『歌舞伎のかくし味』を読んだ

歌舞伎のかくし味

山川 静夫 / 淡交社

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元NHKアナウンサー山川静夫氏による歌舞伎薀蓄本。歌舞伎座で配られていたパンフレットに載せた小話を集めてあります。

『ウルトラアイ』などでのにこやかな司会振りが印象に残っていますが、山川氏には大の歌舞伎好きという一面もあります。いつだったか、ラジオで「大学時代の小遣いや、バイト代はすべて歌舞伎につぎこんだ」という主旨のお話をされていました。足繁く歌舞伎座に通ううち売店のおねーさんと顔見知りになって、おでんや茶飯などをサービスしてもらったなどというエピソードも話されていましたし、好きが高じて「歌舞伎同好会」まで立ち上げ、さらには役者の声色でラジオ出演まで果たしていたそうです。相当な歌舞伎フリークですな。

私も一時期、日本を代表する古典芸能である歌舞伎を真剣に観てみようと思ったことがあります。その際に知識をつけようとして買い求めたのが標題の書。結局料金が高いことがネックになって見物をあきらめてしまったので、本だけ買って10年近くほっぽらかしてありました。先ごろ「積ん読山」を整理し、一部を本棚に収めようとした際になんとなく目に付いたので昔の心持をちょいと思い出して読んでみました。

買った時の期待通りに薀蓄話はたっぷり詰まっていたのですが、初心者には少々専門的過ぎる本でもありました。役者の所作や魅力、色気などを事細かく書き綴っているのですが、なにしろ観たことがない(結局通算で3度ほど見物しただけです…)のでイメージが湧かない。見栄の切り方や六方などについては多少想像がつきますが、「先代の勘三郎があの演目のあの幕でみせたあのしぐさ」などと言われても実物を観れていないので空しく字を追いかけるだけになってしまいました(>_<)。もっと初心者向けの本で基本の知識を習得することから始めるべきでした。本棚には何冊か眠ってるんですから…。

歌舞伎からややそれたトリビア話はなかなか面白かったですな。天神様に牛の像が設置されている理由だとか杯と坏の違いだとか。因みに天神様と牛の関係は祭ってある菅原道真が丑年生まれだからだという説と、道真の死骸を運んだ牛がある場所まで来たときにそこから一歩も動かなくなり、そこに太宰府天満宮を建立したからという説があるそうです。杯は酒を受ける器で、坏は食物を受ける器です。いや、勉強になりました^^;。

歌舞伎というのは奥が深い芸術ですな。観る方にもある程度の教養が要求されます(クラシックにせよ演劇にせよ、ハイソな趣味は何だってそうですけどね…)。今の私は精々劇場で貸し出されるガイドレシーバーに耳を傾けて感心するので精一杯。最終的には「○○屋!!」って掛け声の一つも掛けられるようになってみたいんですが、相当な投資が必要ですな^^;。
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by lemgmnsc-bara | 2010-01-28 21:45 | 読んだ本 | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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