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『みんな元気』鑑賞

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ロバート・デニーロ主演のヒューマンドラマ。1990年にイタリアでマルチェロ・マストロヤンニ主演で製作されたもののリメイクだそうです。

妻に先立たれて一人暮らしをしているリタイアした老人フランク。彼はある日4人の子供たちを自宅に呼んでパーティーを催そうとするのですが、子供たちは皆多忙を理由に現れませんでした。バーベキューの器具やワインを買い込んだフランクの姿が哀愁を誘いますね。

寂しさに耐えられなくなったフランクは子供たちの元を突然訪問して驚かせようと、主治医の反対を振り切って旅に出ます。そこで明らかになっていく真実とは…。というわけでここで逃げておかないとストーリーをすべて紹介してしまうことになってしまいますので、今回は早々に逃げ口上を使わせていただきます。これ以上は実際の映像をご覧下さいm(__)m。

私には子供がいないので、親の気持ちを本当に理解しているとは言えないでしょうが、親が子供の将来を心配するという気持ちは子供の立場として理解できます。子供の将来を心配するが故に、「親が考える理想」を子供に押し付けようとしていないか?そして子供はその期待に沿うよう努力することで、実は自分の希望をかなえることをあきらめさせられていないか?という古くて新しい問題を考えさせられましたね。

私自身は大学を出て、それなりの企業に入り、そこそこの暮らしをしていますが、一方で今の会社で仕事をすることで病まで得てしまいました。果たして親の望む安定した企業に入ったことが私にとって良かったことなのかどうなのか?こういう疑問を持ち続けながらも親の「無闇に冒険すべきではない」というマインドコントロールのもと、ウジウジと会社勤めを続けています。経済的に安定してきちんと女房一人養うことが出来てますから、社会人としてはまあ及第点なのでしょうが、自分自身の人生というものを考えたときに、これで満足していいのか?という疑問は常にあります。

フランクは、子供たちの実際の姿に触れることで、自分が自分の考える「幸せのカタチ」に子供たちをはめ込もうとしていたのではないかという疑問を持つようになります。そして、結局子供たちの選んだそれぞれの道を認めることで、自らも「理想の父親」という重圧から解放されるのです。

ありきたりなハッピーエンドではなく、なんだか、ホッとすエンディングでした。地味な映画ゆえ、興行的にはふるわず、日本ではビデオスルーになったようですが、佳作だったと思います。
by lemgmnsc-bara | 2011-03-26 07:41 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
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