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ブログを一本化します

拙ブログをご愛読の皆さま、日頃は大変お世話になっております。

この度、このブログは昨年開設した


↑に編入させることにしました。

もう一本の『渡る世間にノリツッコミリターンズ(兼日々是鬱々)』も編入し、今後は『脳内お花畑を実現させるために』に一本化します。

大きな理由はありませんが、強いてあげるなら、三つに分けておく必然性を、自分自身の中で感じられなくなったからです。今後とも『脳内お花畑を実現させるために』をご愛読賜りますようお願い申し上げます。


なお、過去ログを移動させるのが面倒なので、当面、このブログはこのまま設置はしておきます。ただし、更新は『脳内お花畑を実現するために』で行います。


# by lemgmnsc-bara | 2020-06-21 12:02 | 雑談 | Comments(0)

『コブラ』鑑賞記

とりあえず、気楽な娯楽作品を観ようと思って、録画リストの中から引っ張り出した標題の作。確か、ビデオデッキを買いたての大学時代に一度、近所の貸しビデオ屋から、エロビデオの上に乗っけて借りてきて観た覚えはあったものの、ストーリーはほとんど頭に残っていない状態でした。

主人公は、型破りな刑事、コブラことマリオン・コブレッティ(スタローン)。ファーストシーンで、犯人を逮捕するためなら、どんな手段をも用いるという姿勢を持つことが語られます。人質が多数いるスーパーに立てこもった犯人を捕まえるために、単身で店内に乗り込み、そこらにあるものを壊しまくって、挙句に犯人は射殺…。現在のコンプライアンス偏重の世の中だったらどんな文句があることやら、ってところですが、当時はこういう男臭さというか、粗暴性というか、そういうものも犯人さえなんとかできれば許される時代だったんでしょうね。法律はともかく、少なくとも観衆からブーイングは起きないストリー展開だったのでしょう。

とは言え、マスコミやからは叩かれ、規則重視の同僚たちの中では浮いた存在。そんな中、若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生。コブラは、たまたま殺人現場近くを通りかかってしまったために、殺人集団から付け狙われることととなったイングリッドという女性を保護することとなります。まあ、あとはこういうストーリーにありがちな展開が待っています。何度かの襲撃をかわした後、コブラは自らの近辺に情報漏洩者がいると推察。で、イングリッドを「撒き餌」にして犯人一味を一網打尽にすべく、上司や同僚の反対を無視してイングリッドを寂しい街に匿うことにするのです。で、情報漏洩者からは当然一味に情報が行き、敵方が総攻撃を仕掛けてくる。さあ、コブラよ、後から後から湧いて出てくる敵をどう倒してイングリッドを守るのか?まあ、非常に単純です。ある意味、スカッと感だけを求めて観た映画ですので、典型的な勧善懲悪で、最後にはコブラとイングリッドが結ばれるというベタベタなハッピーエンドであっても、反目してきた同僚を殴っても、爽快感だけが残ればいい。そういう意味では、「目的」はそこそこ果たせました。

印象的には『ドーベルマン刑事』とか、『ダーティーハリー』シリーズみたいなもの。で、ちょっとググって調べてみたら、何の事はない、もともとこの作品はスターローン版の『ダーティー・ハリー』を作ろうと企画されたものだったようです。当時からネタ不足だったんですね、ハリウッドは。せっかくスターローンが出演するなら、もう少し、素手での喧嘩シーンがあってもよかった気がしますがね。当時から、銃に頼るスターローンは不評だったようです。




# by lemgmnsc-bara | 2020-06-08 09:52 | エンターテインメント | Comments(0)

1996年に起きた、ペルーの日本大使公邸人質籠城事件に着想を得た、作家アン・パチェットの小説の映画化作品。主役は歌姫コス役のジュリアン・ムーアですが、その相手役となる日本人実業家ホソカワを渡辺謙氏が、ホソカワの部下で3ヶ国語を操る通訳ワタナベ・ゲンを加瀬亮氏が演じています。

この作品、観る前から大体の予想はついていました。恐らくは、人質籠城事件下という特殊な状況における、人質とテロ組織のメンバーたちの交流が描かれるのだろう。そして、テロリストと人質はいつか友情に似た心の交流を持つようになり…、ってのが主なストーリーだろうというのがその内容。ま、いわゆる「ストックホルムシンドローム」ってやつの実例なんじゃないのかなぁ、と理屈をつけて観始めました。

この予想、半分は当たっていて、半分は外れていました。半分外れたのは、こういう状態を指し示す言葉を私が知らなかったことが主な原因です。ちょっとググって調べて観たら「ストックホルムシンドローム」というのは、人質となった人物たちがテロリストたちに共感を覚えていくという心理作用だそうです。この物語も人質とテロリストの交流を描くことが主な目的ではあったのですが、その「方向」が逆でした。人質にされた人物たちは、世界的な歌姫コスを始め、外国の大使や、一流のビジネスマンなど豊かな知性と教養を持ち合わせた人物たちでした。そうした知性や教養に触れることにより、テロリストの方から人質に、単なる抑圧者⇆被抑圧者という関係だけではない人的交流を求めるようになっていくのです。こうした心理作用は日本大使公邸人質籠城事件が起こった都市の名にちなみ「リマシンドローム」と呼ばれているそうです。

作中では、歌好きな青年が、歌姫コスに指導を仰ぐ場面も出てきますし、まだティーンエイジャーと言って良い年頃の女性テロリスト、カルメンは、英語とスペイン語(彼女は作品の舞台となった架空の国の少数民族の出で、その部族の言葉しか満足には操れないという設定です)をゲンに教えてもらおうと積極的にアプローチします。このアプローチは積極的にすぎて、ゲンと結ばれてしまっったりもするのですがね…。

テロリストたちの視点に立って考えれば、彼らが凶行に走ったのは現政権の失政が原因。政治がうまく回っていないから、教育や福祉に格差が生じ、その格差は再生産され、一度貧困層に転落してしまったら這い上がることは容易ではない。それでは、と政治運動を行えば反体制勢力として投獄される。投獄された仲間の釈放を求めることがこのテロの目的であって、テロリストたちも決して好んで人が死んだり傷ついたりするテロ行為を敢行したわけではない。それが証拠に、ハプニング的な殺人はあったものの、持病のある人や女性は(世界的有名人である歌姫コスは除く)はいち早く解放されているし、人質にも決して手荒なマネはしていない…。

ちょっとだけ世の中の流れが違えば、このテロリストたちは善良な一市民たちに違いなかったんだ、と思わせる演出がてんこ盛りでした。実際にその通りなのかもしれません。ほんのちょっとしたはずみ、タイミングのずれ、偶然、こんなものが積み重ねられれば、我々だってテロリストと化す恐れがあるし、アメリカが目の敵にしているISやアルカイーダの連中だって、敬虔なイスラム教徒として静かな一生を終えたかもしれないんです。ストーリーの展開はいかにもありがちでしたが、人生とか、周りを取り巻く環境とか、そういうものに対しての答えの出ない疑問が次々と湧いてくる作品ではありました。それにしても渡辺謙さんはこんな作品の中でもきちんと「不倫」してくれちゃう役柄になってます。おいおい…。

# by lemgmnsc-bara | 2020-06-05 13:41 | エンターテインメント | Comments(0)

『決算!忠臣蔵』鑑賞

山本博文氏の『「忠臣蔵」の決算書』を原作とした時代劇映画。ナインティナインの岡村隆史氏と堤真二氏のダブル主演も話題を呼んだコメディ作品に仕上がっています。

戦の勝敗を決めるのは補給である、というのは古今東西の戦争を研究した上で導き出された一つの理論です。補給、つまりいかにして戦闘に必要な武器弾薬食料その他諸々の物資を調達し、兵全体に効率的に行き渡らせるか。そしてその原資となるのは当然のことながらお金です。『「忠臣蔵」の決算書』は、播州赤穂藩家老大石内蔵助の吉良邸討ち入りまでに要した費用を逐一記録していた史料を元に書かれたもの。その本を原作とした作品ですから、お家断絶後残された、限られた原資をいかに使って仇討ちにまで至ったのかをかなり細かく、かつコミカルに描いています。

堤氏演じる大石内蔵助は、かなりチャランポランで好色な人物として描かれています。細君との間に5人も子供を設けている傍で5人もの妾を抱え、江戸に上がれば、道ですれ違った若い娘をナンパしまくるし、敵の目を欺くためという理由をつけて通いつめた遊郭では、公費で散々に遊びまくります。仇討ちすべきか、それともこのまま浪々の身で自堕落に暮らすか?目くらましのためとはいえ、日々の遊興三昧で、本来の目的を見失いかけ、あたら出費ばかりがかさむ日々が続いていたところで事件は起こります。盟友にして、経理部門の最高責任者矢頭長助(岡村)が、吉良家の放った刺客の手によって、それも内蔵助と間違われて殺されてしまうのです。実際の長助は斬殺されたのではなく、重病に冒されて世を去ったのだそうですが、ともあれ、この出来事で踏ん切りをつけた内蔵助は「本気」で仇討ちを果たすために動き始めます。

しかし、仇と狙う吉良上野介も常に所在を不明にしておくという方法に出て、赤穂藩の浪士たちを撹乱します。討ち入りのスケジュールが決まらなければ、その分浪士たちを残された原資で養っていかなければなりません。食費もかかれば、酒も飲む。家賃も必要。じわじわと手持ち金は減っていく。遊興三昧の日々を悔いてみても、今更取り返しは効かない。そんな時に、ひょんなことから唐突に討ち入り日が決定します。

いざ討ち入り日程が決まってからも一波乱。最後の全員出席の会議の場で、長期にわたる困窮生活で刀を質入れしてしまったことが判明した者あり、一世一代の大戦に臨むにあたり得意の得物(槍、弓など)を所望する者あり、画面の右下に現在の残高が示され、各々の希望を叶えた場合の消費金額が差し引かれていく、という演出はなかなか面白かったように思います。同士討ちを防ぐためにはそろいの装束が必要だとか、戦力の低下を防ぐためには着込みが必要だとか、とにかく金のかかることばかり。討ち入りの前に内蔵助は金額残高との戦いという一大決戦に臨まなければいけなかったのでした。なるほど、戦の鍵は補給ですね。

話は飛びますが、豊臣秀吉にしても明智光秀にしても、実際の戦闘を指揮するよりは、合戦以前に自らの軍の兵力を高め、同時に敵方の補給線を断って、飢餓や武器弾薬の不足という事態を出来させて弱らせるという戦法が得意だったと聞きます。寡兵をもって大軍を退けるような華々しい戦いより、戦う前から相手の戦意を削ぐような戦い方こそが最上の戦い方だというのは孫子の頃から唱えられてきた戦術論ですね。

現在伝えられている史実は、意外な状況によってもたらされたというストーリーはなかなか興味深い者でした。原作もぜひ読んでみたいと思います。

# by lemgmnsc-bara | 2020-06-03 11:49 | エンターテインメント | Comments(0)

私的家籠り期間無差別に借りてくるキャンペーン中に、近所の貸しDVD屋で少し目立つように陳列されていた作品。ゴールデングラブ賞の作品賞受賞というのが権威主義的な私のアンテナに引っかかったためです。

ヨーロッパの架空の国ズブロフカ(有名なウォッカみたいな名前ですね)にあるグランドブダペストホテルが舞台。現オーナーであるゼロと知り合った作家が、ゼロの人生に多大なる影響を与えた伝説のコンシェルジュ、グスタフに関する話を聞いて小説にまとめた物語、という体裁をとっています。

物語の中核をなすのは第二次大戦中のグスタフとゼロの冒険譚。一流のコンシェルジュであったグスタフは、名高い名門ホテルであるグランドブダペストホテルに滞在しにくる金持ち老婦人たちの愛人としての顔も持っていました。中でも関係が深かったのはマダムD。彼女は自身の死に際しての遺言で、財産の大半をグスタフに相続するとの意志を表すのですが、それに納得いかないのはマダムの肉親や親戚たち。中でもマダムの長男ドミトリーは激怒して、グスタフを殺そうとまでします。で、その魔の手から逃げ回るグスタフとそれに付き従うゼロ。そこにナチスが絡んで来て、監獄に収監されたり、そこから逃げ出したり、ドミトリーが差し向けて来た殺し屋とやりあったり、まあストーリー的にはドタバタではあるのですが、日本の、騒々しく、テンポの速い展開に慣れているせいでしょうか、魔の取り方といい、くすぐりのバリエーションの乏しさといい、笑えないシーンばかりが続きます。ヨーロッパの文化的な背景についての知識がないと笑えない寓意や、パロディーが潜んでいたのだろうと推測はできるのですが、残念ながら、そこまで私の教養は深くありません(汗)。

笑えたのは、マダムDの遺産の中でもっとも価値あるとされる絵画を卑猥な絵にすり替えるところと、殺し屋を追跡する際のコースが、国際大会のアルペンスキーのコースになっていたことくらいでした。この二箇所は、いわば赤ん坊が「いないいないバー」をされた時のような、単純な笑いしか産みません。大爆笑とは言わないまでも、もっと笑わせて欲しかったのですがね…。コンテキストの難しさにチャレンジしない私の方に多大な問題があるのは認めますが、正直言って期待はずれ。なぜゴールデングラブ賞を受賞したのか、理解できない内容でした。彼の地の文化にもっと深い理解を示せるようになってから観たらまた別の感想があるのかもしれませんが、理解を示せるのと私の死とどちらが早いかといえばおそらく後者の方でしょう…。

# by lemgmnsc-bara | 2020-05-19 11:55 | エンターテインメント | Comments(0)

大ヒットし、世の中に「ピエロ恐怖症」を持つ人々が少なからずいる、ということを世に知らしめた『IT』の続編。

前作で、殺人鬼ピエロペニーワイズがデリーの街に出現したのは1989年。そしてペニーワイズは27年周期で出現するという設定となっているため、次に登場する2016年が舞台となっています。

前作で自然発生した『Loosers(負け犬クラブ)』の7人の面々が、アラフォーを迎えた年回りとなる今回も、ペニーワイズと戦う役目を担います。とはいえ、アラフォーといえば働き盛りで、家庭の中でも中心的役割を担う年回りでもあり、メンバーのそれぞれが、それぞれの生活を持っています。万障お繰り合わせの上、ご参集願いますと言っても簡単には集まれないであろう日常が一旦描かれますが、それでも結局は集まってくるのは、展開上のご都合主義って感じもしますが、「前回」から27年経ったということによる運命の糸が為した業であると解釈しておきましょう。

ルーザーズのリーダだったビルは脚本家で、創作に悩む日々を投げ出し、紅一点のべバリーはDV夫の元から逃げ出すように、神経質なスタンダップコメディアンのリッチーはダダスベリした舞台の傷心を抱えて、リスク分析官のエディは仕事と妻に追いまくられている日常をほっぽり出して。肥満児で常にいじめられていたベンだけは、腹筋の割れたイケメンに変わっています。この5人がただ一人、デリーの街に住み続け、ペニーワイズの謎を追求しているマイクからの連絡でデリーへと舞い戻ります。あと一人、スタンリーだけは、マイクからの連絡後自殺してしまいます。この自殺シーンあたりから、単なるスプラッタの恐怖に加え、心理的な恐怖が加わってきます。

ペニーワイズは前回と違い、無差別に大量の人々を殺すシーンは出てきません。ただし彼の張り巡らした網にかかってきた人物は無残に殺されはします。今回の敵は「参加辞退」したスタンリーを除く6名だという事をペニーワイズも自覚しているようですね。

さて、6人とペニーワイズの戦いは、6人それぞれの「前回」の記憶と、現時点を行き来しながら繰り広げられます。「前回」の記憶は、ペニーワイズへの恐怖だけではなく、当時の「負け犬根性」エピソードまでも蘇らせてしまい、長じるに従って封印していた嫌な記憶までもが各人を襲ってくるという、トラウマのかさぶたを引き剥がして再度たっぷり塩を刷り込むような非常な痛みを伴う戦いとなります。メインストーリーはこの過去との戦いとなります。

そして最後の最後の大決戦。うーん、ここはどう書いて良いものやら…。ネタバレにはしたくないのですが、ある程度ストーリーを説明しないと感想を述べることができないんです。うまい書き方を思い浮かべることができないので、興ざめ覚悟で、感想を書いてしまうことにします。

ピエロは本来道化役で親しみやすく、面白い存在であるはずなのですが、なぜ、その姿形に恐怖を覚えてしまう人がいるのでしょうか?それは、ある意味勝手な思い込みです。よくよく見たらメイクが気持ち悪いとか、思いもよらないところから突然出現してびっくりさせられたとか、直接的な理由もあるでしょうが、他人がどう思おうと、自分が怖いと思ったものは怖いんです。ペニーワイズは、この恐怖心を取り入れて、自分を見る人に自分が与える印象を強くしていったのです。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、受け取るほうが、勝手に怖い怖いというイメージを募らせているからこそ、怖く見えるし、実際に怖い存在になってしまうのだ、という「落とし前の付け方」は心理学的には合理的なのですが、ストーリーを追いかけている身としては、肩透かしを食らった感が否めません。戦いの結末をどう見るのかは、各人各様ではありますが、少なくとも私はそう感じました。ネタバレどころか、むしろ何が何だかわからなくなった、という方は、とりあえず、実際の作品をご覧ください(笑)。

戦いが済んだ後のシーンがちょいと余計。脚本家であるビルは、映画製作の現場からも読者からも「結末の付け方」が上手くないとして散々批判されていますが、この作品もしかり。戦い後のシーンはいらねーんじゃねーのってのが素直な私の感想です。『Stand by me』のような青春友情物語シーンが展開されちゃうってのはちょっとご勘弁、ってな感じです。この映画の原作も『Stand by me』の原作もスティーヴン・キングですので「パクリ」には当たりませんが、同じシュチュエーションの使い回しではありますね。

それにしてもエキサイトさん、いつになったらライフログ復活するんですかね?もう1ヶ月くらい不具合解消されないままですよ。



# by lemgmnsc-bara | 2020-05-17 13:56 | エンターテインメント | Comments(0)

『引っ越し大名』鑑賞記

引っ越し大名! [Blu-ray]

犬童一心/松竹

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生涯に七度もの国替えを経験し、「引っ越し大名」とあだ名された松平直矩を題材とした土橋章宏氏の小説『引っ越し大名三千里』を原作とし、星野源や高橋一生、高畑充希などの人気者をキャスティングして製作された一作。

播磨国姫路藩主松平直矩(及川光博)は、ある日江戸からの急使により、豊後国日田藩への国替えを命ぜられるとの知らせを受けます。実際には、姫路という西国の要所に位置する姫路の地を治めるには直矩は若年にすぎるというのが理由だったようなのですが、劇中では直矩が側用人柳沢吉保からの男色の誘いを断ったために、その腹いせで左遷されたという筋書きになっております。柳沢吉保は5代将軍の「お相手」だったことで急速な出世を遂げた人物であり、直矩もまた男色が「嫌いではなかった」ようですが、ともあれ、いまの世でいえば、セクハラとパワハラを一挙に受けてしまったような事態で、姫路という江戸時代の中核都市の一つから日田藩という僻地への左遷(ついでに言うと石高は15万石から7万石と半分以下に減らされたりもします)を命じられることになります。

藩主直矩は渋々ながら、それでも仕方ないと諦めて主命に従う姿勢を見せるのですが、大騒ぎとなるのは藩士たち。ただでさえ、落ち込んだ心境の中で、ノウハウも全くない国替えという作業を進めなければなりません。この辺は、10数年前の自分自身の島流し体験をフラッシュバックさせてくれて、非常に切ない気持ちにさせられました(苦笑)。タダでさえ落ち込んでいるというのに、旧部署の引き継ぎやら、新部署の引き継がれやらの諸々の用事は山のように積み重なっている。ついには1日ダウンして、モノもろくに食えないような状態に陥ったっけ、などと回想している間にも物語は進みます。

先に待っているのが僻地への移動で、かつ単純に考えて現状よりも俸禄が半分に減らされることがわかっている状態では、段取りが上手くいっても、不平不満は絶対に生じるし、しくじれば切腹モノ。特に責任を取りたがらない重役たちは誰に責任を押し付けようかとお互いの顔色だけを伺う事態になっております。普段から武勇を誇って目立っている鷹村源右衛門(高橋一生)にお鉢が回ってきそうになり、慌てた鷹村は幼馴染の片桐春之介(星野源)を推挙します。

春之介はその父親が藩の要職に付いていたということだけで、書庫番という閑職で捨て扶持をもらっているような状態の人物。(ただし無類の読書好きである春之介にとっては、暇があって、すぐそばに書物の山がある書庫番というのは天職でもありました。愛読書は『甲陽軍鑑』)。いてもいなくてもいい状態の人間なので、責任をおっかぶせるには最適というわけです。そんなわけで、春之介はまんまと引っ越し奉行をおおせつかることになります。

とはいえ、今まで日がな一日本ばかり読んでいた春之介は、今何をすべきか、など見当もつかないまっしろけな状態。なんとか、前任の引っ越し奉行板倉重蔵の娘於蘭(高畑充希)の存在を知り、彼女から引っ越しのノウハウを聞き出そうとするのですが…、というわけで今回はまだ端緒についたばかりですが、ストーリー紹介はこれまでです。これ以上は是非本編をご覧ください。

まあ、引っ越しに関して生じる大小様々なトラブルに立ち向かっていくうちに、人間として成長していく春之介の姿と、その成長する様を間近で具に見ていた於蘭が次第に春之介に惹かれていく、というビジネス書とラブストーリーとがかけ合わさったような塩梅で物語は進んで行きます。そして、ハナシの「軽さ」を意図した、こうした作品の鑑賞後の感想が重々しいモノになることはまずありません、とだけ言っておきましょう。途中でちょいちょい入るミュージカルもどきシーンがやや滑り気味ではありましたが、肩残らない仕上がりにはなっていたような気はします。


# by lemgmnsc-bara | 2020-04-19 18:23 | エンターテインメント | Comments(0)

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 [Blu-ray]

前田 哲/松竹

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最近BSやTVKで『水曜どうでしょう』の再放送をしていますが、当家は夫婦して件の番組がリアルタイムで放送していた時代以来、大泉洋氏のファンです。昨年はラグビーW杯に先立って放送されたドラマ『ノーサイドゲーム』で主役を務めたことで、改めて注目を浴びましたね。

さて、標題の作品は大泉氏が筋ジストロフィーに冒され、自分一人では生活できない鹿野靖明氏という実在した人物を演じた一作。難病に冒された身ながら、健常者同様に生きていこうとする姿を描いています。

ちょっと前に乙武洋匡氏が不倫で話題になった際に「五体不満足なのに不倫できるんだ…」(誠に失礼ながら率直な感想です)と、ある種の衝撃を受けた方は少なくないと思います。障害を持つ身であろうと、生身の人間なのですから、「普通の人」が持ち合わせる欲望は同じように持っていて当然なのですが、ついついそうした側面は見過ごしがち(あるいは意図的に無視している)ですね。主人公鹿野氏は自分の欲望を一切抑えようとしません。とはいえ、腕一本動かすのがやっとという難病ですから、自分一人ではその欲望を満たすことなど出来ません、ではどうするか?身の回りを世話するボランティア(通称鹿ボラ)の皆さんが、それこそ痒いところに手が届くようにその欲望を叶えるため奔走するのです。

そんな鹿野に振り回されるのが医学生田中(三浦春馬)。彼は鹿野の要求には決して否とは言えないお人好しです。そして田中の彼女美咲(高畑充希)。彼女は田中に会うために鹿野宅を訪れたのですが、いつの間にか鹿野のペースに巻き込まれボランティアの一人として扱われてしまい、さらには鹿野のお気に入りになってしまいます。

難病の病人なのに、要求だけは人並み以上の鹿野と、その要求になるべく忠実に応えようとする田中、そして鹿野を優先するあまり、自分と彼女である美咲のことは常に後回しの田中にイラつく美咲、この3人の人間関係の崩壊と和解というのがこの物語のごく荒っぽいサマリーとなります。鹿野が問題を抱えているのと同様、田中にも美咲にもそれぞれ抱えている問題があり、鹿野の問題と同様、各々の問題もまた深刻であることが描かれます。病人の悩み、苦しみは目に見えるだけに逆に周りの人々の理解を得やすい一方で、「健常者」は一見何も問題なさそうであるが故に、その悩みは甘えや取るに足らないものとして扱われがちなため、内面の苦しみは深い…。どんな人間でも、それぞれに悩みはあり、そしてそれは他人にはうかがい知れない苦しみであるということに改めて気づかされましたね。

そして、身体的なハンディキャップは時に恋愛にとって大きな障壁となる、という重い事実も語られます。いくら人間的な魅力に満ち溢れている人物であっても、肉体的に深刻な問題があり、それが「普通」の生活を送る上で大きな障害になることが予想された場合、あえてその障害に対して挑む勇気はあるのか?この、重大な決断を迫る場面では、否応無しに自分が同じ状況に立ったらどうするだろうか、という問いが突きつけられます。作品を一見しただけでは、(あるいは一生涯)答えの出ない質問が目の前に立ちはだかるのです。

大泉氏の好演でユーモラスな仕上がりにはなっていたものの、観終わってから、かなりヘビーな気持ちにさせられました。なかなかの佳作だったように思います。

# by lemgmnsc-bara | 2020-04-14 11:49 | エンターテインメント | Comments(0)

ベル&セバスチャン [DVD]

ニコラ・ヴァニエ/TCエンタテインメント

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近所のレンタルDVD屋で「コメディー」に分類されていたので、いろんな意味で鬱陶しい昨今の空気を忘れることを目的に借りて来た一作。おバカな犬に振り回される人々の姿を描くものだと思っていたのですが、内容はコメディーでもなんでもなく、犬と少年との友情を描いた、ヒューマンなもの。看板、ではなくカテゴライズに偽りあり!

ちょっとググって調べて見たら、この作品の原作はフランスのセシル・オウブリという女流作家の『Belle et Sébastien』という文学作品が原作で、日本では『名犬ジョリィ』というアニメにもなったものでした。放映は1981〜1982年でしたので、私はアニメを卒業した頃合いであり、このアニメを観たことはないし、記憶にもありませんでした。

物語の舞台は第二次大戦下のフランス、アルプスの麓の村(原作ではバスク地方)。セザールという老人とその娘アンジェリーナと暮らす少年セバスチャンが主人公。彼は孤児で、その母親はロマで行き倒れていたところを猟師のセザールに助けられ、セバスチャンを産み落とすと同時に息を引き取ったことが、物語の後半で語られます。セザールは、子育て中の雌シカは殺さないなど、厳しい自戒と先に述べたセバスチャンの母親とのエピソードや、縁もゆかりもない孤児であるセバスチャンを我が子同様に愛育するなどの人情味を持ち合わせる反面、四六時中酒が手放せないというキャラクターを付与されています。

ある日、セバスチャンは一人の帰り道の際に大きな犬と出会います。この犬は、もともと牧羊犬でしたが、飼い主に虐待された経験から人間を嫌っており、時に人間を襲ったりもしていたため、「野獣」と呼ばれ、見つけ次第撃ち殺して良いくらいに忌み嫌われる存在でした。猟師であるセザールに連れ回され学校にもろくに行っておらず、それゆえ友達らしい友達もいなかったという設定のセバスチャンはこの大きな犬と心を通わせ、ベル(フランス語で美しいの意味。女性形であることから、この犬が雌であることを示しています。フランス語圏では当たり前のお話なんですが、なかなか日本人にはピンときませんね)と名付け、それこそ毎日一日中べったりとくっついて遊ぶようになります。ここで、なぜ人間嫌いのはずのベルがセバスチャンと心を通わすようになったのかが今ひとつ不明確。人間同士でいうところの一目惚れに近い、惹かれ合いなのかもしれませんが、具体的なエピソードなどが描かれていなかったため、どうもスッキリしません。

で、ただ単に仲良くしていただけでなく、ベルが間抜けなことでもやらかすのかと思って期待していたのですが、最後までそんなシーンはなし。唯一、村人から食料を強奪していたナチスのトラックからベルがソーセージを盗み出す場面でクスリと笑わせてもらったのみ。ベルとセバスチャンの交流が日に日に深まっていくことを示すシーンに流れた音楽なんか、悲しい結末を予感させられて、泣いてしまいそうになるほど暗い曲調でした(笑)。

そうそう、この時フランスはドイツの占領下にあり、この村は、アルプス越えをしてスイスに逃げるユダヤ人たちの拠点となっていたのでした。逃亡ルートを解明しようとこの村にナチスがやって来たところでいよいよ嫌な予感が…。コメディーどころか泣かせる映画じゃねーのか、おい?泣くのも一つのカタルシスではあるけど、今はそんな気分じゃねーぞ、と思って観ていたのですが、結果的に泣くシーンもなし。少年が一つ大人への階段を登ったことが暗示される、晴れがましいエンディングでした。これもありがちすぎてやや期待はずれ、笑うことも、(泣きたい気持ちは全くなかったですが)泣くこともできない中途半端な作りだったという印象です。ベル役の犬が芸達者だったことが救いでしたかね。



# by lemgmnsc-bara | 2020-04-13 14:03 | エンターテインメント | Comments(0)

『ゾンビプーラ』鑑賞記

ゾンビプーラ [DVD]

アラリック,ベンジャミン・ヘン,ジョイ・ピン・ライ,ハレショー・タイラニ,チェン・シーファン/Happinet

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近所のレンタル店のオススメコーナーにあったものを衝動借り。特に何か思い入れがあったわけではありませんが、とりあえず5枚借りるための員数合わせ的な借方でした。

ちょっとググって調べてみたら、この作品、シンガポール初のゾンビ映画なんだそうです。ネームロールの人名は全て漢字で、キャストは全てアジア系の顔立ち、でも使っている言語は英語、といういかにもシンガポールって作品でした。当たり前のお話ですね(苦笑)。公用語とはいえ、母語ではない人々が話す英語は、ネイティブスピーカーのものより聞き取りやすいなぁ、ってなストーリーに全く関係ない感想を抱きつつも鑑賞開始。

物語の舞台は陸軍の駐屯地。ゲームオタクで、体力も根性もないカユ伍長はいかにして任務や訓練をサボるかばかりを考えている軟弱な男。そしてそんなカユを鍛え上げようとするのがリー軍曹。普段は反目しあっているこの二人ですが、突如として巻き起こったゾンビ騒ぎに際してはしっかりとタッグを組んで、ヒロイン、シャオリンとともになんとか窮地を脱しようと奮戦するというのが身も蓋もないストーリー紹介です。

まあゾンビ映画ってのは大体ストーリーが決まってます。次々と襲いかかってくるし、また増大の一途をたどるゾンビ達を相手に、主人公達がいかに戦い、いかに逃れるかってテンプレ通りの展開ではあります。というわけで、その逃げるさなかに、いかにいろんな要素を盛り込むのかが、作品の出来不出来を左右する事になります。

で、その要素の中でも外せないのが、たった今まで愛する対象だった人々が、ゾンビに噛まれたら、遅かれ早かれ、生身の人間を襲う以外に意思を持たないバケモノと化してしまう事です。その悲しみとやり切れなさをどう表現するのか?二つめは、疑心暗鬼にかられた人間の怖さです。後ろにゾンビたちが迫っているというのに眼前の生身の人間を信じられず、自分だけがなんとか助かろうとする利己主義に走る人物が必ずいて、そしてその人物のために主人公達は、致命的とも言える危機に直面するのです。三つめは、ゾンビの間抜けさをいかに描くか、そしてその間抜けさにどうつけこんで主人公達がゾンビを出し抜くのか?です。

結論から言うと、この三つ、なかなかうまくまとまっていたと思います。カユ伍長は親友が、シャオリンは母がゾンビ化してしまいますが、かつて愛した人々に対しては、たとえ今現在その存在がバケモノであっても、簡単には愛情を捨てられないという気持ちが伝わってきます。利己主義人間としては、やはりカユと仲のよかったチュアという人物が登場します。普段どんなに親しくしていても、極限状態になったら、そんなものは簡単に吹っ飛ぶ。個人的には、ゾンビそのものよりも、こうした人間の悲しい性の方を恐ろしく感じますね。

さて、三つ目のゾンビの間抜けさの描き方が、この作品が「ホラーコメディー」と評されるにふさわしい内容となっています。ここを具体的に説明してしまうと、著しく作品の興を削ぐ事になりますので、あえて伏せておきます。そもそもゾンビってのは恐ろしくはあるものの、どこかコミカルな存在ではあります。素っ頓狂な動きをして見せたり、しつこくはあっても実はノロノロとしか追いかけられなかったり。この作品ではとある間抜けさがうまく表現されていて、それが作品の綾になっています。

全く期待せずに観た作品でしたが、なかなか面白かったように思います。シンガポールって他にどんな作品があるのか、気になってもいます。



# by lemgmnsc-bara | 2020-03-24 15:32 | エンターテインメント | Comments(0)

『大空港2013』鑑賞記

ドラマW 三谷幸喜「大空港2013」DVD(2枚組)

竹内結子,生瀬勝久,戸田恵梨香,オダギリジョー,香川照之/東宝

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三谷幸喜演出・脚本によるWOWOWドラマ。三谷氏の作品らしく、テンポの良いセリフと場面の目まぐるしい転換を、芸達者な俳優たちが淀みなく勤め上げています。

大河内千草(竹内結子)は松本空港に勤務するフジドリームエアラインズのグランドスタッフ。普段は暇な松本空港ですが、その日は羽田空港近辺の天候が不安定ということで、急遽佐賀空港からの航空機を受け入れることとなります。暇を持て余している日常とは違い、仕事があることで、ややハリのある時間が過ごせるとはいうものの、時間通りに飛行機が羽田に着かないことに苛立つ乗客もいるだろうと少々緊張気味の千草。そこにまず絡んでくるのは上司の村木(甲本雅裕)。年老いた母親を安心させたいという理由で、千草にプロポーズしてくるのです。前年に彼氏と別れたばかりで、恋愛に関しては少々引き気味の千草は、ていよくあしらおうとするのですが、村木は、この後も折に触れ、千草へのアプローチを繰り返します。この繰り返しが、最後のオチにつながってきますので、しつこさを味わっておいてください。

さて、佐賀便から降り立ってきたのは田野倉一家。彼ら一家は当主である田野倉守男(香川輝之)の妻美代子の母の法事のため、美代子の実家、鶴橋家のある佐賀に行った帰りに羽田のトラブルのとばっちりを食って松本空港で先の見えない待ち時間を過ごすことになります。この一家で最初に騒ぎを起こすのは鶴橋蔵之介(美代子の兄)。彼はいまだに所帯も持たず、怪しげな投資話に乗っかることだけを考えている人物で、とにかく終始苛立っています。

弁護士である守男は、冷静ではあるものの、家族に対しては高圧的。しかし、彼の浮気相手(戸田恵梨香)がこの一行にくっついてきていたからさあ大変。偶然を装って家族の前に現れては、何かとちょっかいを出します。その度になんとか場を取り繕う守男の狼狽ぶりも一つの見所。肝心の千草は、この二人をはじめ、一家の様々な問題にそれぞれ引きずられ、いろんなことを頼まれては、全てに対応していきます。基本的に客の要望には全て応えなければいけないグランドスタッフの辛さと苛立ち、そこに乗じて、だんだんと要求をエスカレートさせてくる田野倉一家の各メンバー。千草もやられっぱなしというわけではなく、騒動を焚きつけるような行動も一部とったりもします。それぞれに事情を抱えた人物たちと、本来深い事情にまではかかわらないはずが、いつの間にかその事情に振り回され、最後には介入までしてしまうシュチュエーションはなかなかよく考えられていたと思います。

で、三谷作品にはありがちな、伏線の回収で逆転に次ぐ逆転が起こります。特に最後の30分は見どころ満載です。うまく面白い方面白い方に転がっていたと思います。で、最後のオチです。なるほど、そっちで落とすのか、って感想だけ述べておきます。

多分、この作品、どこかに元ネタがあるんだろうと思うのですが、変に深読みをするよりは、素直にストーリーの流れを追っかけて行ったほうが楽しめると思います。



# by lemgmnsc-bara | 2020-03-17 15:33 | エンターテインメント | Comments(0)

福福荘の福ちゃん Blu-ray

大島美幸,水川あさみ,荒川良々/TCエンタテインメント

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森三中のコメディエンヌ大島美幸が30過ぎのおっさんに扮して主演したのが標題の作。監督の藤田容介氏が大島氏がおっさんに扮したコントを観てインスパイアされてできた作品だそうです。

大嶋氏が演じるのは福ちゃんこと福田辰男。30歳を過ぎて独身の塗装工で、凧を自ら製作して揚げるのが趣味という地味な生活を送っています。彼を取り巻くのは、同じ安アパートの住人たち。それぞれが、心に病んだ部分を抱えています。塗装工の同僚シマッチ(荒川良々。大島氏のご亭主である鈴木おさむ氏は「時々、自分の女房と荒川良々さんの区別がつかなくなる」と述べています 笑)から、結婚を勧められ、実際に女性を紹介されたりもするのですが、せっかくシマッチが気を回して、ピクニックなどの場をしつらえても、その場に福福荘の仲間たちを連れてきてしまうなど、男女関係には全く疎いというキャラが設定されています。

その福ちゃんの前に現れるのが中学時代のの同級生で当時福ちゃんが憧れていた杉浦千穂(水川あさみ)。彼女は、他の同級生にノセられて福ちゃんの純真な恋心を踏みにじるようないたずらを仕掛けたことがあります。千穂は現在写真家を目指しているのですが、尊敬する写真家沼倉(北見敏之。個人的にはこの映画の中では一番好きなキャラでした)に男女の関係を迫られ、写真家として生きていく決心が揺らいでいるところです。そんな心理状態のときに謎の女喫茶店主に「あなたは人の心をひどく傷つけたことがあり、そのことが現在に災いしている」と断言されてしまいます。そこで思い当たったのが福ちゃんの存在だったというわけです。

福ちゃんに謝罪に訪れた千穂は福ちゃんに被写体としての可能性を見出し、彼の写真集を出すことに。そして彼の写真を撮り続けていくうちに…、というのが主なストーリー。まあ、この映画に関してはストーリーは単なる時間の経過でしかありません。福ちゃんの無類なお人好しぶりと、彼を取り巻く、風変わりでありながら人情味に厚い人々との触れ合いを描くのが主な目的です。ん?こんなストーリー、どこかになかったかかなぁ?ああ、そうだ、要するにこの作品って『男はつらいよ』のエピゴーネンじゃん。愛すべき主人公がドタバタを繰り返して周囲の人々に迷惑をかけながらも、愛され続けていく。で、マドンナの心を射止める。本家の寅さんは、最終的にはマドンナにはフラれっぱなしなんですが、福ちゃんは将来的にはマドンナ千穂と結ばれそうな流れになっていますがね。

この映画でしみじみと思ったこと、それは、「平気なこと」と「平気そうに見える」ことは明確に違うということ。いちいち傷ついていたら、それこそ自殺するしかなくなってしまうから、なんとかやり過ごして「平気そうに見える」よう振る舞うことを覚えて、社会となんとか折り合いをつけていくのが「普通」の人間ではありますが、無理に抑えていたものが大爆発を起こす可能性をいつでも秘めているも、また人間という存在です。私自身も表面上はヘラヘラしていましたが、心の中は忿怒に満ちていたというシュチュエーションはそれこそ数限りなく経験しています。なんとか、やり過ごして半世紀経とうとはしていますがね(苦笑)。

大島氏のおっさんぶりはなかなか板についており、どこかの映画祭の主演女優賞をもらったほどですが、表情がアップになると、顔の各パーツには「女性」としての優しさが出ていました。『イッテQ』なんかで体を張っているときは完全に女を捨ててますが、「真面目」に役を演じる時には、いくらモテない中年男の役であってもやっぱり「女」を感じさせるオーラのようなものが出てしまうんだな、ってのを改めて感じさせてもらいました。



# by lemgmnsc-bara | 2020-03-17 11:10 | エンターテインメント | Comments(0)

『ロケットマン』鑑賞記

ロケットマン ブルーレイ+DVD<英語歌詞字幕付き> [Blu-ray]

タロン・エガートン,ジェイミー・ベル,リチャード・マッデン,ブライス・ダラス・ハワード/パラマウント

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音楽界のビッグネーム、エルトン・ジョン氏の自伝ミュージカル映画。

物語は、一人の奇抜な格好をした人物が自助グループ(様々な精神的疾患を抱えた人物たちが、語り合ったり、一緒に行動することで治癒していこうとするグループ。日本でも断酒会やうつ病の罹患者など多くのグループが存在する)の集会に参加し、自らの半生を語り始めるところからスタートします。

各種の音楽を一度聞いただけで、ピアノで再現できてしまう天才的な才能を持ったレジー(エルトンの本名)は、常に人から認められ、愛されることを求めていた少年でした。自分の都合を最優先させる父親は、レジーが普通の子供のように甘えてくることを拒絶していましたし、レジーの母親との間もすっかり冷え切っていました(のちに両親は離婚します)。母親は母親で、やはり子供のことより、自分の恋人との関係の深化に夢中。結果として、レジー少年は常に満たされない思いを抱えた時間を過ごすことになります。少年期のみならず、長じてからも、この「満たされない思い」は常に彼を苦しめます。

やがて、音楽の才能が開花したレジー青年は、バックミュージシャンを経て、作詞家バーニー・トーピンとの出会いをきっかけに、「エルトン・ジョン」としてオリジナルの作品を作り始め、それがヒットに次ぐヒットで、一気に名声と大金を手に入れることとなります。

それでも彼の「愛が欲しい」、「自分を認めて欲しい」という気持ちが満たされることはありません。新しい家族を設けていた父親には疎んじられ、母親からは金ばかり要求される上に、レジーがゲイであることで、迷惑ばかりかけられたと罵られる始末。熱烈な恋愛関係にあった男性マネージャーとも破局して、金のことだけで繋がっている状態。そんな寂しさを紛らすために、酒やクスリに溺れ、やがて最大の理解者であったバーニー・トーピンも彼の下を去ることになります。

もともと、レジーは人見知りで、人前に出ることが苦手な少年でした。「エルトン・ジョン」の奇抜を通り越して、奇矯なまでに派手派手しい衣装や、やはり人目を惹かずにはいられない数々のメガネも全て、彼が「エルトン・ジョン」になるために必要な仕掛けだったのです。でも人々に愛され、受け入れられたのは、その派手派手しい「仕掛け」の方だけ。一個人のレジーは誰からも愛されず、拒絶された存在として、大勢の人間に囲まれながらも孤独を感じざるを得ない状態に常に放り込まれていたのでした。

これは、本当に根の深い孤独ですね。本来なら、無条件に素のままの自分を受け入れてくれるはずの家族という根本的な組織がすでに存在しない上に、世間からは羨望を受ける代わりに嫉妬と偏見をぶつけられる。繊細なレジーが窒息感を感じてもおかしくありません。

そして、彼を救ったのは創作と、本当に愛せる人間たちでした。治療の結果、復活して1990年代以降も作曲と演奏活動に勤しみ、2005年に15年来男性パートナーと「結婚」した彼は養子二人を迎え、幸せな家庭生活を営んでいるそうです。彼は、ようやく彼を無条件で受け入れてくれ、同時に無条件の愛を捧げることのできる人々を見つけることができたのでした。

ストーリーもさることながら、所々で、彼のヒット曲とともに、大勢がダンスを見せるミュージカルシーンが秀逸。感情の高まりを歌と踊りで表すというミュージカルの本質を見事に体現していました。残念ながら、私はエルトンの曲は「Your Song」くらいしか知らないので、各ミュージカルシーンの「本質」を理解していたとは言い難いのですが…。こればっかりは彼の作品を改めて聞き込んで、その世界を理解してからもう一度この作品に触れてみないと理解できないですね。ちょっと前に見た『ボヘミアン・ラプソディ』よりも深く感動できた一作でした。

# by lemgmnsc-bara | 2020-03-08 11:05 | エンターテインメント | Comments(2)

ビブリア古書堂の事件手帖 [DVD]

黒木 華,野村周平,成田 凌,夏帆,東出昌大/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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当家の最高権力者様のご意向で借りてきたのが標題の作。書店でもよく見かけるし、確か剛力彩芽主演でドラマにもなってたよな、という程度の予備知識しか持たずに鑑賞開始。

ストーリーは、亡くなった祖母の遺品整理をしていて、夏目漱石の『それから』を手にした五浦大輔(野村周平)の回想シーンから始まります。幼き日に、何気なく『それから』を手にしたら、いつもは仏のように優しかった祖母が、鬼の形相で大輔が倒れてしまうほど打擲したというもの。そして大輔はこの一件がトラウマとなり、成人した現在でも「文字ばかりの小説」を読むことができないというキャラクターが付与されています。

そして、祖母の『それから』には、著者のサインや、思わせ振りな紙片などが出てきて、その価値を鑑定してもらうために購入元でもあったビブリア古書堂を訪れます。主人の篠川栞子(黒木華)は病的なまでの本好きで、本の佇まいや、そこに書かれた文字などから様々なことがわかってしまうという特殊能力の持ち主。で、祖母の「打擲事件」の謎に迫るというのが一つのメインストーリー。一方、このビブリオ古書堂にはその所蔵する稀覯本、太宰治の『晩年』の初版本をめぐり、様々なトラブルに見舞われており、そのトラブルを仕掛けてきている犯人探しももう一つのメインストーリーとして描かれ、後にこの二つのストーリーが一つのストーリーに集約されていきます。

主要キャストのキャラ設定、ストーリー展開ともに、なかなかよく練られており、作品としての質はなかなか高く、楽しめました。

ただし、この作品に関しては、当家が観た時期が悪かった。『それから』には大輔の祖母五浦絹子(若い時期は夏帆、老年期は渡辺美佐子)の悲恋物語が秘されており、それは、作家志望でありながら目の出なかった田中嘉雄という青年との不倫愛なのですが、嘉雄を演じたのが、昨今コロナウイルスに勝るとも劣らぬ不倫騒動を世間に振りまいている東出昌大だったんです。やはり最高権力者様のご意向で当家の定番視聴番組となっている『ケイジとケンジ』でも、東出氏演じる検事が発する言葉や、上司から投げかけられる言葉などに今の東出氏の状況を見事に言い当てている言葉が出てくる、として話題沸騰中ですが、この作品中ではもろに不倫する役。現実と違うのは不倫の相手が既婚者であるということですが、それにしても当然褒められた行為ではなく、どのシーンも色々とツッコミを入れながら見ざるを得ませんでした。まあ、この作品内においては巷間言われているほどの大根役者ではなかったとは思いますがね…。

それから、ストーリー展開についても一つだけツッコミが。クライマックス近く、栞子と大輔は、古書堂にトラブルを仕掛けてきた大庭葉蔵(『晩年』収録されている『道化の華』という短編の主人公の名)と名乗る人物に追われるのですが、警察に連絡もせず、人のいない方いない方に逃げてしまうのです。残念ながらこれは不自然。店に放火されたり、階段から突き落とされたり、明らかに刑事事件として立件できることを起こされているんですから、手っ取り早く警察に連絡すりゃいいじゃねーか、ってのが最大のツッコミです。まあ、警察に連絡してしまったらドラマ性があらかた消えてしまうのでしょうがないところではありますが…。

とにかく本が好きで、本以外には、全く意識が向いていない、という栞子の性格をみて、私も青春時代の一時、本屋で毎日本に囲まれて仕事をしたいな、と思っていたことを思い出しました。電子書籍の隆盛で「紙の本」が売れていない現在では、「厳しい業界に就職しなくてよかった」と思っていますがね(苦笑)。

# by lemgmnsc-bara | 2020-03-01 14:20 | エンターテインメント | Comments(0)

エキサイトブログ、ブロ友の皆様、ご無沙汰しております。ただいま、今後のブログ投稿につき色々に模索しておる最中で、ついついこのブログの更新が滞りがちになっておりますが、一応、他ブログと並行して当面は継続予定です。というわけで、久々の大ネタいってみたいと思います。題名どおり、今年の私的10大ニュースと、今年の漢字一文字です。カウントダウン形式でいきます。

10.猫も杓子もタピオカ、タピオカ
今年のスイーツ、ジャンクフード系を席巻したのがタピオカ。三度めのブームだそうで、過去二回をはるかに凌ぐ規模で市場が急成長したおかげで、街はそりゃ大騒ぎ。当家のすぐ近くには三つの大学を擁する「学生街」が存在しますが、面積的には対してでかくないその街に、8月以降私が目にしただけで7軒ものタピオカショップがオープンしました。最初の店のオープン当初こそ、店に入れない客が道路を挟んだ歩道にまで長い列をなしていましたが、流石に7軒もできると明らかに供給過剰となり、どの店もガラガラではないものの、盛況とは言い難い状況が出来しています。ちなみに私はどの店にも入ったことはないし、従って飲んだこともありません。デンプンで出来ているタピオカの糖質とカロリーが気になるのと、女子高生や女子大生ばかりの店内に入っていくのは気恥ずかしいからです。50過ぎのオッさんが一人で入ったらさぞかし目立つことでしょうね…。

9.アマゾンでの買い物、急増
最初はkindle paper whiteで電子書籍を買うだけでしたが、メモリ容量のかさばるコミック類を買い込んだことで、paper whiteでは飽き足らなくなり、Fire hHD8に買い替えてしまったのが運のつき。電子書籍以外の買い物に使えてしまうので、特に今年に入ってからは一気にアマゾンからの物品購入量が増加しました。主なものだけでも、スピンバイクに書斎用の椅子、小型ノートPCにワンダーコア、腹回り用の発汗促進ベルトにSeeQvaultのUSB-HDD数個にラグビー実戦時に使用する膝用のサポーターなどなど。サプリメントの類で定期購入しているものもあります。ラグビーワールドカップ時には数カ国のレプリカジャージを買ったし、オペラのCDやDVD、電子書籍化していない書籍、ビジネスシューズにカジュアル衣料なども最近は大抵アマゾンに発注します。金額的にも物量的にも当家が一番利用している小売店はアマゾンになってしまいました。いちち店に行ってモノを選んで長い間レジに並んで会計を済ませて、という一連の「購買行動」は楽しいものから煩わしいものに変化しましたので、申し込みさえすれば、家まで届けてくれるアマゾンからの購入量は増えこそすれ、減ることはないでしょう。

8.甥または姪の誕生
最高権力者様の兄上が、30歳近くも年下のベトナム人女性と結婚して早一年。先ごろおめでたが判明しました。この義嫂は実に明るく人懐こい方で、帰省の際に義実家によると、山ほどのベトナム料理を作って歓待してくれます。何より、義兄がすっかり明るくなったのが一番の「効果」。というわけで義兄一家のメンバーが増えることは大歓迎です。予定では来年の初夏ごろ出産。甥にせよ姪にせよ、猫可愛がりする叔父さん、叔母さんになってしまうことは間違いなさそうです。

7.令和の世がスタート
前天皇の高齢化に伴う譲位により、元号が令和と改まり、新しい時代が始まりました。私はこれで、昭和、平成、令和の三つの元号を生きたことになります。私が幼い頃、明治、大正、昭和の三つの時代を生きた人というのは「えらく歳食った人」だったのですが、今は私がその「えらく歳食った人」になっちゃいました。新元号になってからいきなり大規模な自然災害が起こったり、相変わらず内憂外患という政治状況が続いたりと前途多難な船出ではありますが、落ち着いた、平和な世の中の出現を望みたいものです。

6.ジャイアンツ4年ぶりにリーグ制覇を果たすも日本シリーズではソフトバンクに4連敗と惨状を晒す
昨年オフに丸、炭谷、ビヤヌエバ、クック、中島、岩隈と多額のお金をかけてド派手な補強を行った結果、シーズンは制覇した巨人ですが、日本シリーズでは無残としか言いようのない4連敗を喰らいました。今年のシリーズは本当に手も足も出ないという感がありました。おまけにラグビーワールドカップ の大盛況の陰に隠れてしまって、まさに泣きっ面に蜂状態シーズンを支えた坂本、丸、岡本が揃って不調だったり、CSに入ってから6連勝したソフトバンクがチームとして絶好調だったりしたことを考えわせても、実にみっともない負け方だったような気がします。打者は打てない、投手は抑えられない、では勝てるはずがありません。今オフは日本人FA選手からはそっぽを向かれ、投手の大黒柱だった山口がポスティングでメジャー移籍と、泣きっ面に蜂の後にさらにもう一度蜂が襲ってきてアナフィラキシーショックを起こしたような状態で、たまらず外国人を大量に補強しましたが、今シーズンのビヤヌエバをみても分かる通り、外国人は実際にプレーさせてみないと、その真価はわかりません。一時は育成重視に舵を切り、そこから山口鉄也や松本などが戦力に育ったという実績もあるのですから、もっともっと育成に力を入れて欲しいものです。

5.東京五輪チケット当選
来年開催のオリンピックのチケット、ダメ元で男女の七人制ラグビー順位決定戦(含決勝)に応募しました。申し込んだのはこの二通りだけ。周りでは金額にして20万近く、競技としては10種類くらい申し込んだというのに一つも当たらなかったという人がいたり、TVでも外れた人の情報ばかり流したので、これは本当にダメかもしれないと諦めかけました。同僚には早々に抽選結果が来たというのに、私には一向に音沙汰がなかったということもあり、「まあいいか。今年のラグビーW杯にはいけるしな¥という気持ちになりかけていたところ、ようやくオリンピックのチケットエージェントから通知が…。開けてみると、なんと「女子七人制当選」の文字が!文字通り宝くじにでも当たったような幸運でした。ラグビーワールドカップ は私の存命中にもう一度くらいは日本開催はあるかもしれませんが、オリンピックはそれこそ一生に一度で賞から。心して観戦しようと思います。

4.かかりつけのメンタルクリニック突然の閉院
現在の勤務地に来て以来、かかりつけだったメンタルクリニックが、12月中旬にいきなり閉院。原因は院長の体調不良だとのこと。私が通院を始めて以降、この医師は明らかに太った。特にここ数年は急激に不健康な太り方をしていたので、内臓に相当負担がかかっていたのだろうと思います。明日は我が身、ということを痛感し、私も少し痩せないといけないという思いを強くしました。ここのところ、トレーニングをサボっているため、ラグビー実戦に臨むカラダになっていないし、実際に試合に参加もできていません。これがストレスの一因であることは間違い無いのですから。なお、これ以降は、以前カウンセリングに通っていた別のクリニックに通うことにしました。

3.新ブログ開始
現状、生活のあらゆる局面が停滞しております。毎晩の酒はやめられないし、会社の仕事は相変わらず面白くもなんとも無い。前項に書いた通りトレーニングにも身が入らないし、喉の調子がおかしいため、歌を歌うこともできない。文筆活動も公的な部分で発表する機会が絶無。そこで、自分に気合を入れるために、新しいブログを立ち上げ、そこからアフィリエイトで収入を得る、という道を模索することにしました。とはいえ、無理やりな宣伝をしようという気はありません。今までのブログと同じスタンスで、読んだ本の感想に特化したブログにするつもりです。面白く無い本は面白く無いとはっきり書きます!!!とはいえ、まだアフィリエイトの契約がうまくいかず、単にブログサイトを替えただけ、という状況に堕している今日この頃ではあります。今後ともそちらのブログもよろしくお願いいたします。

2.ラグビーワールドカップ 日本で開催
先ほどもちらりと触れましたが、治安が良いことと、国自体のホスピタリティーが高かったこと、および収益もかなりあげられたため、今回のW杯の評判は非常に良く、20年後くらいにはもう一度日本で開催という空気が醸成されつつあるようですので「四年に一度じゃない。一生に一度だ」というキャッチコピーの「効力」は急激に薄れつつありますが、今回の大会がワールドラグビー中枢8ヶ国以外で初めて開催された初めてのW杯であったことは間違いありません。二試合の生観戦(予選プールのイングランドvsアルゼンチン、準決勝のイングランドvsニュージーランド)と十数試合のTV観戦(ジャパンの試合は全てリアルタイムの中継で観ました)ともに堪能しました。
ジャパンの快進撃で
日本中が大フィーバーし、ラグビーという競技の魅力が多くの人々に伝わったことは素直に喜ばしいことです。この熱がそのまま持続して有為の人材がどんどんラグビーに参加してくれるようになるといいな」、というのが20年以上に渡るマイナースポーツであるラグビーを体験して来たおじさんラガーマンの切なる願いです。生観戦した二試合は、国と国との威信をかけた戦いの現場を肌で実感できた貴重な体験でした。

1.オペラ出演
今夏、本当にひょんなことから一気にオハナシが進んで、いきなりオペラの舞台を踏むという経験をしました。
根っからの目立ちたがり屋であることを自負している私ではありますが、観ている人々に、真面目に「何か」を表現するというのは成人して以降初めての経験でした。自分という人格以外の誰かを演じるというのも初めてなら、バスというパートを受け持つのも初めて。基礎的な歌唱力とか演技力が絶対的に不足していながら、どこかで悪目立ちをしてやろうと考えている不遜な自分もいて、本番までは様々に試行錯誤しましたし、最高権力者様には私のソロパートの出だしのタイミングやら、メロディーラインの習得に関して多大なるご協力をいただきました。
いろんなことはありましたが、一言で言ってしまえば実に楽しい時間でした。早くも来年の公演が楽しみでもあります。とは言いながら喉の不調で最近ろくすっぽ練習もできてはいない状態ではありますが…。コンテキスト読みである私にとってはオペラが指し示す世界観が決して堅苦しいものではなく、今日においてもそこいらにいくらでも転がっていそうなありふれた男女の愛憎を描いたものであるということを知ったのも大きな収穫でした。ここのところオペラに関する書物を手に取る機会がぐんと増えました。


さて、最後に今年の漢字ですが、「新」です。様々に新しいことを体験した一年でしたし、次に向けて新しいことをやり始めた年でもあります。来年はこの新しい気持ちを持ち続けて自分なりの飛躍につなげたいと思います。





# by lemgmnsc-bara | 2019-12-28 15:43 | 雑談 | Comments(0)

業務連絡

拙ブログをお読みいただきましてありがとうございます。
さてこの度、書評に特化したブログを開設いたしました。



これに伴い、こちらのブログではエンターテインメント(映画、演劇、お笑いなど)と、ドライブ、旅行について記していこうと思います。

今後とも両方のブログともによろしくお願いいたします。

# by lemgmnsc-bara | 2019-11-19 19:32 | 雑談 | Comments(0)

アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ロバート・ダウニー Jr.,クリス・エヴァンス,マーク・ラファロ,クリス・ヘムズワース,スカーレット・ヨハンソン/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

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アベンジャーズシリーズの「完結編」。マーベルコミックのスーパーヒーローたちが各々の得意技を引っさげて全員登場してきて、最強で最凶の敵サノスと戦うストーリー。前作『インフィニティー・ウォー』で、サノスは宇宙の力の源である6つの石を手に入れ、全世界の生物を半分にするという野望を達成してしまいます。その「半分消しちゃう」効果はアベンジャーズの面々にも及び、メンバーの半数が消滅しています。

ここで少々意地悪なツッコミを一つ。残されたアベンジャーズの面々は世界の原状復帰を目指してサノスと戦うために色々と画策し、実行もし、それがストーリーとなっているのですが、生物が半分になった世界の住み心地ってのが全く描かれていません。そりゃ、残された人々は、いなくなってしまった人々に関して感傷的な気持ちを抱きはするでしょうが、いつかは死すべき運命を持ち合わせるのが人間という存在なのですから、サノスの悪行がなくてもいずれその喪失感は感じざるを得ないはずです。生物が半分に減ってしまったことはただ悲しむべきことなのか?昨今の環境問題等を考え併せると、むしろ半分になったことは「メリット」なのではないか?地球という限られたパイの取り分は単純に考えて倍になるわけで、生き残った生物の生活はむしろ快適なものになるのではないか?そして、地球環境も良い方に向かうのではないか?こういう視点からの描写は一切入りません。ただ残されたメンバーたちの落胆と、その落胆が打倒サノスへの強烈なモチベーションとなるのが描かれるのみです。まあ、特に人間は感情の生き物である以上、いかに快適な生活が出来したとしても、愛する人々を失った悲しみと怒りはその快適さよりも上回るのだ、と理解しておくしかありません。そうでなきゃそもそもこのオハナシ自体が成り立ちませんしね(苦笑)。

で、サノスを倒すためにはどうするのか?これについては『ターミネーター』の敵役の対策をもろパクリしてます。すなわち、サノスがパワーストーンを手に入れる前の時代に戻って、サノスに先んじてパワーストーンを集めてしまおうという風にオハナシが進んでしまうのです。「そんな風に言うんだったら、お前が有効な手段考え出してみろよ!」と言われてしまえば、私には返す言葉はないと言うのも事実ではありますが…。

で、パワーストーンを取り戻すまでの紆余曲折エピソードが主なストーリーとなります。

そして最後の最後はサノスとその軍勢、アベンジャーズとのその仲間達との大激戦が待っています。マーベル版「仮面ライダー大集合」の面目躍如、次から次へと、それぞれが主役を張れるほどキャラの立ったヒーローたちが、必殺技を惜しげも無く繰り出していく。集合モノの一番の」醍醐味です。

結末は言わずもがなですが、全面的にハッピーと言うわけでもなく、少々物悲しいエンディングとなります。数十年氷漬けにされていてもヒーローとしての能力を失わなかったキャプテンアメリカが、ようやく「普通の人間」としての時間と安寧を取り戻す。ものすごくひねくれた見方をすれば、これは「世界の警察」たる姿を放棄して自国ファーストを標榜するようになった現在のアメリカに重なる姿です。無理矢理にでも高尚っぽいことを言っておかないと、ただの「大集合」に終わってしまうのでこじつけました(笑)。



# by lemgmnsc-bara | 2019-11-16 17:53 | エンターテインメント | Comments(0)

『翔んで埼玉』鑑賞

翔んで埼玉 通常版 [Blu-ray]

二階堂ふみ,GACKT/TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

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『パタリロ!』があまりにも有名な魔夜峰央氏の原作を映画化した一作。

この『翔んで埼玉』というコミック、私は原作を読んだことはありますが、何しろはるか昔の学生時代。パタリロテイストのギャグ満載で埼玉をディスっているな、っていう印象だけはありましたが、ストーリーは全くといって良いほど覚えておらず、ほぼ初見の作品と言って良い状況でした。魔夜峰央氏はこの作品に限らず、結構埼玉を人外魔境視したギャグをいろんな作品に盛り込んでいます(ご本人は新潟出身で、新潟については割とリベラルな印象です 笑)。これは漫画家として一本立ちするに際し、最初に住んだ場所が所沢(出版社の担当者が所沢在住で、都合のいい場所に住まわされたそうです)だった事によるそうです。「地元の人間」なら、多少おちゃらけを言っても大丈夫だろうという考えによるものです。これはある程度理解できますね。私も自分で群馬のことは結構おちゃらけますが、地元民以外の群馬バッシングには少々心中穏やかならぬものを感じますから。そういう心根を理解していながらも、島流しにあった土地に関しては悪口を言わざるを得ない状態ではありますが(笑)。

閑話休題。
物語は、東京以外の土地がひどく差別されている設定になっています。その中でも一番ディスられているのが埼玉。群馬や茨城なんかはもはやまともな人間の住む土地ではない秘境であるという扱いです。埼玉県人が東京に入るには通行手形が必要で、その法律に反した人間は「埼玉狩り」にあうという酷さ。神奈川は特別扱いされているし、千葉は埼玉と同程度の僻地とは見なされていますが、東京都知事は執事に千葉県出身の阿久津翔(伊勢谷友介)を起用し、埼玉よりは上ということになっています。

そんな背景の下、将来の都知事候補を生み出すことを目的とした白鵬堂学園に転入してきたのが、美貌で学業スポーツともに秀でた男子学生麻実麗(Gackt)。彼は埼玉出身ですが、アメリカ留学によって埼玉県人の「臭い」を消され、都知事となって埼玉県人への差別を撤廃させるべくこの学園に送り込まれたのでした。そしてこの学園で生徒会長をしていたのが壇ノ浦百美(二階堂ふみ)。この百美はあくまで「男」です。魔夜峰央氏の作品内では恋愛は常にボーイズ・ラブであり、この設定は映画であっても活かされています。百美を女性である二階堂ふみが演じたことで、無用なホモフォビアを封じる策ともなっており、なかなか巧妙な配役であるとも言えますね。

さて、百美は麗をライバル視し、東京テイスティング(空気の匂いを嗅いだだけで、都内のどこの街のものかを当てる)で勝負を挑みますが、麗はあっさりと百美を上回り、優秀な「都民」であることを全校に知れ渡らせてしまいます。で、そんな麗に百美はすっかり首ったけになってしまうというわけです、そんな折、百美と一緒に行った遊園地で起こった事件で麗が埼玉県人であることがバレ、麗は官憲に追われる立場となってしまいます。恋する百美は都民であるという立場より、麗と一緒に逃げることを選びます。この騒動に乗じて、一段のランクアップを望む千葉県民が介入してきて、埼玉と千葉の全面戦争が勃発します。これがこの作品のクライマックス。戦闘シーンの前にお互いの軍勢が士気を高めるためにとる行動が私は一番笑えました。で、いよいよ両軍が激突、というところでストーリー紹介はここまでです。詳細はぜひ本編をご覧ください。

特に関東各県の出身者であるなら、笑えるシーンが多々あります。東京は別格だけど、俺らは関東の人間だから他の地方とはちょっと違うんだよーだ、という根拠のないプライドが微妙に作用するからです。そしてその関東の中でもどこの県の出身者であるかによって、やっぱり微妙にプライドが関わってきます。U字工事なんかは、その各県別のプライドを見事に逆手にとって笑いに変えてますよね。

たかだか、ある土地に住んでいるというだけで、なんで優越感とか劣等感が生じるんでしょうかね?そして優越感の勝る土地に近いとか遠いとかでなんで序列がつくんでしょうか?見終わって一番最初に湧いたのはこの素朴な疑問でした。優越感を感じる地域だから、いろんなモノゴトが集中するのか、いろんなモノゴトが集中してくるからこそ、優越感が生じるのか?タマゴとニワトリ問題の類題ですが、なかなかはっきりとした結論は出せませんね。いずれにせよ、東京という土地への一極集中と、それに付随するあまり意味のない価値観に疑問を持ち、その疑問を茶化したギャグにいかに笑えるかというのがこの作品のキモとなります。




# by lemgmnsc-bara | 2019-11-11 11:37 | エンターテインメント | Comments(0)

リンボウ先生のオペラ講談 (光文社新書)

林 望/光文社

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国文学者のリンボウ先生こと林望氏によるオペラの入門書。落語で言うところの「大ネタ」、すなわち初演後長い年月を経た現代にあっても「名作」とされ、人口に膾炙している作品を八つほど取り上げ、そのあらすじを紹介しています。

今年の8月に、私は素人集団の公演ながらオペラの舞台というものを初めて踏みました。一度こういうものを体験してしまうと、「あのシーンはこうすればよかった」とか、「あそこのフレーズはこんな風に歌ったらもっと感情がよく伝えられた」とかいう反省点が山ほど出てきます。要するにもう一度やりたくなってしまうってことです。

で、次の舞台に立つからには、まず「大ネタ」のストーリーくらいは知っておくべきだろうという文字通りの素人考えでいくつかの入門書をDLし、一番最初に読んだのが表題の書というわけです。

いくら素人集団といえど、他のメンバーは舞台も少なからず踏んでいるし、知識もそれなりにお持ちです。今回私は、たまたま適当な演者がいなかったからという理由で、何と無く引っ張られて、その勢いのままわけもわからずに舞台に立ってしまっただけですので、オペラの演目については、いくつか名前くらいは知っていても、そのストーリーや成立背景はほぼ何も知らない状態です。今回の舞台後の「次は何やる?」を話し合う場においては、周りには日本人しかいなかったのに、明確に示す演目がないという意味のジャパニーズスマイルを浮かべているしかありませんでした。

オペラといえば、音大の声楽科で本格的に歌唱を学んだ人々が、しかつめらしい顔をして真面目に声を響かせ、聴く方は聴く方で、やはりしかつめらしい顔をして「あそこの表現は見事だった」とか「彼女は作曲者の意図を見事に理解した上で、自分なりの新しい解釈をして見せた」とか言わなきゃいけないもの、というイメージがあったのですが、さにあらず。ストーリーは古今東西を問わない普遍的ネタである恋愛モノばかりだし、コミカルな要素や、当時の世相に対する風刺なども多々盛り込まれています。お笑いの舞台とまではいかないまでも、ちょっとした長編映画を観るくらいの感覚で見ても十分大丈夫なモノなんですね。もちろん本格的に鑑賞して批評しようと思えば、それなりの研究は必要ですが。

舞台に立つ人間も、ただ与えられたパートを譜面通りに歌う(これは最低限マスターしていなければいけないことですが、正直、私はマスターしきれないままの部分もありました…)だけではなく、聴衆の前に作品の世界を出現させるだけの歌唱の表現力やら演技やらセリフやらもあります。そこに演じる人間としての個性を盛り込むことは十分に可能です。私も精一杯自分で考えた解釈で与えられた役を演じたつもりですが、聴衆の皆さんにはおそらくただの悪ふざけとしかうつらなかったと思います(苦笑 ただし公演後のアンケートではただ一人だけ私を褒めてくれた人がいました!!念のために言っておきますが、褒めてくれた方は当家の最高権力者様ではありません!!!)。

オペラというものが、少なくとも私が先入観として持っていた「堅っ苦しいモノ」ではないことだけはよく理解できました。さて、読み終わって改めて「次は何がやりたい?」と自問してみたのですが、まだ答えは出ていません。この本に取り上げられた作品はそれぞれ魅力的ではあるのですが、私自身がまだどの作品も見たことがないし、仮にやりたい役が見つかっても、その役にふさわしい歌唱力があるか否かも判断はつかないからです。まずは、自分の姿がどのようなものだったのか、どの程度声を響かせることができたのかを、公演の録画を見ながらチェックし、その上でじっくりと考えたいと思います。

# by lemgmnsc-bara | 2019-10-12 14:00 | 読んだ本 | Comments(0)

33回目となるカンコンキンシアター『クドい!® 50、60は当たり前』、今年も観に行ってきました。

『クドい!® 50、60は当たり前』鑑賞_f0126940_06203838.jpg

今年は場所がこれまでの新大久保グローブ座から銀座の博品館劇場に移りました。

『クドい!® 50、60は当たり前』鑑賞_f0126940_06214564.jpg
舞台そのものの大きさも縮小していたし、観客席もほぼ半数。そんなこともあって、いつも買っているチケット購入サイトではチケットは入手できず、主催団体のHPまで探って、執念でゲット。面倒臭いなぁ。まあ、観られたからよかったけど。なお、1階ロビーでは高橋ひとみさんを見かけたし、以前は演者の一人であった山中伊知郎氏とは同じエレベーターに乗り合わせるというラッキーな出来事もあった。

舞台の物理的な広さが減った影響か、キャストも昨年から女性が二名減。毎年要所要所で見事なステップのサンバを魅せてくれていたアマンダがいなかったのが特に残念。鑑賞後、ちょっとググって調べて観たら、アマンダ嬢は浅井企画を退所した由。ルー大柴氏同様、この舞台ではもう姿を観ることはないんだな…。

内容の方は、ほぼいつもの通りのカンコンキンワールド全開ではあったが、終了制限時間の厳しさ故か、キャイ〜ンやイワイガワ、ずんのネタコーナーはなし。ラグビーW杯を意識してか、NZのハカを取り入れた演出もありました。その時々の話題を、ちょっとずれた形で取り上げて、笑いに結びつけるのはこの公演の真骨頂です。

相変わらず面白かったのは「井川の闇」のコーナー。若い女性たちに対する毒を吐きまくるこのコーナーは4〜5年前に始まったのですが、今やコーナーの一つとして完全に定着しました。もう一つは、ここ2〜3回続いている、ずんのやすをボケ役に、キャイーンの天野と井川が散々に突っ込みを入れるコーナー。これも毎回パターンは一緒ですが、舞台設定には時事ネタを取り入れているので、しばらく楽しめそうです。

座長の関根氏は安定した面白さですが、加齢の影響は否めず、ダンスや、体を張ったコントは短めになってましたね。自ら動き回るネタは今後も減りさえすれ、増えることはないでしょう。悲しいお話ですが、これもコメディアンの宿命ではあります。

全体的に今回はこじんまりとまとまってしまった印象。客席と演者の距離が近いのはいいのだが、やはりもっと大きな舞台で、観客のキャパも大きな劇場で観てみたいというのが率直な感想。以前はこの公演の最大の特色であった、終了時刻の予測が全くつかないほどの圧倒的な量のネタをとにかくやり尽くす、という姿も一度見せて欲しい。休日のマチネだったら可能じゃないでしょうか?



# by lemgmnsc-bara | 2019-09-30 06:42 | エンターテインメント | Comments(0)

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。
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