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『シャーロック・ホームズと賢者の石』を読んだ

シャーロック・ホームズと賢者の石

五十嵐 貴久 / 光文社

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久々の読書ネタは出ると買い作家五十嵐貴久氏による、「シャーロック・ホームズ」を主人公にした短編集。

海外のミステリーにはすでに「大看板」となったキャラクターを主人公にしたパロディー小説やパスティーシュ小説が多数存在するようです。巻末にあった日暮雅道氏のエッセイでは原作者コナン・ドイル以外の作家が書いた「シャーロック・ホームズ」を主人公とした(あるいは明らかにシャーロック・ホームズをもじった名前の名探偵を主人公とした)ミステリーの数々を紹介しています。

私は普段あまりミステリーを読まないので、あまり詳しくないのですが、日本にはこうした文化というか風習はあまりみられないような気がしますね。たまに江戸川乱歩以外の作者が明智小五郎を主人公にしたミステリーを書いているのを見る程度で。著作権の問題とか、原作者へのリスペクトの表現の仕方の問題とかいろいろあるんでしょうけど、文化比較の一つの切り口としてはなかなか興味深いですね。

閑話休題。標題の作品は五十嵐貴久氏による4つの短編が収録されています。ミステリーなので詳しくあらすじを紹介するわけにはいきませんね。ましてや短編ですから、すぐにネタバレになってしまいますから^^;。大まかなものを書き記すのみにとどめます。

1作目『彼が死んだ理由-ライヘンバッハの真実』
この短編集の中では一番異色の作品でしたね。意外な人物が意外な理由で意外な人物を殺害します。

2作目『最強の男-バリツの真実』
「バリツ」というのはホームズファンの間では有名な言葉なのでしょうか?この言葉の解釈に引っ掛けて、ホームズと、現代において高名なある格闘家の祖先が対決します。

3作目『賢者の石-引退後の真実』
これも有名な映画のキャラクターがホームズと関わります。その主人公の名付け親が実はホームズであったというエピソードが挿入されています。

4作目『英国公使館の謎-半年間の空白の真実』
舞台は日本。英国で最も有名な殺人鬼の意外な正体と、少年期の岡本綺堂が登場します。

短編集なので、比較的さっと読めて謎解きの快感もほどよく味わうことが出来ました。手軽なエンターテインメント小説集でした。
by lemgmnsc-bara | 2010-01-10 08:23 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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