2011年 08月 07日
『暴力教室』鑑賞
松田優作主演のバイオレンスアクション。松田演じる体育教師溝口が学園に巣食う不良グループ(リーダーの喜多条を演じるのは当時クールスのリーダーだった舘ひろし)と対決する、という展開を予想していて、実際途中まではその通りのストーリー展開だったのですが、途中で筋がぐちゃぐちゃになります。
元ボクサーである溝口が、不良どもを鍛えに鍛えて矯正する、ってストーリーだとスクール・ウォーズになっちゃいますね。厳しく接する溝口に対し、反発を強める喜多条は溝口の妹淳子を暴行します。ここで、溝口の怒りが爆発して、不良グループを叩きのめしたら、アメリカの本家『暴力教室』とまったく同じ。まあ、あの映画が下敷きになっているのは否めないところですがね。
話の焦点はいつの間にか、溝口が教師として奉職している学園の汚職騒動へと移っていきます。結局一番悪いのは私腹を肥やそうとした校長。どこでどうストーリーを捻じ曲げれば彼が最大の悪役になるのかよく解りません。
最終的には喜多条たちまで「正義キャラ」になっちゃいますし…。
まあ、松田優作のその後のバイオレンス作品の魁となったという意味で、記念碑的作品という評価はなされているようですが、まあ、体のいい「顔見せ映画」。ストーリーはどうでもいいから、主役を目立たせりゃいいって作りがミエミエでした。同じ怒りを爆発させるなら、すくなくとも前半部分くらいはしつこいくらいに「耐え忍ぶ」シーンを観せてくれれば、また印象も違ったと思うのですがね。
ま、この作品も鑑賞眼の肥やしってやつですね。
by lemgmnsc-bara
| 2011-08-07 08:44
| エンターテインメント