インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [Blu-ray]

オスカー・アイザック,キャリー・マリガン,ジョン・グッドマン,ギャレット・ヘドランド,ジャスティン・ティンバーレイク/東宝

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ハリウッド屈指のヒットメーカー、コーエン兄弟によるヒューマンコメディー。カンヌ映画祭でのグランプリをはじめ、数々の賞を受賞した作品で、どこかの映画解説本で「観るべき映画」リストみたいなものに連なっていた作品。この映画解説本のリストは手帳に書き写してあったのですが、ついつい新作にばっかり目がいってしまい、ようやく借りてきました。

このお話は実在のフォークシンガーの自伝が原作だということです。

冒頭、ライブハウスでの演奏を終えて出てきた主人公ルーウィンが、待ち伏せていた正体不明の男にいきなりボコボコにされるシーンが出てきたときは、一体どんなストーリーになるのか不安に駆られましたが、バイオレンスなシーンはここと最後だけ。あとは、挫折を繰り返しながらも懸命に自分の夢を追い求めて奮闘する主人公の姿が、淡々と描かれます。

冒頭にも書いた通り、一応この作品はコメディーにカテゴライズされるようですが、特に笑えるシーンはありません。コミカルなシーンと言えるのは、ルーウィンが転がり込んでいた友人宅の猫がちょっとした隙をついて外に逃げてしまい、それを慌てて追いかけるところくらい。あとは、泣き面に蜂という状況が次々とルーウィンに襲いかかってくるところがユーモラスといえばユーモラス。どちらかというと、笑えるというよりは惨めったらしさに自分の気持ちまでが落ち込みかけるようなシーンばっかりでしたけどね…。

で、様々なハプニング、苦難、困難を乗り越えたルーウィンが、最後には自作の歌を披露したライブハウスで拍手喝采を浴びて出てくると、冒頭のシーンに繋がるという仕掛けが施されています。この演出の意味が今ひとつ不鮮明で、私は少々混乱しました。いずれにせよ、主人公の未来は明るくなりそうだ、という暗示のままネームロールヘと突入します。

ユーモアという感覚に関する彼我の差を一番に感じた一作でしたね。日本だと、もっと泥臭いエピソードをこれでもかこれでもかと盛り込んで、最後は涙涙みたいな「スポ根モノ」じみた仕上がりにしてしまうであろうところを、不条理に仕上げたところがコーエンメソッドなのでしょう。



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by lemgmnsc-bara | 2017-09-28 10:37 | エンターテインメント | Comments(0)

『ファーゴ』鑑賞

ファーゴ [Blu-ray]

フランシス・マクドーマンド,スティーヴ・ブシェーミ,ウィリアム・H・メイシー,ピーター・ストーメア,ジョン・キャロル・リンチ/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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ハリウッド屈指のヒットメーカー、コーエン兄弟によるクライムサスペンス。毎年この時期になるとレンタルDVD屋の店頭に出現する「アカデミー賞受賞作品」コーナーに並んでいたやつを衝動借り。

最初に登場するのはいかにも頼りなさそうな男ジェリーと、いかにもヤバそうな雰囲気を醸し出している2人組の男、カールとゲア。ジェリーがカールとゲアに持ちかけるのは自分の妻の狂言誘拐。資産家である義父から高額の身代金をせしめようという目論みです。どうやらジェリーはカネに困っているようです。

カールとゲアは誘拐に成功しますが、逃亡に使った車両にナンバープレートがついていないことを警官に見とがめられ、その警官をゲアが射殺してしまってから、ストーリーが、ジェリーを含む犯人一味にとっては悪い方向悪い方向に展開していきます。いわゆる「ドツボにはまる」というシチュエーションがどんどん進行していくのです。

まずは、警官射殺現場を偶然車で通りかかったカップルを二人とも殺害。罪がどんどん重なります。依頼したジェリーはジェリーで、警察に通報しようとする義父を説得し、身代金を引っ張り出すのに散々苦労させられます。おまけに、当初の要求金額から大幅に増額した身代金をジェリーではなく義父自らが犯人の元に運ぶと言い出し、強引に犯人との受け渡し場所に行ってしまいます。途中で身代金の大半をネコババしようとしていたジェリーにとっては実入りが何もないのに焦りと罪悪感だけが募る結果となります。

で、カネの受け渡し場所に行った義父は、受け取りに来たカールと銃撃戦の上、射殺されてしまいます。さらにはカネと車の取り分の争いから、カールもゲアに殺されてしまいます。いやはや。ちょっとした手違いや一瞬のイラつきによってもたらされたホンのちょっとしたズレがやがて大きな歪みとなって、登場人物たちに襲いかかる、という展開はなかなか上手く考えられていたと思います。悪いことを企んだやつには結局利益はもたらされず、代償としての罪だけはしっかり背負わされる、という結末も悪くありませんでした。

一つだけ消化不良だったのは、身代金の最終的な行方。支払われた金が要求額より大幅に多いことに気づいたカールは、当初通りの分け前だけ持って、残りはとりあえず雪の下に隠してゲアのいる隠れ家に帰るのですが、そこで前述した通り諍いが起こり、殺されてしまいます。カネの隠し場所を知る人物はストーリー展開からはカールしか考えられません。結局このカネは一体どうしたんだろう?そこだけ少々尻切れトンボ感は否めませんが、全体としてはなかなかの佳作だったように思います。



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by lemgmnsc-bara | 2017-02-14 18:59 | エンターテインメント | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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