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ブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表)です

スポーツ開幕企画!応援しているチーム&気になる選手教えて!

何と言っても、ブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表)です。

何しろ、アジア地区で初の開催となるW杯イヤーなのですから。今年応援、注目せずしていつするんだ、ってくらいのもんです。

前回2015年にイングランドで開催されたW杯では、優勝候補の一角だったスプリングボクス(南アフリカ代表。一時、オールブラックスに勝ち越していたのは世界で唯一このチームだけでした)を破り、今世紀最大の番狂せとして世界を震撼させた、我がブレイブブロッサムズが、目標としているベスト8入り(=予選突破)できるか否かが最大の興味の焦点です。

是非とも目標を果たしていただきたい。というよりは果たさざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。2020年をもって日本代表に準ずるサンウルブズをスーパーラグビーから除外するとの報道がなされたからです。ここでスーパーラグビーの経営者たちの意向を覆すためにも、また、国内に、サンウルブズの参加を継続させるべしという世論を巻き起こさせるためにも、ベスト8は必要条件ですし、欲を言えばそれ以上のステージへの進出をお願いしたいところです。

とはいえ、予選だって楽々通過できるほど甘くはありません。同じプールに属する優勝候補の一角アイルランドはここ3年で二回もオールブラックスを破っていますし、2015年にも対戦して大敗を喫したスコットランドも全力で向かってくるでしょう。W杯を最大の舞台としてスター選手を総動員するサモアだって決して気を抜けない相手だし、一番分が良さそうなロシアも、昨年のテストマッチで日本を追い詰めた戦法をもっと突き詰めて挑んでくるでしょう。全勝してもおかしくない反面、全敗する可能性だって大いにある、というのが今の状態です。

とにかく今欲しいのは勝利という結果だけ。選手の皆様にはこの試合で死んでもいいくらいの覚悟で毎試合臨んでいただきたいし、我々も全力で応援したいと思います。

気になる選手は、福岡堅樹選手ですね。ジャパンを代表するスピードスターであり、この大会を最後に医師の道へと進むため、一線からは退く意向も示しています。彼が有終の美を飾ることを期待したいですし、彼がデイフェンスにばかり向かうようではブレイブブロッサムズの勝利はおぼつきません。相手を振り回すだけ振り回して、最後は大外を胸のすくようなスピードで駆け抜けてトライゲット、なんてなシーンをどれだけの数見せてくれるのか?今はとにかく期待だけしておこうと思います。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-04-14 21:26 | ラグビー関連 | Comments(0)

ちょっとばかり思い出話

平成を振り返る!思い出ベスト3を教えて

先ごろ、新元号「令和」が発表されましたが、何かの終わりが近づくと、このテの企画多くなりますね。最近、あんまり本も読んでないし、映画も観てないのでたまにはこういう企画に乗ってみようと思います。カウントダウン方式でいきます。

第3位 東日本大震災
発生した2011年3/11は金曜日で、発生時刻は3時少し前でした。翌日からの連休のことを考えて、少々浮き足立ち始めていた時、長く、強い地震が襲ってきました。それまで鼻歌交じりで参加していた避難訓練で習った「机の下に身を隠す」というのを初めて実践しました。当時私は工場勤務でしたが、工場の「緊急事態」アナウンスは流れるは、サイレンが鳴るわで、あれよあれよというまに、非常事態になっていた、というのが正直な感想でした。「こんなことって本当にあるんだ…。」、最寄り駅では電車の運転再開の見込みが立たず、電灯も消されたまま、駅前ロータリーにはタクシー待ちの人の列が文字通り十重二十重していましたが、肝心のタクシーは一向に来る気配なし。しばらく駅近くのファミレスで状況の変化を待ちましたが、時間の経過とともに混乱に拍車がかかってきているような状態でしたので、自宅まで、20数キロの距離を歩くことを決意。しかし、最高権力者様は都内の某所に出かけていてそこで震災にあったために、区民会館のようなところに避難しているとのメール。途中でそちらに方向転換したはいいが、数週前に初めて導入したスマホの電池が切れて連絡不能。ようやくスマホが売りに出された時期だったので、充電器などはコンビニにも売っておらず、標識を参照しながら、知っていそうな人に道を聞き聞き、2時間近くかけて区民会館に到着。その後、動いた地下鉄に散々待たされた上にぎゅうぎゅう詰めにされて乗り込んで、深夜にようやく帰宅。家の中はしっちゃかめっちゃか。翌日、スーパーの加工食品の棚から、インスタントラーメンやレトルト食品の類が一気になくなりました。

あれからはや8年。つい先日訪問した釜石市には、いまだに当時の爪痕が残っていました。築いてきたものは一瞬で崩れるが、再建するには旧に倍する時間が必要。改めて亡くなられた皆様のご冥福をお祈りいたします。

第2位 就職、そして…。
私の就活の時期は、バブルの最後の残り火が燃えているころで、超売り手市場。高望みしなければ、大抵の企業からは内定がもらえた時代でした。私はマスコミ志望でしたが、その希望は通らず、某製造業に就職。数々の挫折を経て、それなりに実績をあげたところで、いきなり僻地に島流し、そこで鬱を得て、今に至ります。この駄ブログを読んでいただければその詳しい内容やら、恨み言は腐る程投稿しておりますので、過去ログを読み返してみてください(笑)。総合的に考えて、私は今の会社を選択したことは間違いだったと思います。まあ、私が本当にやりたいことを気付かせてくれた、という皮肉な効果はありましたが…。今は、なるべく自分のエネルギーを消費せずに、もらうものだけは一円でも多く、ということだけを考え、すぐにでも辞められる態勢を整えるべく努力しているつもりです。最近ちょっといろんな意味でサボり気味ですがね(苦笑)。

第1位 結婚
伴侶である最高権力者様と結婚したのが21年前。なんだかんだで21年持ってしまって、別に今のところ亀裂も生じていません。おそらく、このまま私が死ぬまでは夫婦関係は継続していくと思っています。少なくとも私の方は(笑)。すでにお互いがお互いを水とか空気と同じ存在であると認識していると思っております。少なくとも私の方は(笑)。

最初意気込んで描き始めた割に、後半は少し疲れて端折っちゃいました。まあ、不都合がないわけではないけれど、概ね「普通」に暮らせていることが、最大の出来事だってことなんでしょう。




# by lemgmnsc-bara | 2019-04-07 14:12 | 雑談 | Comments(0)

『本当は怖い日本の神さま』読後感

本当は怖い日本の神さま (ベスト新書)

戸部 民夫/ベストセラーズ

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井沢元彦氏が常々自らの著作で述べられている通り、日本人の心根に脈々と息づいているのは祟りへの恐れです。崇道天皇社をはじめとして、全国各地に御霊社と呼ばれる神社が多々あります。現世に恨みを残した人間が、超自然現象を以って現世に祟りをなす、という図式は、歴史的にかなり広く受け入れられていた「信仰」でした。

しかし、そこでただ単に、ほめたたえ、崇め奉るのみに終わらないのが日本人のしたたかさ。天変地異を起こすほどの力を災いではなく、人々の幸福の方に用いてくれたら、さぞかしご利益があるだろうとして、いつの間にか、周辺住民の信仰の対象となっていく逆転現象が起こります。時の朝廷に対して謀反を起こした、大犯罪人である平将門を祀る神田明神など、周辺の大企業の幹部が、年始になると必ず神妙な顔をしてこうべを垂れてお祓いを受けていたりします。例えば仏教などでも、インドの土着の神であった「天」や「明王」と呼ばれる存在を自分の宗派に「帰依」させ、守り神として位置付けていたりもしますが、多神教の日本ではその序列は緩やかで、ある神が別の神を明確に下に従えているような例はあまりなく、それぞれの神々は神社単位でオンリーワンの存在に近いものとなっています。

標題の書は、現在神社に祀られて、ご利益をもたらすと進行されている神様が、実は恐ろしい存在であったのだ、という伝承を紹介したもの。各々の神様が、本来はどんな暴れん坊であるかを解説し、そこから転じて、神に祭り上げられた現在ではどんな役割を担うのかについても詳説しています。

どの神についても共通しているのは、敬って奉っているからこそご利益をもたらしてくれるのであり、一度その逆鱗に触れたら、とてつもない災厄をもたらす存在だということ。近所に対しては人当たりが良くても、ちょっとでもトラブルがあれば、たちまち本性を露わにする反社会的勢力の皆さまみたいですね(笑)。

現代のように、特に都市部における、地縁も血縁も檀家も氏子もない状態の場合、知らずにある神様の神域を犯していたり、罰当たりな行為をしていたりということは多々考えられます。体調が悪かったり不運が続いたり、なんてのはもしかすると、どこかの神から罰が当てられているのかもしれません。だから、そういう祟りを祓うために印鑑か壺を買いなさい、ってのがカルト教団の典型的な手口ですが、こういう悪がはびこることこそ、神が人間に与えたもうた罰なのかもしれませんね。とりあえず、軽々にポイ捨てしたり、立ち小便したりするような無作法はしないよう心がけたいと思います。森羅万象全てに神が宿る、というのが日本人の根本的な考え方のはずですから。



# by lemgmnsc-bara | 2019-04-07 13:38 | 読んだ本 | Comments(0)

『信長になれなかった男たち 戦国武将外伝』読後感

信長になれなかった男たち 戦国武将外伝 (幻冬舎新書)

安部龍太郎/幻冬舎

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戦国時代を含む、安土桃山時代から題材をとった歴史小説の多い安部龍太郎氏の、いわば「ネタ本」エッセイ集。戦国時代を制覇仕掛けながら、腹心明智光秀の謀反に倒れた織田信長とその後を襲った豊臣秀吉、そして、当時日本の中心であった京都近くに領地を持ちながら、信長のような「覇権ロード」を歩むことのできなかった大小様々な戦国大名についてまとめた一冊です。上杉、武田といった超メジャーな大名も、この本を開くまで私が全く知らなかったような方も同じような紙幅を割いて紹介しています。

戦国時代…、濃いキャラクターが、それこそ綺羅星のごとく登場した時代でしたね。大抵の人はその誰かに、自分の姿を投影し、事と次第によっては俺だった天下を取れたかもしれない、って妄想をたくましくする時代ですね。私もご多聞に漏れず、私もいろいろな武将に自分を投影して、自分だったら様々なシーンにおいてどのような行動をとっただろうか、という空想の世界に遊んだことは多々あります。最終的には隆慶一郎氏の小説ならびにその小説を原作としたコミックの影響で前田慶次になってみたいという結論に達しました。戦いには滅法強い上に、詩歌や茶道を嗜み、古典の文学にも明るいという教養の高さを併せ持ち、前田利家だろうが、豊臣秀吉だろうが、死を賭してまで己の意地を貫き通す。私には慶次の持ち合わせた戦闘力や教養の高さもないので、実際には無理なオハナシなのですが、だからこそ憧れるんです。ついでにいうと、年齢的にちょっと無理だったかもしれませんが、本能寺の変の際に信長の側にいて、一人でなみいる敵をなぎ倒し血路を開いて信長を逃し、彼が天下を取るまで仕えたかったなどと勝手に想像を膨らましました。まてよ、本能寺で弁慶の立ち往生よろしく華々しく散るってのもいいな。なんてな、バリエーションはいくらでも考えられます。

さて、この本で取り上げられた人物で特に印象深かったのが九戸政実と宇久盛定。

九戸政実は高橋克彦氏の小説『天を衝く』で既知の人物でしたが、安部氏もまた彼を主人公とした小説を構想しているようです。上梓された是非読んでみたいですね。天下統一目前の豊臣秀吉に対して牙を剥いた最後の武将。圧倒的に不利な情勢下で、あえて時代の潮流に逆らった武門の意地ってやつにシビれます。

長崎の五島列島を拠点とし、中国の海商王直と関係が深かったという宇久盛定は、この本で初めて知った人物です。当時の五島は東南アジア貿易の中心地として栄えており、種子島以前に初めて日本に鉄砲が伝来したのは五島だという史料があるという指摘は新鮮でした。また海外との貿易で得られる利潤が莫大なものであったということにも改めて驚かされました。戦国時代というととかく農地となる土地の奪い合いというイメージがあったのですが、実はコメの取れ高以外にも、貿易や商流を押さえる事で財力を蓄え、そこから兵力を整えていったものこどが覇権を握ったのだという指摘にも唸らされました。織田信長の父、信秀は現在でいう中部地方から畿内に流れる商流の利権を握っており、信長の挙兵はここから得た収益に裏打ちされたものだったという指摘はまさに目からウロコが落ちる思いでした。

海外との密貿易で栄えていたであろう宇久氏が、歴史の表舞台に出てこなかったのはなぜか?明による盟友王直への取り締まりと、それに連動した大友宗麟からの攻撃にあって勢力を拡大することができなかったからです。多分これに似たような事態は戦国時代のここかしこで起こっていたはずで、その動きの中で埋もれてしまった人物には、より良く世を治めることのできた人物がいたのかもしれません。果てしないロマンに思いをはせることのできた一冊でした。



# by lemgmnsc-bara | 2019-03-23 09:08 | 読んだ本 | Comments(0)

『カメラを止めるな!』鑑賞

カメラを止めるな! [Blu-ray]

濱津隆之,真魚,しゅはまはるみ/バップ

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最初はごく限られた小さな映画館だけでの上映だったものが、いつの間にか口コミで評判が広がり、上映館数、上映日数ともにどんどん広がっていったインディーズ作品。レンタルショップで衝動借り(その1週間後には地上波で放映されてたりしました…)。借りる前の週に『アド街ック天国』で水戸が特集されており、その中でこの作品の舞台となった浄水場跡が紹介されたことも「衝動」に拍車をかけてました。

インディーズ作品だけあって、有名な俳優(名前を聞けば、あ、あの人かとすぐに思い出せる人)は全く出ておらず、技術にも舞台にも必要最低限のコストしかかけていませんが、以前三谷幸喜氏の『12人の優しい日本人』を観た時と同じ感想を持ちました。「映画の出来を決めるのは、キャストでもコストでもない」。ちょっとググって調べてみたら、映画評論家の町山智浩氏は「三谷幸喜を真似ようとしたら三谷作品より面白くなった」という感想を述べたそうです。

さて、ストーリーは劇中劇である『One Cut of the Dead」の撮影シーンから始まります。この劇中劇はゾンビ映画なのですが、現場となった浄水場跡地には、かつて日本軍が死者を蘇らせるための実験を行なっていたという噂があるという設定がなされており、そしてその噂は実は実話で、ゾンビ化したスタッフたちが、ゾンビ化されていない人々を追いかけまわすというベタなゾンビ映画ストーリーが展開されます。ここで終わってしまえば単なるゾンビ映画ですが、実はここからがこの作品の本筋。

地上波で放映された後とはいえ、ネタバレは回避したいので詳しいストーリー紹介はしませんが、劇中劇の中で、様々に仕掛けられた伏線が、次々に回収されていく筋立てはなかなか面白く、笑えるシーンも少なくありませんでした。

またもや、心苦しくも他人様の意見を拝借いたしますが、キムタク氏は「映像制作の現場の雰囲気を上手く表現している」と感想を述べています。映画に限らず、映像を提供する側は、画面の流れをスムーズなものにするために、文字通り見えない部分で工夫や努力を重ねているんだな、ということは、現場を全く知らない人間が観てもよくわかる作りにはなっています。

期待半分、疑い半分てな心理状況で観始めたのですが、期待を上回る出来の作品だったように思います。個人的には最後の最後がスポ根ドラマっぽくなっちゃったのが残念でしたが、まあ、「勝利は全てを癒す」的な結末は最も一般受けしやすいものだというのも事実です。



# by lemgmnsc-bara | 2019-03-21 06:35 | エンターテインメント | Comments(0)

『ゲット・アウト』鑑賞

ゲット・アウト ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

ダニエル・カルーヤ,アリソン・ウィリアムズ,ブラッドリー・ウィットフォード,ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ,キャサリン・キーナー/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

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権威主義の権化である私が、「アカデミー賞候補作」という店頭ポスターの謳い文句にひっかけられて、借りてきたのが標題の作品。

黒人写真家のクリスには白人のガールフレンド、ローズがいます。とある週末、ローズの両親にクリスを紹介するため、二人はローズの実家に行くことになっていました。

実家訪問に先立ち、クリスはローズに「僕が黒人であることは両親には話してあるのかい?」と問いかけます。「話してないわ。でももしオバマに三期目があれば、父親は彼に投票していたわ」と返すローズ。両親がレイシストではないと主張し、クリスの危惧を鎮静化しようとします。

さて、二人はローズの実家に到着。両親とローズの弟ジェレミーはクリスを歓迎しますが、この家には黒人の男女が一人ずつ召使いとして雇われており、クリスにも、観ている者にも違和感が生じます。次の日は、両親の親しい人々を集めてのパーティーが開催されます。メンバーは一人の黒人を除いて全て白人。その黒人は30歳も年上の白人女性と結婚しています。違和感がどんどん広がります。クリスはここで、参加者たちの、差別的ではないものの、何か彼を値踏みするような視線に晒され、違和感が不快感に変わっていきます。

アカデミー賞の候補になったということは、何らかの社会問題について掘り下げた作品だという思い込みがあったため、糊塗しても、そこかしこから滲み出てくるレイシズムにクリスが苦しむ姿を描くことで、アメリカ社会に根付いた病巣を描く展開になるのだろうと予想して鑑賞し続けていったのですが、その予想は見事に裏切られ、物語はSFチックな方向に向かっていきます。そういえばポスターには「SFホラー」という文字も躍っていたな、と思い返しもしました。

根底には確かに、白人の黒人への差別意識と、その裏返しとして、黒人の優れた身体能力への憧れがありますが、この作品はまさしくホラーです。なぜホラーなのかを説明するためには、この先の展開を紹介せざるをえず、そうなると単なるネタバレになってしまうので、ストーリー紹介はしません。私が一番恐怖する、正気と狂気のはざまにいる人間の姿を描いた作品としては非常に優れていたと思います。

一番怖いのは、一見正常でありながら、実はどこか一本ネジが飛んでしまった人間なのだということ、ということはすぐそばにいる誰かが、こういう人間である可能性が常にあるということ。日常に潜む恐怖を改めて思い出させてくれる一作だったと思います。オススメです。

# by lemgmnsc-bara | 2019-03-09 08:00 | エンターテインメント | Comments(0)

『ワンダー 君は太陽』鑑賞

ワンダー 君は太陽 [Blu-ray]

ジュリア・ロバーツ,ジェイコブ・トレンブレイ,オーウェン・ウィルソン,マンディ・パティンキン,ダヴィード・ディグス/Happinet

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トリーチャー・コリンズ症候群という、顔面の骨格の形成が著しく損なわれる先天性の病気を患った少年が、周囲からの偏見に打ち勝ち、成長する姿を描いたヒューマンな一作。宇宙飛行士のようなヘルメットを被らないと学校にも通えない少年の物語という、良くいえばユーモラスな、悪くいえば悪趣味なプロモーション動画がTVで紹介されていたと記憶しています。

私は、昨年参加した高野山人権講座で、この病気に罹患している石田祐貴氏の講演を聴き、実際の姿も見ましたが、「好青年」という言葉は彼のためにあるような素晴らしい方でした。頭も良く、当時筑波大の大学院に在学中でした。

彼が講演で主張していたのは、とにかく「普通」の人間として扱ってほしいということ。外見をあげつらったり、辛かったりするのは論外だが、変に気を使われるのも逆に重荷になるそうです。

たとえは悪いのですが、ハゲた人やあまり見目麗しいとはいえない外見をお持ちの女性(いわゆるブス)だって「普通」の人間として生活していますね。彼らは、その延長上にある、ちょっと変わった外見の持ち主である「普通」の人であり、一般社会において十分に活躍ができる人々なのです。

とはいえ、彼らに「普通」の人間として接するのは非常に難しいことではあります。最初に見た瞬間に、どうしても見た目にとらわれて半ば反射的に「なんか変」という視線を送ってしまうからです。ご多聞にもれず、私も石田氏を最初に見かけたときは、ついつい好奇の目で眺めてしまいました。

ある程度の常識をわきまえた大人ですら、好奇の眼差しを注いでしまうのですから、遠慮を知らない子供の世界では見た目の違いというのは大きなハンデとなります。ズケズケと外見の違いを口にし、嘲ったり、意味もなく避けたりという、自分がやられたら深く傷つくであろう行動を平気でとってしまいますからね。

主人公の少年も同年代の子供たち言動、行動に大きく傷つけられることになるのですが、スポーツを除く学業成績の優秀さと、折れない心でついに皆からの賞賛を浴びることになるのです。彼はこの賞賛により「独立」しますが、そのことは、彼にばかりかまける両親の心を、彼の姉に向けることにもつながりました。彼は題名の通り。まさに太陽のように、彼の家族を救ったのです。

彼を支えたのは、外見に対して偏見を持たない友人であり、両親であったのですが、何よりも彼自身が世を拗ねたり、はかなんだりせずに努力し続けたことが飛躍の最も大きな要因でした。そして嘲られたり傷つけられたりした痛みを知る彼は、大きな器量を持つ人間へと成長したのです。賞賛を浴びた後も決しておごり高ぶることのない彼の姿には、自分自身の未熟さを痛感させられました。彼は、五体満足でありながら、ロクでもない生活をしている人間をはるかに凌ぐ功績を世に残すことでしょう。



# by lemgmnsc-bara | 2019-02-24 11:50 | エンターテインメント | Comments(0)

『嫌なことからは逃げる』を読んだ

嫌なことからは逃げる

片岡義男/株式会社ボイジャー

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ここのところ、花粉が飛び始めて耳鼻咽喉系の調子が悪かったり、その影響で合唱で担当するパートの高音が出なかったり(ついには風邪をひいて合唱の本番を欠場…)、珍しく仕事が立て込んだり、人間ドックの結果も思わしくなかったり、そのくせトレーニングは億劫でできなかったりと気分の落ち込むことが続いていました。そんな時に頼みとなるのは、精神安定剤と、精神安定剤的な役割を果たす本。この本も題名からして、そうした精神安定剤的な「使い方」のできる本だと思って電子書籍としてDLして読み始めたのですが、さにあらず。片岡義男氏の短編小説でした。

31歳のフリーライターの男が一軒のスナックに立ち寄るところから始まり、そこの店長兼ホステスで男より一回り年上の女性と知り合い、二度目の邂逅で男女の関係になる、というのが味も素っ気もないストーリー紹介。よくあるBoy meets Girl(というにはいささか歳を食い過ぎてますが)ストーリーなのですが、普通とちょいと違っているのは二人の会話です。

男の方のセリフはことごとく、英文を「教科書通り」に直訳したような奇妙さを常にまとっているのです。どんな奇妙さなのかについては本文を読んでみてください、としか言いようがありません。英語に造詣が深く、翻訳についての著作もある片岡氏が、ある程度は意識して作り上げたセリフなんでしょうね。

清水義範氏には『永遠のジャック&ベティ』という日本語と英語の表現方法、考え方の違いをテーマにした佳作がありますが、あの作品ほど、二つの言語の落差で笑いを取ろうと意図しているわけではありません。あくまでも刹那的なラブストーリーの中で、なんとなく引っかかりのある会話が連なっていく、という仕掛けです。

平凡なメロディーの中に、ちょっと不協和音を入れて「予測」を外す現代音楽のように、単純な「快適さ」や読みやすさをあえて殺した、不思議な一作でした。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-24 07:14 | 読んだ本 | Comments(0)

『グレイテスト・ショーマン』鑑賞

グレイテスト・ショーマン 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]

ヒュー・ジャックマン,ザック・エフロン,ミシェル・ウィリアムズ,レベッカ・ファーガソン,ゼンデイヤ/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画。実在したヤマっ気たっぷりの興行師P・T・バーナムの自伝を映画化した一作です。

バーナムは貧しい父と一緒に富豪の家に拾われ、下働きの召使として働かされる日々を送りますが、その日々の中で、富豪の娘チャリティーに恋をします。チャリティーもバーナムを憎からず思い、二人は愛を育んでいくのですが、チャリティーの父親は最後の最後まで二人の仲を認めませんでした。

さて、成人したバーナムはまず寂れた博物館を買い取り、そこにかなりグロな展示品を並べるのですが、客足はさっぱり。妻のチャリティーはもとより、二人の幼い娘まで、懸命にビラ配りをするのですが、人々には見向きもされません。切羽詰まったバーナムは、今度は生身のフリークスたちを集めて見せ物にすることを思い立ちます。アルピノやシャム双生児、ゴワゴワのヒゲが生えた大女等々。このフリークスショーは大当たりし、バーナムは一躍セレブの仲間入り。

この、人集めの過程における歌と踊りは見所。特にフリークスショーの舞台となるサーカス小屋のステージで出演者たちが歌い踊るシーンはクライマックスの一つと言ってよでしょう。鼻の部分の皮膚ガンと闘病中だったヒュー・ジャックマンもしっかり歌って、踊っています。

『レ・ミゼラブル』でもそうでしたが、この方実に歌が上手い。拳からヤイバなんぞ出す役の映画になんぞ出ている場合じゃないよ、って言いたいくらいです。

さて、こういう風に、ちょっと変わった角度から世に出た人間が目指すのが、「正統派の芸術」を世に紹介する仕事をすること。喜劇役者がシリアスな役で芝居に出ることに魅せられるようにバーナムも、欧州から一流のオペラ歌手を呼んでくることに成功し、そしてその興行は大成功をおさめます。

しかし、その影で、バーナムの「出世」を支えたフリークスたちは冷遇されていき、成功に酔いしれ、傲慢になったバーナムに耐えられず、チャリティーも二人の娘とともにバーナムの元を去ります。

好事魔多し。オペラ歌手との契約もこじれ、全てを失ったバーナムは一体どこを目指すのか?良くも悪くも、バクチを打ち続けているような人物が最後に本当に求めていたものに気づく、ってのは良くあるパターンのストーリーではあるのですが、展開的には上手く説明できていたように思います。

ヒュー・ジャックマンは、まず体調を万全にしてもらって、今後は作品を選んで出ていただきたいように思います。まあ、X-MENシリーズはすでに飽きられていますから、ウルバリンの出番はないようには思いますがね。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-09 09:31 | エンターテインメント | Comments(0)

『ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』鑑賞

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

ゲイリー・オールドマン,クリスティン・スコット・トーマス,リリー・ジェームズ,スティーヴン・ディレイン,ロナルド・ピックアップ/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

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主演のゲイリー・オールドマンがチャーチル本人に、それこそそっくりにメイクされ、そしてそのメイクが日本人によって施されたことで本筋以外の部分の方が話題を読んでしまったのが標題の作。

ところがどっこい、ストーリーも骨太で、見応え十分でした。

時は第二次大戦中、ヒトラーが総統を務めていたナチスドイツの軍は、欧州各地で猛威をふるっていました。地続きであるベルギー、オランダを支配下に置き、フランスをも攻め落とそうという勢い。

時の英国内閣のチェンバレン首相はよく言えば平和主義、悪く言えば弱腰で、英本土がドイツに攻め込まれる前に講和条約を結ぼうとしています。このことに野党から猛反発を受けたチェンバレンは首相を退き、その後をハリファックス卿に託そうとしますが、ハリファックス卿も同じように弱腰外交路線を取ると目されていたため、国中が分裂しかねない危機を迎えます。

ここで白羽の矢が立ったのが、海軍大臣である、ウインストン・チャーチル。気難しく、戦場で大敗の経験もある彼の起用を危ぶむ人は少なくなかったのですが、ヒトラーという凶悪な毒を制するにはチャーチルのような劇薬が必要だということで、周囲も納得し、チャーチルは首相の座に就きます。

とは言え、彼の主戦論はすべての人々に受け入れられたわけではありません。施政方針演説はドッチラケで、宥和派はもとより、彼を待ち望んでいた主戦派ですら冷たい視線を送る始末。

折も折、フランスに派遣していた30万人もの兵士が敵に包囲され、全滅の危機を迎えていました。チャーチルはその兵士たちを救うために、4千人の部隊に生還の見込みのない囮として、敵を撹乱することを命じるのですが、この策もまた全方位からの避難を浴びることとなります。

追い詰められたチャーチルは辞職を決意しますが、辞職の前に、市民の生の声を聴こうと、移動には公用車しか使わなかった彼が、自らの足で歩いて地下鉄に乗り込み、乗り合わせた市民の声を直に耳にします。ほんの小さな子供までが「絶対にドイツには屈服しない」という言葉を発するのを聞いたチャーチルが起こした行動とは?ということでストーリー紹介は強制終了。この後は是非本編をご覧ください。

結果地役にチャーチルという劇薬は、自らの力だけでなく、国民の力を引き出すことにも成功し、ドイツに勝利するのですが、勝利の6ヶ月後にがチャーチルは首相の職を解かれます。乱世の英雄は必ずしも平時の英雄になるとは限らない。結局一番うまく立ち回ったのは英国の国民だったのかも知れません。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-09 08:47 | エンターテインメント | Comments(0)

『TAG タグ』鑑賞

『TAG タグ』

題名の「TAG」とはおにごっこのこと。小学生高学年に達すれば、大抵の人々が卒業するこの遊びを、数十年にわたって実施し続けている、実在の人物たちにインスパイアされて制作されたのが標題の作品。

設定はとある年の5月。ホーギー、ジェリー、ボブ、セーブル、ケヴィンの5人は例年に倣っておにごっこを繰り広げています。冒頭、ホーギーは獣医の仕事を投げ打って、清掃員に身をやつし、ビジネスマンとして成功しているボブに接近してタッチするというシーンが描かれ、彼らがこのバカバカしい遊びに、いかに真剣に取り組んでいるのかが示されます。ジェリーを除く4人の目的は毎年一致しています。5人の地元にい今も住み続け、30年間鬼になったことがないというジェリーをなんとしてでも鬼にすること。ジェリーは卓越した身体能力と、相手の予想を上回る知恵の持ち主。他の仲間が毎年、様々な趣向を凝らして、なんとかジェリーを捕らえようとするのですが、彼はことごとく、その策をかいくぐっているというわけです。

今年こそは、と意気込む4人。その「今年こそは」には、実は深いわけがあるのですが、それについてはぜひ本編をご覧ください。

ジェリーを捕まえようとする4人の男(とやはり同級生だった一人の女)がめぐらす様々な策略と、それをことごとく上回って逃げ回るジェリーとの虚々実々の駆け引きが最大の見所。攻めるも守るも、いい大人がそこまでやるか?というドタバタが展開されます。キャッチコピーにも「そこまでやるか?」という文字が躍っており、さすがに少しオーバーなんじゃねーの?と思っていたのですが、全然オーバーじゃありませんでした。そこそこできのいいアクション映画並みのシーンが次々と展開されます。実際にやったら確実に警察沙汰でしょうけどね…。

さて、物語はタイムリミットである5/31まで進みます。この日はジェリーの結婚式。花嫁との約束で結婚式およびそれに関連した行事(結婚前のパーティーなど)の場でのおにごっこは禁じられていたのですが、誓いのキスが交わされようとした瞬間、ホーギーが禁を破って花婿めがけて突進。なぜ彼は掟破りの行動に出たのか?これも先ほどの前フリ同様本編でご確認ください。

バカバカしいお話ではありますが、こんなバカバカしいことを老境といっても良い歳になってまでやり続けている人々がいるということが一番の驚き。実際の人々の行動を写した動画が、映画の最後に流れます。同時にこんなバカをやり続けられる友情の深さには感動もしました。まあ、私が持ち合わせている、シニアチームでラグビーをやろうなんて心根もある種の酔狂ですから、共感できたのかも知れません。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-09 08:21 | エンターテインメント | Comments(0)

『のみとり侍』鑑賞

のみとり侍 Blu-ray豪華版

阿部寛,寺島しのぶ,豊川悦司,斎藤工,風間杜夫/東宝

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最近の日本映画にしては珍しく、下ネタとバストトップがあらわなシーン満載だった一作。

主人公小林寛之進(阿部)は、越後長岡藩士で律儀で武骨一辺倒の武士。賄賂が横行し、カネ次第でどうにでも転がる田沼意次の治世とそれに迎合する藩主や藩の重役に対して常々疑問を抱いています。藩主牧野備前守は稀に見る大バカ(と作中では描かれていますが、ちょっとググって調べてみたら、実際はその才を認められ、老中にまで出世したそうです)で、自作の愚にもつかない和歌を家臣の前で長々と披露しては、お追従の喝采を浴びることを無上の楽しみにしていました。ある日の「歌会」でバカ殿の歌を「良寛様の歌の盗作ではないか」とバカ正直に指摘した寛之進は、バカ殿の激怒を買い、「お前のようなやつは猫ののみとりにでもなって惨めに暮らせ」という沙汰を受けてしまいます。

生真面目な寛之進はその言葉を真に受けて、市中の猫ののみとり屋に就職することとなりますが、実は「猫ののみとり」は名目だけのこと。実際は有閑マダムや女郎、時にはその道がお好きな旦那衆に春を鬻ぐことは本来の商売でした。わたしは浅学にして知りませんでしたが、この商売は実在したそうです。いまでいう「デリヘル」の男版ってなところでしょうか。

で、猫ののみとりが仕事であると思い込んだままの寛之進の最初の客となったのは、田沼意次の妾であり、寛之進の亡妻に瓜二つの風貌を持つおみね。のみとり屋の本来の仕事がなんであるかを理解していなかった寛之進はおみねに「下手クソ!!」と罵倒され、自身の今までの人生を全否定されたようなショックを受けます。お勉強だけはできたけど、女性関係はサッパリで、童貞を捨てられたのは20を数年すぎてから、などというひ弱なエリート男子には同じようなショックを味わった方も少なくないのでないでしょうか(笑)。

そんな時、ひょんなことから色ごとに長けた、小間物屋の入り婿清兵衛(豊川悦司)と知り合った寛之進は、清兵衛の手練手管を文字通り間近で注視して学び、「プロ」として成長するとともに、様々な得意先と触れることで、市井の人々の実情や心情を知り、人間としても成長していく、というのがメインのストーリーです。いわゆる娯楽時代劇コメディーですので、悲しい結末にはなりません。

個人的には清兵衛の、病的なまでの焼き餅焼きの女房おちえを演じた前田敦子嬢が新しい発見でした。清兵衛の一物に、浮気できないようにうどん粉をまぶしたり、いわゆる濡れ場のシーンでコミカルな演技をしてみたり。恋愛禁止ってのが「法律」であるグループの出身者の割りには堂に入った演技ぶりだったと思います。



# by lemgmnsc-bara | 2019-02-01 11:19 | エンターテインメント | Comments(0)

『ミッション:インポッシブル フォールアウト』鑑賞

ミッション:インポッシブル/フォールアウト ブルーレイ+DVDセット<初回限定生産>(ボーナスブルーレイ付き)[Blu-ray]

トム・クルーズ,サイモン・ペッグ,ヴィング・レイムス,レベッカ・ファーガソン,アレック・ボールドウィン/パラマウント

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トム・クルーズがスタントなしでアクションシーンに挑み、ビルからビルへ飛び移るシーンで脚を骨折したというのが話題となったのが標題の作。シリーズ6作目です。

諜報組織IMFのエージェントであるイーサン(トム・クルーズ)は仲間を第一に思う熱血漢。しかしその「温情主義」が祟り、テロリスト集団に核爆弾の材料となるプルトニウムを奪われてしまうという失態を犯します。

でそのプルトニウムを取り返すために、テロリストと接触しようとするのですが、失態を重く見たCIAが部員を一人送り込んで、共同で事に当たらせようとします。プルトニウム奪還に向けて活動を開始する二人ですが、そこに、長年幽閉されていた、ソロモンというテロリストの親玉が絡んできたり、味方であるIMFの女性エージェントと対立してみたりという、様々な「障壁」が登場します。

ま、設定がどうの、展開がどうのというのは、このシリーズの場合は二の次、三の次。どの作品も大して代わり映えしません(笑)。とにかく、トム演じるイーサンがどんなシュチュエーションで、どんなアクションを魅せるかというのがこのシリーズの最大の見どころであり、商品価値でもあります。

結果は言わずもがな。正義は勝つ、というラストシーンに収束します。

それにしても、最初の方のカンフーの達人との戦闘シーンから、車がビュンビュン走るパリの市街地の道路をバイクで逆走するシーン、件のビルからビルへ飛び移るシーンにクライマックスのヘリコプター同士のぶつかり合いまで、全てスタントなしというのはたいしたものです。もうそろそろ60に手が届くってのに、頑張るオッさんですねぇ。作品の内容よりも、肉体のダメージはどれほどのものか、というのが一番気になってしまいました。まあ、客が彼に一番求めるのがこうしたシーンである以上、カラダが動くうちはこの「芸風」は維持し続けなきゃいかんのでしょうけど…。



# by lemgmnsc-bara | 2019-02-01 10:46 | エンターテインメント | Comments(0)

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』鑑賞

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ロバート・ダウニー Jr.,クリス・ヘムズワース,マーク・ラファロ,クリス・エヴァンス,スカーレット・ヨハンソン/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

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マーベル版ヒーロー大集合『アベンジャーズ』シリーズの最新作。

今作の敵はイノスという、最凶にして最強な生き物。異星人と組んで、アベンジャーズたちを散々に苦しめたソーの弟、ロキを簡単に縊り殺してしまうパワーの持ち主。このイノスは宇宙創世時から存在する6つのパワーストーンを集めようとそのパワーストーンが存在する星を次々と滅ぼして行きます。イノスの究極の目的は、6つ全てを集めた上で、全宇宙の生物の生存数を半分に減らしてしまい、全宇宙の「適正規模」を取り戻そうというもの。

現在の宇宙は生物の数が過剰で、豊かな生活を享受できていない、という考え方には一理あるような気がします。しかし、これは地球上に置き換えて考えれば、発展途上国の人々の犠牲の上に豊かな暮らしを享受してきた先進国、もっと言えば「アメリカの正義」そのもの。自分たちで散々環境を破壊しておいて、いざ発展途上国の産業が振興してきたら、環境の保護を声高に言い始めたアメリカの姿への見事な皮肉(を制作側が込めたと信じています 笑)になっています。

さて6つのうちの一つはアベンジャーズの新メンバードクター・ストレンジが持ち、もう一つも同じくアベンジャーズのメンバーであるヴィジョンの頭にはめ込まれています。その二つを狙って、イノスとその部下たちが地球に向かってきます。

対抗すべき、我らがヒーロー軍団アベンジャーズは、前作でキャプテン・アメリカ派とアイアンマン、トニー・スターク派に分裂していて、お互いに音信不通のまま。ブルース・バナーに宿るハルクは出現しなくなる(彼は一度ソーやロキとともにイノスと戦い、敗れています)し、ソーもメインの武器である槌を失ったままと、不利な状況ばかりが積み重なっています。プラスの要因としては、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と前々作でアベンジャーズたちを苦戦させたワンダ・マキシモフ、トニー・スタークの技術により大幅にパワーアップしたスパイダーマンが参戦することと、槌を失ったソーがより強力な斧を手に入れたことぐらいです。

それぞれのメンバーが、それぞれの戦闘シーンで、持てる力を最大限に発揮してイノスの軍勢と戦う、という展開は悪くありません。登場人物が増えたことや、前作までのストーリー展開の影響で、メンバー間の絡みがより複雑化されたことも、作品の深みを醸し出す要因となっています。ウルトラマンシリーズで例えてみれば、今までウルトラ5兄弟だったところにタロウとレオとアストラが加わって、戦いの「量」とそれぞれの背負う「物語」が増えただけだと言ってしまえばそれまでではありますが…。

さて、作品は完結していません。6つの石全てを手に入れたイノスと、6つの石の威力で、ストレンジ、ヴィジョン、スパイダーマン、ワンダなどのキャラクターが「消失」したアベンジャーズは今後どのような戦いを見せるのか?というところで、今作は唐突に終わってしまっています。続編でもう一儲けしようという、ミエミエの商売っ気にはやや辟易とさせられましたが、次作そのものは楽しみではあります。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-01 10:10 | エンターテインメント | Comments(0)

『ヒトは、こんなことで死んでしまうのか』を読んだ

ヒトは、こんなことで死んでしまうのか

上野正彦/株式会社シティブックス

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今までに、数々の死体の検視に関わってきた監察医の上野正彦氏による、人が死ぬシュチュエーションの解説書。題名どおり「こんなことで死んでします」のか、と思わされる事例が紹介されています。

例えば酔っ払い。最近では盛り場を歩いていても酔いつぶれて倒れこんでいるような酔っ払いは見かけなくなりましたが、寝込んだままでゲロを吐くと、その吐瀉物が気管に詰まって窒息死することがるそうです。窒息まで行かなくても、気管に吐瀉物が入ってしまった後は、気管が著しく傷つき、それが死につながることもあるとのこと。飲み込む力が弱まった高齢者によく見られる誤嚥性肺炎などと同じ症状だそうです。

例えば、ちょっとけっつまづいて転んだ時。近くに大きな石でもあって頭でも打ちつけたりすれば因果関係ははっきりしますが、体の内部にダメージが残って、二〜三日後にコロッと逝ってしまうこともあるそうです。頭に限らず、「悪い打ち所」ってのは少なからずあるようですね。

もっとも恐ろしいのが、腸にダメージを受けて、その内容物、すなわちウンコが腹腔内に流出した場合だそうです。ウンコの中には有害な物質がたっぷり含まれており、腹腔内がばい菌だらけになって、他の臓器がダメージを受け、死に至るそうです。ヤクザに腹部を刺された力道山の死因がこれに当たるそうです。ウンコ恐るべし!!(笑)

それぞれの事象は興味深く、読み物としては非常に面白かったのですが、読後に最初に感じたのは恐怖、それも自分の身に起こる恐怖ではなく、他人にダメージを負わせてしまう恐怖です。

こちらは軽く平手打ちしたつもりでも、相手のあたりどころによっては、死をもたらしてしまいかねない、という恐怖。酔っ払って喧嘩したこともあり、一触即発の危険性が常にある満員電車に常に乗り合わせている私にとっては実にリアルな恐怖感でした。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-02-01 09:24 | 読んだ本 | Comments(0)

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』鑑賞

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 ブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]

メリル・ストリープ,トム・ハンクス,サラ・ポールソン,ボブ・オデンカーク,トレイシー・レッツ/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

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ワシントン・ポスト紙の政治的、経済的な戦いを、実話に基づいて描いたサスペンス。メリル・ストリープ、トム・ハンクスという二人のオスカー俳優が共演しています。

キャサリン・グラハム(メリル)は夫の後を継いでワシントン・ポスト紙を経営していますが、ライバル紙の追い上げもあって発行部数が落ち、苦境に立たされています。資金調達のために株式公開に踏み切るのですが、1970年代当時のアメリカでは「女が経営者だなんて…」という風潮が色濃く残っており、投資家たちの反応はイマイチ。

そんな中、ニューヨークタイムズ紙がペンタゴンから流出したベトナム戦争に関する極秘文書を入手し、大々的に記事にするという「事件」が起こります。極秘文書には、ケネディ、ジョンソン、ニクソンの三代にわたる大統領のベトナム戦争戦線拡大への関与が明示されていました。厭戦気分の高まっていた当時のアメリカでは文字通りの大スキャンダル。現職であるニクソン大統領のクビなど一瞬で吹っ飛ぶほどの衝撃的な内容でした。

ニクソンは大統領令という伝家の宝刀を抜いて、その後の情報公開を制限します。ニューヨークタイムズ紙は大統領令の前にそれ以上の情報の公開を見合わせることとなります。そうなると収まらないのが。文書をニューヨークタイムズにリークしたダニエル・エルズバーグ。彼は膨大なデータを今度はワシントン・ポストに持ち込みます。

大統領令によれば、情報源が一緒なら、別の新聞社の記事であっても違反となり、編集長ベン(トム・ハンクス)も社主のキャサリンも、その他お偉方たちは全て牢獄行きとなります。キャサリンは株式公開後の投資を実り多いものにするために、様々な策を用い、それこそ東奔西走してきたのですが、全て水泡に帰する結果を招いてしまうのですが…。

ここでこのネタをニュースにしなければ社会の木鐸たるマスコミとしてのワシントンポストの名折れ、しかし公開してしまえば、大統領令違反であるとともに、投資家たちからもソッポを向かれることは必然。この重大なジレンマの中、編集長ベン、そして社主のキャサリンはどんな判断を下すのか?答えは歴史が物語っていますね。しかし、ストーリーは味わい深いので、ぜひ本編をご覧いただきたいと思います。

実話に基づくストーリーゆえ、派手なアクションシーンなどは一切ありませんでしたが、手に汗握るに足るストーリー展開でした。



# by lemgmnsc-bara | 2019-01-27 15:04 | エンターテインメント | Comments(0)

『君は山口高志を見たか 伝説の剛速球投手』を読んだ

君は山口高志を見たか 伝説の剛速球投手 (講談社+α文庫)

鎮 勝也/講談社

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私が、周囲の影響もあって本格的にプロ野球に興味を持ち始めたのは1975年頃。その年、セリーグでは広島が球団創立以来初めてのリーグ優勝を飾りました。翌76年、翌々77年は、今に通じる「強力補強」を行った巨人がリーグ二連覇。そしてこの3年間パリーグ制覇とともに、日本シリーズにも全て勝ったのが阪急ブレーブスでした。

当時のブレーブスは強かったですね。福本、加藤、マルカーノらが名を連ねた強力打線に、山田、足立の両サブマリンを柱とした投手陣も安定していました。9連覇時代の巨人、森祇晶氏が監督を務め、秋山、清原、デストラーデを擁した西武ライオンズに引けを取らない強さだったとされています。そして、その中でもひときわ輝いていたのが1974年のドラフトで、一位指名され松下電器から入団した本書の主人公、山口高志氏でした。

関東在住であったがゆえ、シーズン中はブレーブスの試合を目にする機会は皆無でしたが、その分、日本シリーズに勝ち上がって来た際の山口氏の活躍ぶりはひときわ目立ちました。170cmに満たない短躯ながら、全身の力をフルにボールに乗せたストレートはまさに剛速球と呼ぶにふさわしい威力がありました。シリーズ初体験だったとはいえ、赤ヘル打線としてセリーグの各投手を震え上がらせたカープ打線も、やや盛りを過ぎていたとはいえ、シーズンではホームラン王を獲った王選手、首位打者までもう一息だった張本選手を主軸に据えた巨人打線もねじ伏せられた、という印象があります。また、通常は打席に立たないパリーグの投手だったにもかかわらず、シリーズの打席では見事にタイムリーをかっ飛ばしたというシーンも記憶に残っています。75年のシリーズでMVPに選ばれたのも当然といったところでしょう。

ところが山口氏の輝きは、この3年だけ。ブレーブスが、シーズン4連覇は果たしたものの、日本シリーズで初出場のヤクルトに敗れた(上田監督の1時間を超える猛抗議が球史に残っているシリーズですね)1978年からいきなり暗転します。

理由は腰を痛め、持ち前の剛速球が投げられなくなったこと。3年間、先発に、抑えにとフル回転したツケが回って来たのでしょう。「権藤権藤、雨、権藤、雨雨、権藤、雨、権藤」と言われた極端な酷使ではなかったものの、当時はまだ、先発した翌日にストッパー役を任され、きちんと押さえきってこそエースという風潮が色濃く残っていた頃でしたからね。この直後、江夏氏の活躍もあって、ようやくリリーフ専任という「制度」が定着しました(山口氏も77年からはリリーフに重きをおいた使われ方をしてはいました)が、そのリリーフにしたって、3回くらい投げるのが当たり前だったように記憶しています。今みたいに、強力な中継ぎが2、3人いて、最後に最終回限定でストッパーが出てくるなどという「完全分業制」は大魔神佐々木氏がストッパーに定着した頃くらいからですかね。

話が脇道に逸れましたが、山口氏の選手生活が短命に終わったのは、やはり酷使が原因でしょう。それもプロ入り以降ではなく、その剛速球に注目が集まった関西大学在学中からその酷使は始まっていたのでした。在学中は他の投手が投げた試合を数えた方が早いほど。目一杯体の力を使う投法だったこともあり、まさしく選手生命を削っての力投だったのでしょうね。腰を痛めたのも、ほんのちょっとした階段の踏み外しによるもの。そこから生じた痛みは、ついに最後まで消えることはなかったと言います。

歴史にタラレバは禁物ですが、現在のような完全分業制の元だったら、山口氏はどれだけの活躍を、どれだけの期間続けられたのだろうか、と考えると残念さ半分安堵半分ってところでしょうか。「完全な」状態の山口氏を打ち崩せる打線はしばらく出てこなかったのではないでしょうか?そう考えると、西武の全盛期以前にもう1回セリーグ暗黒の時代があったかもしれません。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-01-27 14:14 | 読んだ本 | Comments(0)

『ジーサンズ 初めての強盗』鑑賞

ジーサンズ はじめての強盗 ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

モーガン・フリーマン,マイケル・ケイン,アラン・アーキン/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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まとめ借りの枚数合わせに借りてきた一作。

余命がせいぜい15年程度の、日本でいば後期高齢者に差しかかろうとする三人の爺さんたちが、銀行強盗に挑むというコメディーです。

ジョー、ウィリー、アルの三人は同じ製鉄所に定年まで勤めた親友同士。日頃から食事を共にしたり、ローンボーリングでチームを組んだりしている間柄です。

この三人が勤めていた製鉄所は業績不振によりより大手の企業に飲み込まれることとなり、三人が受け取るはずだった年金の基金は、会社の債務清算のために使われるということを一方的に宣告されてしまいます。

人生も最晩年に来て、ようやく安楽な暮らしができると思ったら、アテにしていた年金が支払われることもなく、借金のカタに銀行に持ち家まで取られそうになったジョーが怒りを爆発させ、銀行強盗をやろうと他の二人に持ちかけるのです。

ジョーの頭の中には、自分がたまたま居合わせた銀行に押し入って来た強盗一味の鮮やかな手口がありました。しかもその一味の主犯らしき男はジョーを丁重に扱い、「年寄りを養うのは国家の義務だ」という義賊めいた言葉まで残したのでした。

ジョーの熱意に賛同した、ウィリーとアルは、やるからには成功させようと「トレーニング」を開始するのですが…、というところでストーリー紹介は強制終了。その後の展開と結末は是非とも本編をご覧ください。

このオハナシ、今現在は笑って観ていられますが、いざ自分が彼らと同じ年回りになった際に、国民年金や厚生年金などの原資が実際に残っているのだろうか?とふと我にかえってしまうと、薄ら寒い気持ちが残ります。

銀行強盗とまではいかなくても、近所のスーパーで食料品を万引きでもしなければ餓死してしまうような生活に追い込まれる可能性は大いにあります。

当家は子供がいない分、子供に迷惑をかける心配はありませんが、このことは同時に歳を食った際に面倒を観てくれる親族がいないということも意味します。面白うて、やがて悲しきジーサンズ、ってなところでしょうかね。預貯金やら、生命保険やらを一度詳細に確認してみなきゃいかんな、と思わされました。

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# by lemgmnsc-bara | 2019-01-27 13:30 | エンターテインメント | Comments(0)

『15時17分、パリ行き』鑑賞

15時17分、パリ行き ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

アンソニー・サドラー,アレク・スカラトス,スペンサー・ストーン/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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実際のテロ事件に遭遇し、テロリストに勇敢に立ち向かって一人の死者も出さずに取り押さえた3人のアメリカ人(正確にはもう一人のイギリス人も加わっているのですが、このイギリス人についてのドラマは一切語られていません)を描いた作品。事件に関わった3人のアメリカ人が劇中でそのまま本人役を演じたことでも話題となりました。監督は、ヒューマンな作品を撮らせたら当代屈指のクリント・イーストウッド。

最初は3人の少年時代の回想から入ります。スペンサーとアンソニーの二人は常に迷彩柄の服を着ている変わり者。厳格な教育を施す(何しろ、何か問題を起こすとすぐに校長室に呼ばれるんです)キリスト教の学校では常に浮いた存在でした。そこに加わったのが黒人少年アレク。彼もまた校長室の常連でした。

3人は意気投合し、放課後につるんで遊ぶことが多くなりますが、アレクの生活と学校の教育方針との乖離は埋まることなく、アレクは転校。さらにアンソニーも母親の元から父親の元に行くこととなり、3人は離れ離れになります。

ここからはスペンサーの青春時代。ミリオタのおデブちゃんだったスペンサーは空軍のパラシュート救命隊に入隊することを望んでいましたが、ルームメイトから「お前の体格と根性の無さでは訓練についていけっこない」と言われて一念発起。苦しいトレーニングを自らに課し、それを継続して見事にビルドアップし、体力面ではトップの成績で軍隊に入隊。この姿勢は見習わないといけませんね(笑)。しかし、空間の把握能力に難ありとしてパラシュート救命隊への配属はかないませんでした。これは身体的な問題なので、努力すれば解消するというものではありません。当然彼は失意のどん底。この気持ちはよくわかります。実績は申し分ないはずなのに、自分ではどうにもできない事柄で希望が通らない。私もいまだに恨みが残っている人事異動の際の心境を思い出して同情しきり。スペンサーは心にわだかまりを感じたまま、それでも救護班の班員として救護のスペシャリストになって行きます。

さて場面は件のテロ事件(タリス銃乱射事件と言われているそうです)の場である長距離列車の車内。テロリストであるタリスは自動小銃の弾丸を実に300発も持って列車を乗っ取ろうと企てます。ところが、実行の直前に10分以上もトイレにこもってしまい、そのことを不審に思った男性乗客に咎められて「本格的」な脅しに入る前にその男性に自動小銃を取り上げられてしまいます。タリスは拳銃も持っていたため、小銃を持って逃げた男性は左肩を撃ち抜かれてしまいます。ここで立ち上がったのはスペンサーら3人。自動小銃を受け取った一人はとにかくタリスから遠ざかるために車内を全力疾走。スペンサーはタリスに襲いかかり、いくつかの浅からぬ手傷は負ったものの軍隊仕込みの絞め技で、タリスを締め落とします。そして銃で撃たれた乗客のもとに駆けつけ、救急隊が到着するまでの間、持てる技術の全てを駆使して、懸命に止血処置を施します。その間、もう一人とイギリス人の乗客がタリスをがんじがらめに捕縛します。

スペンサーの処置が奏功して、乗客は一命をとりとめました。スペンサーの軍隊仕込みの格闘術や救命術がなした役割はもちろん大きかったのですが、小さな頃から仲間と一緒に培ってきた勇気と信頼こそが彼の一番の才能だ、という描き方、いかにも人情派のイーストウッド監督の作品です。人生に無駄な経験など一つもないんだよ、って「挫折を乗り越えるための心構え」みたいな本に乗っているような教訓を示して大団円。

やや説教臭さを菅jはしますが、じゃ、自分が同じ状況下に放り込まれたらどうする?同じことができんのか?という重い重い問いかけも同時に発せられており、こちらの問いに関しては「うーむ」と唸るばかりで、にわかには答えは出せそうにありません…。


# by lemgmnsc-bara | 2019-01-13 13:41 | エンターテインメント | Comments(0)

『メッセージ』鑑賞

メッセージ (オリジナルカード付) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

エイミー・アダムス,ジェレミー・レナー,フォレスト・ウィテカー/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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映画評論家の町山智浩氏が、とあるTV番組で激賞していたのが標題の作。主演がエイミー・アダムスだということもあり、正月休み中にレンタルしてきて鑑賞。

ルイーズ(エイミー)は言語学者で、古代文字の解読のエキスパートという設定です。バツイチのシングルマザーで、一人娘を難病で亡くすという「過去」を背負って生きています。

ある日の大学での授業中、突然避難勧告が出されます。そしてその数日後、ルイーズの元には軍関係者が現れ、有無を言わさずルイーズを巨大な物体(公開当初。米菓子「バカうけ」に形が似てると評判になったそうです。私は胚芽がついたママの米粒に見えましたがね)が地上数メートルに浮遊している地に連れて行きます。

この物体は世界各地12箇所に同時に出現し、中には得体のしれない生命体が存在しています。その生命体と意思疎通を図るために米政府が言語の専門家であるルイーズや理論物理学者であるイアンなどを招聘して特別チームを編成したのでした。生命体はH.G.ウエルズの火星人以来の「正統派」であるタコによく似た外見を持っています、

このタコたちの意思疎通方法は一本の触手から墨のようなモノを吐き出し、円のような図形を描くというもの。ルイーズたちは、かすかな手がかりから彼らの意図するところを読み取り、現状が生じている意味を探ろうとします。この辺は異文化同士の最初のぶつかり合いのメタファーですね。例えば、英語しか話せない人間と最初に遭遇した日本人は同じようなもどかしさを感じながらコミュニケーションを図ろうとしたのでしょう。

様々な対話の結果、生命体は何か「道具」をもたらそうとしていることがわかったのですが、この「道具」という言葉の解釈をめぐって各国の意見が対立するとこ路も現代社会の風刺ですね。一番強硬な意見を表明するのが中国だっていうところが、特に(笑)。

未曾有の事態に際して、人類がどのように立ち向かうのかを描くのがメインストーリーかと思ったのですが、実はメインストーリーは別のところにあります。どんなことがメインストーリーなのかはぜひとも本編にあたってみてください。「道具」という言葉の解釈と、私がこの駄文の冒頭部分で「」付きで過去と書いたことがヒントです。非常に凝ったつくりになっている作品です。集中してみていないと、あっという間に置いていかれ、全くワケがわからなくなりますので、特に後半の40分くらいは画面から目を離してはいけません。



# by lemgmnsc-bara | 2019-01-13 07:59 | エンターテインメント | Comments(0)