるのは非常にしんどいんですから(私は特に、ですがね。苦笑)。まずは地形を見、そこを実際に歩いてみることで、少しでも当時の過酷さを感じてみる。百聞は一見にしかず、ということわざの意味を身をもって知ることができるでしょうね。

戦国時代の合戦のクライマックスはなんといっても関が原。戦後、進駐軍の参謀は関が原の布陣を見て「この戦いは西軍が勝ったのだろう」といい、逆の結果に衝撃を受けたといいます。原因は戦前の諜報活動で小早川秀秋らを寝返らせておいたこと。その後の徳川が君臨し鎖国をはじめとするさまざまな政策を施行したことによる影響は今でもさまざまな分野に色濃く残っていますね。柔弱なひとりの若者が結果的にとてつもなく大きな役割を担ってしまった、というのが歴史の面白いところではあります。

その他では鳥取城の兵糧攻めが印象に残りました。いよいよ飢えた城兵たちは脱走しようとする者を捕らえると、その肉体を引き裂いて食糧にしたそうです。それも「頭の部分が美味だ」といって奪い合う有様。生き地獄とはこのことでしょうね。

読み終わって、どこかの古戦場に出かけていって実際に歩いてみたくなりました。また、昔熱中した戦国シュミレーションゲーム「天下統一」をもう一度やってみたくなりましたね。
by lemgmnsc-bara | 2013-03-13 20:52 | 読んだ本

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