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『カールじいさんの空飛ぶ家』鑑賞

最高権力者様の「どうしても観たい」というご意向に押されて渋々ついていったのが標題のアニメ映画。「『パブリック・エネミーズ』のほうがよかったなぁ」とブチブチ言いながら観ていたのですが、どうしてどうして、なかなかの出来でした。

少年カールは冒険好きの少女エリーと出会い、エリーの「パラダイス・フォール」のすぐ脇に家を建てて住むのだという夢を聞かされます。成長した二人は結婚し、初めて出会った空き家を改修してそこに住みます。子供には恵まれませんでしたが、幸せな日々を送っていた二人ですが、ある日、エリーは病の床につき、そのままこの世を去ってしまいます。人生のパートナーを失ったカールは抜け殻のような日々を過ごしていますが、ビル建設のために思い出の家を追い出されそうになり、エリーとの夢をかなえようと、2万個の風船を家に取り付け、「パラダイス・フォール」へと旅立ちます。

飛び立った家には、ボーイスカウトで「お年寄りの手伝いをする」という任務を遂行するためにカールに付きまとっていたラッセルという少年も密かにもぐりこんでいました。

まず第一の突っ込み。
南米に着くまでは何も波乱らしい波乱がないのですが、何か一工夫あってもよかったんじゃないの?って気がしましたね。ラッセルが家の「操縦」を誤ってあっちにこっちに傾く程度のイベントしかありませんでしたが、どこかの国の航空機に襲われるとか、嵐に巻き込まれるくらいのリアリティーがあってもよさそうなものでした。

さてストーリー紹介に戻ります。なんとか滝の近くまでたどり着いた二人は、巨大な怪鳥に出会います。ラッセルはこの怪鳥にケヴィンと名づけ、チョコレートをやって手なずけます。この怪鳥はカールとエリーがあこがれた冒険家チャールズ・F・マンツが追い求めていた鳥でした。この鳥を捕らえようとするマンツとカールとの間に諍いが起きますが、マンツは優秀な犬の軍団を駆使してついに鳥を捕らえてしまいます。

マンツとその配下の犬軍団には適わないとあきらめたカールは当初の目的である「パラダイス・フォール」にようやくたどり着き、腰をすえようとするのですが…。ケヴィンを救おうとラッセルがマンツの飛行船を追いかけて風船で旅立っていきます。その姿をみながら、自分にはラッセルとともに戦う勇気も若さもないと打ち沈むカール。しかしエリーの残していったアルバムを見ているうち、過去ではなく現在に生きるべきだと決意し、再び家を空に飛び立たせます。ここで突っ込みその2。勇気をなくした主人公が妻によって立ち直り敵に立ち向かっていく…。「エイドリア~~~ン!!」と叫んで走り出すロッキーのパターンのモロにパクリですな。でも、このテのハナシにアメリカ人は弱いのでしょう。当家の隣に座っていた外国人の男性はこのシーンで涙をぬぐっていました^^;。

なんとかマンツの飛行船に追いついたカールはマンツと犬軍団と対決するのですが、体力も格闘の経験もないカールは当然のことながら苦戦します。徐々に押されて飛行船の上まで追い詰められていくカールとラッセル、犬軍団のオチこぼれにしてカールに味方するダグ。はたしてこの窮地を脱することが出来るのか?というところでお約束。これ以上は劇場でご覧ください。この映画唯一のハラハラドキドキシーンですから、ネタバラシするわけにはいきませんm(_)m

少年と老人という「異人」同士がさまざまな困難を乗り越える過程で友情を芽生えさせる、というストーリーもいかにもアメリカ人が好みそうな展開でしたが、このほのぼのした展開は私も嫌いではありません。この絵面で陰惨な結末があるわきゃねーなとは思っていましたが、無事にハッピーエンドで終わって素直によかったと思える作品でした。
by lemgmnsc-bara | 2009-12-28 23:38 | エンターテインメント

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