2013年 02月 14日
『知らないと損する 池上彰のお金の学校』を読んだ
わかりやすい解説でTVを中心に人気を博している池上彰氏の「お金」にまつわる解説書。芸術系の大学の学生への講義メモが元になっているそうです。
いまや、人間というものの社会の動きを支配していると言っても過言ではないのが「お金」というもの。経済効率優先という価値観が至上とされる現状においては、人の命はもとより、自然環境や国のあり方に至るまで「お金」によって左右されてしまいます。
ここ数十年のスパンで考えると、「お金」というものの実態が見えにくく見えにくくなってきている、という印象を受けます。「金本位制」の時代なんかはモロに「金」と「お金」は結びついていましたが、金融工学というマネーゲームの発達した現代では「お金」はその「お金」で買えるモノ以上に増えたり減ったりしていますね。ある意味非常に恐ろしい時代です。
池上氏は「お金」というものの成り立ちの歴史から現代の複雑怪奇な経済状況にいたるまで「わかりやすさ」を前面に押し出して解説してくれています。大学生はもとより、中学生くらいの年代で読んでも理解しやすい丁寧さだったと思います。(もっとも今の学力が著しく低下している大学生は気のきいた中学生より理解力がないかもしれませんが…)
解説はわかりやすかったのですが、改めて「お金」というものの複雑怪奇さを実感させてくれる一冊でした。まあ、私のように目端の利かない人間は地道に働いて、自分のカラダを提供する対価としてのサラリーを得るという生き方しかできないのでしょう。
by lemgmnsc-bara
| 2013-02-14 19:45
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