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『こわ~い中国スポーツ』を読んだ

こわ~い中国スポーツ
松瀬 学 / / ベースボール・マガジン社
ISBN : 4583100779
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早大ラグビー部出身で『スクラム』という快著もあるスポーツライター松瀬学氏の中国スポーツの現状に関するルポルタージュ。北京五輪前夜の中国スポーツ界をめぐるどたばたが描かれています。

13億人の国民を擁し、その中から厳しい選抜を経てスポーツエリートが作り上げられる様は壮観です。一説に現在NBAで活躍中のヤンミン(女偏に兆明)選手は、スポーツエリートを創り出すという「国策」として当時中国で一流だった男子選手と女子選手を結婚させて誕生したとも言われていますね。そんなうわさが本当に思えてしまうほど、中国が国威発揚の場としてスポーツイベントをとらえ、その舞台で勝つことに力を入れていることがわかります。

仮に中国がNZ並みにラグビーに本腰を入れ、スポーツエリートをすべてラグビーに投入してきたらどうなるでしょう?おそらく外国人選手抜きでも日本は軽く蹴散らされてしまうに違いありません。13億の人口と国を挙げての強化選抜システムはそれだけの力を持っています。

氏はまた、五輪前夜の北京の狂騒的な建設ラッシュやスポーツメーカーが競って参入してきているスポーツ用品市場の膨張についても触れています。

貧困格差が大きい中国ですが、なにしろ13億人というパイのでかさは確かに魅力的です。都市近辺に住む富裕層だけでもおそらく日本を軽く凌駕する市場を持っていることでしょう。民主主義の社会のみならず、「数の多さ」というのは大きな力なんですねぇ。

中国スポーツ界にとって建国以来の大イベントであったオリンピックはさまざまなドラマを生んで閉幕しましたが、スポーツ界における中国の勢力は今後ますます伸長していくことでしょう。何年か後には野球で日本がコテンパンにやられるなんていう時代が来るのかもしれません。
by lemgmnsc-bara | 2008-10-23 11:17 | 読んだ本

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