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『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』を読んだ

論より詭弁 反論理的思考のすすめ
香西 秀信 / / 光文社
ISBN : 4334033903
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修辞学を修めた香西秀信氏による論理学の「成り立たなさ」を紹介するエッセイ。専門家が自分の研究領域を否定してどうするんだろうという点に興味を惹かれたので衝動買いしました。

言葉を使ってコミュニケーションする限り、「論理的」思考というものは成立し得ない、という氏の論にはうなづかされました。例えば、

A.彼女は仕事はできるが、性格が悪い。
B.彼女は性格は悪いが仕事はできる。

という2つの文章は、2つの並列可能な事象を表現したものですが、日本語の「後に来た表現の方が強調される」という特性により、Aの文章の方は「彼女」に批判的なニュアンスを含んでしまいます。

その他、論理というのは「場」や「人」によっても左右されてしまい、正しい論理というのはほとんど成立し得ないという説が述べられていました。

この本で一番面白いと思ったことは「相手に解答させる切り返し」です。例えば「何故この仕事ができないんだ?」と質問されたら「あなたならどういう方法をとるんですか?」と切り返し、相手に説明の義務を負わせてしまう。一昨日私が悪口を書いた「正論」を武器に他人を批判しまくる女性上司なんかには、この切り返しは有効かもしれません。相手が黙ってしまえばしめたものだし、何か言い返されたらこちらは相手の矛盾点を追究していけばいい。もっともこういう切り返しは敵の方が上手かもしれませんがね^^;。

まあ、私みたいに条件反射的に軽はずみな言葉を発してしまう人間は、一言言う前に、じっくり考えるという習慣をつける方が先かも知れません(苦笑)。
by lemgmnsc-bara | 2008-07-12 13:52 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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