2012年 09月 17日
『ぼくらが惚れた時代小説』を読んだ
時代小説作家の山本一力氏、時代小説評論の第一人者縄田一男氏、俳優にして読書家として名高い児玉清氏(故人)による、時代小説を巡る鼎談。三人がそれぞれの視点で、好きな作家、作品を語ります。
ちなみに時代小説と歴史小説の違いってご存知ですか?ある方の定義によると、架空のヒーローを主人公にしたものが時代小説、実際の史実を題材に採って描いたものが歴史小説だそうです。この鼎談ではこの両者が曖昧なまま扱われていますが、まあいいんです、小説自体が面白ければ。
大学時代、一番読んだのは司馬遼太郎氏の一連の作品でした。『国盗り物語』に始まり、『龍馬がいく』、『燃えよ剣』など、まさに読みふけっていましたね。司馬氏の歴史小説は司馬氏独特の歴史観が強く出過ぎているとして、近年では批判されることも少なくないようですが、何しろ面白かった。歴史の勉強にもなったし、って大学の専攻にはまったく関係ありませんでしたがね。
あと、中学後期から高校時代にはちょっと山本周五郎も齧りました。『青べか物語』に描かれていた庶民の生き生きとした姿が印象的でしたね。後に何の巡り合わせか、舞台となった浦安に住んだこともありました。
つい最近読んだものとしては、五味康祐氏の『柳生武芸帳』ですかね。謎が謎を呼び、人間関係も濃厚に絡み合って。これから面白くなるぞ、ってところで終わったままになってしまっているのがつくづくと惜しい作品です。構想が壮大すぎて、描ききれなくなったんでしょうね。
その他によく読んだ作家としては柴田錬三郎氏に池波正太郎氏でしょうかね。津本陽氏、隆慶一郎氏も好きな作家です。残念ながら、最近人気の作家諸氏にはあまり触れたことがありません。鼎談のメンバーの一人である、山本氏の作品についてもしかり。食わず嫌いはやめて今後は新しい作家諸氏の作品にも触れていきたいし、機会があったら中里介山の『大菩薩峠』にも挑戦してみたいと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2012-09-17 22:06
| 読んだ本