2012年 01月 08日
イタリア旅行記Ⅸ〜ピサの斜塔
フィレンツェからバスにゆられること二時間余り。ピサに到着です。到着してバスから降りると、怪し気な黒人が近寄って来て折りたたみの傘を売りつけようとしてきました。この近辺もあまり治安のよろしくない場所だそうです。職のない難民たちがウヨウヨといて、隙あらばインチキな商品を売りつけるか、小銭をせびろうと寄って来ますからね。日本人ツアー一行は北朝鮮の軍隊を思わせる徹底した無表情で完全に黙殺。これが一番の対処法でしょう。
さて、まずは全景です。
一番手前が洗礼堂、その後ろの大きな建物がドゥオーモ(大聖堂)、そしてドゥオーモの右端に写っているのが件の斜塔です。
まずは手前の洗礼堂から見学。洗礼堂とはその名の通り、洗礼式を行う場所であり、信者が信者たることを認められる場ですから、ドゥオーモに勝るとも劣らぬ意匠が凝らされています。
高い天井。これは採光の意味もありますが、声がよく響くような音響効果を狙っての装置だそうです。係員が一人、独特の発声で音の響きを体感させてくれました。
確かに音が横からだけではなく、上から降ってくるように聞こえました。大した知恵です。
洗礼台です。
当然のことながら今でも洗礼に使われる「現役」です。
神父が説教等を行うための演台。
この演台も細かい彫刻が様々に施されていて華麗な印象を与えますね。
入り口とは別の口から出て改めて撮影した洗礼堂。
現地ガイドさんの説明によれば、この近辺は元々地盤が非常に緩いのだそうです。故に斜塔という世にも不可思議な建物も出来上がってしまったわけですが、この洗礼堂も若干傾いているそうです。
お次ぎはドゥオーモ。
観光名所としては斜塔の方が有名になってしまっていますが、宗教上はコチラの建物がメインですから、柱も天井もいちいち豪華です。
演台も豪華。
なお、この演台は洗礼堂の演台を作った建築家の息子が作ったそうです。ドゥオーモの演台の方が出来がいいと言われているそうです。
ドゥオーモから出ると、そこにはお目当ての斜塔が…。
これは実物をみてみないと、その不可思議さが理解できません。あれだけ傾いているのに何故立っているのか、本当に不思議です。この建物は、最初任された建築家が下段部分を作り上げた際に、傾いてしまったそうです。責めを負うことを恐れた建築家が逃亡したため、その後しばらくはほったらかし。別の建築家が完成させたのですが、この建築家は、傾きを計算に入れ、バランスが取れるよう築いたので、塔はよくよく見るとバナナ形をしているんです。いろいろ考えて工夫するもんですね。
傾きは年々大きくなって行っていたそうで、1999年に傾きを治すための工事が行われました。その際にこんな感じで根本を固めたみたいですね。
右の方へ行けば行くほど、螺旋階段のように沈んで行っているのがお分りいただけるでしょうか?
やっぱり何とも不思議な建物です。上まで上ることも出来るのだそうですが、一日に上れる人間の数は制限されており、すぐに予約は満杯になってしまうそうなので、午後に行ったんじゃ、まず、上るのは不可能だそうです。
帰りも二時間ほどバスの中で熟睡。フィレンツェに帰って来てまたちょいと街歩きです。
街はクリスマスムード一色。
ある広場には仮設のメリーゴーラウンドまでありました。
この時間の街歩きでは、やはり最高権力者様が調べておいた皮製品の店「BJOLA」に寄りました。日本では余り認知されていないブランドですが、なかなかセンスのいいバッグや小物が売ってました。私も最高権力者様もそれぞれ一点ずつ買い求めました。
それから、一軒のワイン専門店で、高いワインを6本ほど。送料は取られませんでしたが500ユーロ以上の買い物となりました。日本で買えばもっと高い!と無理矢理納得して買いましたが、やはり絶対額が高いですね。
この段階で、もう二人とも疲れ切ってしまったため、夕食はリストランテなどには寄らず、ホテルの近くでサンドウィッチを買ってそれで済ませました。いくらオリーブ油が主体でも、やはり日本人の胃には少々キツい食事です。なにより量が多いですから…。
旅行もそろそろ終盤。次はローマ編です。
by lemgmnsc-bara
| 2012-01-08 20:37
| 雑談