『監督・ばんざい!』鑑賞

監督・ばんざい! <同時収録> 素晴らしき休日 [DVD]

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北野武監督の13作目の作品。北野氏本人が演じる映画監督キタノ・タケシ氏の悪戦苦闘ぶりを通して、映画監督とはどういう存在なのか、ということを描いています。

キタノ監督は自らの出世作であり、かつ一番得意とするバイオレンス映画を、マンネリであるという理由で今後の製作を封印すると宣言します。そして、小津安次郎風の映画、時代劇、SF、人情話、ホラーなど様々なジャンルの映画に挑戦するのですが、ことごとく失敗します。この前半部分は、各ジャンルの映画の典型的パターンのパロディーとなっており、結構笑えました。芸人ビートたけしが見せるお約束のギャグもそこここにちりばめられていましたし。くだらないし、特に変わったことをやっているわけでもないと分かっていてもついつい笑ってしまう、間のよさ。ある意味名人芸の域に達していますな^^。中盤の空手道場でのシーンなんか典型でした。太鼓を「ドーン」と鳴らす度に、皆が一斉に気合を入れて技を繰り出す、という設定ですが、そこで太鼓の打ち手がわざと別のモノをたたいて、道場中の人間が一斉にコケる…。やっていることは見事なまでに小学生レベルなのですが、でも笑ってしまう。自分の精神年齢の低さにあきれながらも、おかしいものはおかしいんです!!

ただ、後半部分はハナシが荒唐無稽になりすぎて、ギャグがギャグでなくなってしまい、笑えなくなってしまいました。この辺、北野監督が徹底的に笑わすことを目的に作ったのか、あるいはその笑いの期待に肩透かしを食らわすために敢えてそういう演出にしたのかが不明です。一筋縄ではいかない監督ですから、恐らく肩透かしを食らわすための演出だったんだとは思いますがね^^;。

少しうがった見方をすれば、この映画自体が、現代の映画界および映画の観客に対してのツッコミだったような気がします。作り手はいかに自らの真意を伝えようかと知恵を絞るが、ことごとく失敗する。観客は、といえばいわゆる「名作」と呼ばれている作品に対してすら知識もリスペクトもなく、ただ映像を「消費」するだけ。ビートたけし風に言えば「この映画がクソだとしたら、観ているお前らはそのクソにたかってるハエみたいなもんだろ!!」ってなところでしょうか。一本の映画を観るにも、本当は様々に理解しとかなきゃいけないことがあるってことを再認識させてもらいました。ただ「消費」できる映画の方が楽には観られますがね^^;。でもそれじゃいつまでたっても半可通にしかなれないってことですな。
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by lemgmnsc-bara | 2010-01-08 19:20 | エンターテインメント | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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