2010年 01月 25日
TL観戦7度目
東芝14点差を後半逆転!V2へ王手/TL
1/24(日)は秩父宮ラグビー場で行われたトップリーグプレーオフ準決勝、サントリーサンゴリアスvs東芝ブレーブルーパスを観戦に行きました。
世に言う「府中ダービー」のリターンマッチ。先月末に行われたトップリーグ本戦ではサンゴリアスが55-24とブレーブルーパスを圧倒しました。ただし、あの試合はキックボールがことごとくサンゴリアスにラッキーバウンドしたり、ブレーブルーパス司令塔のヒル選手が欠場していたりという要素が重なって思わぬ結果を招いたものだったと思います。実際には両者にさほどの実力差は無く、伯仲したゲームが期待できると、ワクワクしながら、コネを使って入手した日当たりのよいバックスタンドの指定席へ。
試合はキックオフから一進一退の攻防が続きますが、先制パンチを浴びせたのはブレーブルーパス。開始前半20分、サンゴリアスのミスをついたブレーブルーパスのベイツ選手が大幅にゲインし、最後はFBの立川がトライ。この立川っていう選手は目に見えないところでラフプレーを繰り出すことが多いので、個人的には嫌いな選手なのですが、独特の嗅覚を持った選手で、トライには良く絡んできます。もうちょっと品位を保てば、日本代表として認めるのにやぶさかではないんだけどなぁ…、と上から目線の感想を思い巡らしているうちに、ゴールも決まって0-7。前回は最初から大きく引き離されたブレーブルーパスが先制するという面白い展開となりました。
対するサンゴリアスは前回の圧勝でやや慢心がありましたかね。でも先制パンチに浮き足立つことなく、その8分後に得意のスクラムから相手ボールを奪い、最後はSOピシがゴール真下にトライ。ゴールも決まって7-7の同点に追いつきます。新旧ジャパンで固めたFW第一列の真価が発揮された瞬間でした。
さらにその3分後、ラインアウトから、モールがお家芸のブレーブルーパスに真正面からモールを挑んで押し勝ち、2本目のトライをゲット。14-7とリードし、さらに35分にはWTB長友が一旦は倒されながらも、ブレーブルーパスの守備の隙をついて、ゴール真下にトライ。21-7とリードを広げます。前半はこのスコアのままで終了。
スクラムはサンゴリアス優勢。上述のターンオーバーもありましたし、プレッシャーを強く意識させられたブレーブルーパスフロント陣が、アーリーバインド(レフェリーのコールの前に組んでしまう反則)やコラプシング(スクラムを故意に落としたとされる反則)を何度か取られていました。
ラインアウトはほぼ互角。前半サンゴリアスゴール前でブレーブルーパスのボールを鮮やかにキャッチし、ピンチを免れたシーンが目立った程度で、あとはお互いにマイボールをしっかりキープ。両チームともスローのミスもほとんどありませんでした。
スクラムという強みを生かしたトライに、相手の得意技を正面からぶち破ったトライ、さらにはミスをついて取ったトライと3本ともいい形でとったサンゴリアスは、前回同様、圧勝の雰囲気を漂わせて後半のグラウンドに飛び出して来ました。
ところが、その雰囲気を一変させてしまったのが、後半開始早々のブレーブルーパスLO望月選手の60m独走トライ(ゴールも成功21-14)。観ている我々も、そして恐らく実際にプレーしている選手たちも「誰かが止めるだろう」と高を括っているうちに走り切られてしまいました。グラウンドの真ん中にぽっかりとエアポケットのように生じてしまった空白を衝いたこの激走がブレーブルーパスの息を吹き返させましたね。
さらに後半10分過ぎにはスクラムのプレッシャーをうまくかわしてボールをクイックで出したブレーブルーパスが、キープレーヤーであるヒル選手の個人技でトライを取りゴールも成功して21-21の同点に追いつきます。
試合は俄然白熱したんですが、盛り上がっていたのはブレーブルーパス応援団だけ。サンゴリアスはキャプテンの佐々木選手とSHのグレーガン選手を交代させてから、一挙に攻撃のリズムが悪くなりました。左右にボールを散らして突破を図ろうとするのですが、なかなか突破できない。で、最後にはブレーブルーパスのしぶとさに根負けしてターンオーバーを喰らって一気に押し戻される、というイライラパターンに終始します。
攻めに攻めているのに全然ゲインできないサンゴリアスに対し、ブレーブルーパスはほんのワンチャンスをモノにしてしまいます。サンゴリアスが持ち込んだボールをターンオーバーして、FB立川がサンゴリアスゴール前に大きくキック。加速してすべてのディフェンスを振り切った立川の胸にすっぽりとそのボールがバウンドしてはまってしまいました…。逆転のトライです(ゴールも成功21-28)。立川っていう選手は性格は悪いものの、一瞬をモノにするセンスと脚の速さは一流だと認めざるを得ません。
その後、サンゴリアスはPGを1本返して24-28。しかし、28分にブレーブルーパスはお家芸のモールを、先ほどのお返しとばかりに一気に押し込んでトライを取ります。ゴールは一旦外れたものの、サンゴリアスのプレーヤーがキッカーが助走に入る前にプレッシャーをかけたという判定をされて蹴りなおし。これが決まってしまい24-35。逆転勝利のためには2トライ以上が必要という状況に追い込まれます。
残りの10分強、サンゴリアスは死に物狂いで攻め続けますが、精神的にゆとりの出たブレーブルーパスは、懐の深いディフェンスでサンゴリアスの前進を許しません。ゴール前5mからゴールラインまでが遠かったこと。誰がボールを貰って突っ込んでもことごとく止められていました。接点での攻防はややブレーブルーパスに分がありましたね。
結局この後サンゴリアスは攻め切ることが出来ないまま、最後も自らが持ち込んだボールをターンオーバーされて、ジ・エンド。本戦では圧勝した相手に悔しい敗戦です。このレベルのチームで2戦続けて勝つことが至難の業であることは重々承知の上ですが、中盤まではいいペースだっただけに返す返すも残念です。
幸いなことにまだもう一つ日本選手権という大きな目標が残っています。この試合のように単調な攻めを続けるのではなく、もっと創造力に満ちたアタックを観せて、ブレーブルーパスはもちろんワイルドナイツにも勝って欲しいと思います。
1/24(日)は秩父宮ラグビー場で行われたトップリーグプレーオフ準決勝、サントリーサンゴリアスvs東芝ブレーブルーパスを観戦に行きました。
世に言う「府中ダービー」のリターンマッチ。先月末に行われたトップリーグ本戦ではサンゴリアスが55-24とブレーブルーパスを圧倒しました。ただし、あの試合はキックボールがことごとくサンゴリアスにラッキーバウンドしたり、ブレーブルーパス司令塔のヒル選手が欠場していたりという要素が重なって思わぬ結果を招いたものだったと思います。実際には両者にさほどの実力差は無く、伯仲したゲームが期待できると、ワクワクしながら、コネを使って入手した日当たりのよいバックスタンドの指定席へ。
試合はキックオフから一進一退の攻防が続きますが、先制パンチを浴びせたのはブレーブルーパス。開始前半20分、サンゴリアスのミスをついたブレーブルーパスのベイツ選手が大幅にゲインし、最後はFBの立川がトライ。この立川っていう選手は目に見えないところでラフプレーを繰り出すことが多いので、個人的には嫌いな選手なのですが、独特の嗅覚を持った選手で、トライには良く絡んできます。もうちょっと品位を保てば、日本代表として認めるのにやぶさかではないんだけどなぁ…、と上から目線の感想を思い巡らしているうちに、ゴールも決まって0-7。前回は最初から大きく引き離されたブレーブルーパスが先制するという面白い展開となりました。
対するサンゴリアスは前回の圧勝でやや慢心がありましたかね。でも先制パンチに浮き足立つことなく、その8分後に得意のスクラムから相手ボールを奪い、最後はSOピシがゴール真下にトライ。ゴールも決まって7-7の同点に追いつきます。新旧ジャパンで固めたFW第一列の真価が発揮された瞬間でした。
さらにその3分後、ラインアウトから、モールがお家芸のブレーブルーパスに真正面からモールを挑んで押し勝ち、2本目のトライをゲット。14-7とリードし、さらに35分にはWTB長友が一旦は倒されながらも、ブレーブルーパスの守備の隙をついて、ゴール真下にトライ。21-7とリードを広げます。前半はこのスコアのままで終了。
スクラムはサンゴリアス優勢。上述のターンオーバーもありましたし、プレッシャーを強く意識させられたブレーブルーパスフロント陣が、アーリーバインド(レフェリーのコールの前に組んでしまう反則)やコラプシング(スクラムを故意に落としたとされる反則)を何度か取られていました。
ラインアウトはほぼ互角。前半サンゴリアスゴール前でブレーブルーパスのボールを鮮やかにキャッチし、ピンチを免れたシーンが目立った程度で、あとはお互いにマイボールをしっかりキープ。両チームともスローのミスもほとんどありませんでした。
スクラムという強みを生かしたトライに、相手の得意技を正面からぶち破ったトライ、さらにはミスをついて取ったトライと3本ともいい形でとったサンゴリアスは、前回同様、圧勝の雰囲気を漂わせて後半のグラウンドに飛び出して来ました。
ところが、その雰囲気を一変させてしまったのが、後半開始早々のブレーブルーパスLO望月選手の60m独走トライ(ゴールも成功21-14)。観ている我々も、そして恐らく実際にプレーしている選手たちも「誰かが止めるだろう」と高を括っているうちに走り切られてしまいました。グラウンドの真ん中にぽっかりとエアポケットのように生じてしまった空白を衝いたこの激走がブレーブルーパスの息を吹き返させましたね。
さらに後半10分過ぎにはスクラムのプレッシャーをうまくかわしてボールをクイックで出したブレーブルーパスが、キープレーヤーであるヒル選手の個人技でトライを取りゴールも成功して21-21の同点に追いつきます。
試合は俄然白熱したんですが、盛り上がっていたのはブレーブルーパス応援団だけ。サンゴリアスはキャプテンの佐々木選手とSHのグレーガン選手を交代させてから、一挙に攻撃のリズムが悪くなりました。左右にボールを散らして突破を図ろうとするのですが、なかなか突破できない。で、最後にはブレーブルーパスのしぶとさに根負けしてターンオーバーを喰らって一気に押し戻される、というイライラパターンに終始します。
攻めに攻めているのに全然ゲインできないサンゴリアスに対し、ブレーブルーパスはほんのワンチャンスをモノにしてしまいます。サンゴリアスが持ち込んだボールをターンオーバーして、FB立川がサンゴリアスゴール前に大きくキック。加速してすべてのディフェンスを振り切った立川の胸にすっぽりとそのボールがバウンドしてはまってしまいました…。逆転のトライです(ゴールも成功21-28)。立川っていう選手は性格は悪いものの、一瞬をモノにするセンスと脚の速さは一流だと認めざるを得ません。
その後、サンゴリアスはPGを1本返して24-28。しかし、28分にブレーブルーパスはお家芸のモールを、先ほどのお返しとばかりに一気に押し込んでトライを取ります。ゴールは一旦外れたものの、サンゴリアスのプレーヤーがキッカーが助走に入る前にプレッシャーをかけたという判定をされて蹴りなおし。これが決まってしまい24-35。逆転勝利のためには2トライ以上が必要という状況に追い込まれます。
残りの10分強、サンゴリアスは死に物狂いで攻め続けますが、精神的にゆとりの出たブレーブルーパスは、懐の深いディフェンスでサンゴリアスの前進を許しません。ゴール前5mからゴールラインまでが遠かったこと。誰がボールを貰って突っ込んでもことごとく止められていました。接点での攻防はややブレーブルーパスに分がありましたね。
結局この後サンゴリアスは攻め切ることが出来ないまま、最後も自らが持ち込んだボールをターンオーバーされて、ジ・エンド。本戦では圧勝した相手に悔しい敗戦です。このレベルのチームで2戦続けて勝つことが至難の業であることは重々承知の上ですが、中盤まではいいペースだっただけに返す返すも残念です。
幸いなことにまだもう一つ日本選手権という大きな目標が残っています。この試合のように単調な攻めを続けるのではなく、もっと創造力に満ちたアタックを観せて、ブレーブルーパスはもちろんワイルドナイツにも勝って欲しいと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2010-01-25 23:20
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