『千と千尋の神隠し』鑑賞

千と千尋の神隠し (通常版) [DVD]

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

スコア:




ジブリ作品の中で一番の興行成績をあげ、TV放映された際には46.9%という驚異的な視聴率を稼ぎ出した標題作。作中に出てくる「坊」というキャラクターが私にそっくり(単に肥満児なだけ)ということで最高権力者様がぜひとも私に観せたい、ということでレンタルしてきました。

10歳の少女荻野千尋は、両親とともに引っ越し先の新居に向かう最中に道に迷い、奇妙なトンネルに突き当たってしまいます。このトンネルの脇と真ん前には塞の神(道祖神)と思われる石像が立っていましたが、どことなく禍々しい顔つきをしてましたね。以前に読んだいがらしみきおのホラー漫画『カンジョリ』を思わせる不気味さでした。異世界への境界線を示していたのがこの塞の神だったのですが、千尋の両親はそんなことにお構いなくずんずんとトンネルを突き進みます。

そこに現れたのは人のまったくいない不思議な街。千尋の両親はここでうっかりとその街にあった食べ物を食べてしまいます。実はこの街は八百万の神々が集う場所で、その食物は神々のためのものでした。神々への供物に手を出すというタブーを犯した両親は豚に姿を変えられてしまいます。異界のものに手をつけると元の世界にはすんなりとはもどれなくなる…。日本神話のイザナミノミコトのエピソードを髣髴とさせる設定ですな。

頼るべき両親は豚に変えられてしまい、途方に暮れる千尋。街をさまよううちに目に入ってきたのは巨大な建物。その建物は神々が疲れを癒しに来る風呂屋「油屋」でした。風呂屋の前で千尋は不思議な少年ハクと出会います、ハクはこの世界から両親とともに脱出するには風呂屋で働きながらチャンスをうかがうしかないと千尋に教えます。そして千尋は風呂屋の主である魔法使い湯婆婆と契約を交わし、千と名づけられて風呂屋で働き始めます。果たして千尋は両親とともにこの異界から抜け出すことが出来るのでしょうか?

ロードショー中の観客数と、TVの視聴率から推定される視聴者を足し合わせれば、日本人の半数以上が観ている計算となりますから、今更あらすじを隠しても仕方ないんですが、これ以上は実際に観てくださいm(_)m。

たくさんの人々が見ているだけに、ネット上ではこの作品の解釈の仕方について様々な説が飛び交っています。中でも数多く見られたのは、この物語は苦境に陥った両親を救うためにソープランドに身を沈めた少女の物語であるという解釈です。舞台が風呂屋で、千は「湯女」という役割をあたえられていること、神に仕える少女(つまり巫女)は神に性的に奉仕する存在であるとともに、古くから神事としての売春を行ってきたこと、製作者である宮崎氏が「現代社会を描くには風俗業界を描くしかない」という主旨の発言をしていることなどからこのような解釈が生まれたようです。確かに穿った観方ではあります。以外かつキャッチーな切り口ですので、あっという間に都市伝説としてネット上を駆け巡り、一つの「見識」として固まってしまったようです。

いい子ぶるつもりは毛頭ありませんが、そこまで深く考えなくても、10歳の少女が両親という絶対的な庇護なしに、一人でモノゴトに立ち向かい解決していく成長物語と考えていいんじゃないでしょうかね。異界を経験した少女はコドモからオトナへと一歩踏み出した、という解釈は単純に過ぎるのでしょうか?アニメを観ながら小難しいことを考えたくはないという意識も働いてか、なんとなく、都市伝説の解釈には違和感を覚えますね。子供と一緒にほのぼのと観る作品ってことでいいんじゃないでしょうか。少なくとも私はそう思います。
[PR]
Commented by himaru73 at 2010-01-29 22:59
風呂屋に湯女、売春婦というイメージが喚起されるのはいたしかたないところでしょうが、それはドロドロした俗世間を渡ってきたおじさんおばさんが勝手に想像をたくましくしていればいい話。
数多くの少年少女が見たであろうアニメ、「成長物語」として素直に受け取ったほうがいいと私も思います。
Commented by lemgmnsc-bara at 2010-01-30 08:55
ひまる。さんおはようございます。毎度コメントありがとうございます。
都市伝説の解釈はなるほどと思わせるものではあっても、あくまでも大人の解釈であって、ファンタジーの世界を壊してしまうような気がしますな。ストーリー展開といい、結末といい、ほのぼのと観るのが一番だという気がします。
by lemgmnsc-bara | 2010-01-29 19:22 | エンターテインメント | Comments(2)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30