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『陰陽師 瘤取り晴明』を読んだ

陰陽師瘤取り晴明
夢枕 獏 / / 文藝春秋
ISBN : 4167528169
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タイトルからも分るとおり、おとぎ話の『こぶとりじいさん』の翻案モノ。

百鬼夜行に出くわした老爺が、ひょうきんな踊りを踊ってこぶを取り除いてもらいます。それを聞きつけたこの老爺の双子の弟が自分も取ってもらおうと再度妖怪たちの下へ赴きますが、恐怖のあまりしくじってしまい、逆にこぶを取り付けられてしまう。ここまでは「原作」の通り。

さらに妖怪たちは「兄が来るはずなのに弟がきたという事は、約束を違えたという事だ。もう一度兄をよこして踊らせろ」という要求を突きつけます。ここで夢枕獏氏の『陰陽師』シリーズの二人の主人公、安倍晴明と源博雅の登場となります。

二人は本名を呼んでしまえば解けてしまう「呪」をかけて、兄弟になりすまし妖怪の宴へと出かけていきます。話はうまくいきかけますが、ひょんなことから正体がばれてしまいます。百鬼夜行の真っ只中の二人の運命やいかに・・・。これ以上は読んでいただくしかありません。

あとがきで作者も書いていましたが村上豊氏の挿絵はいい味を出しています。妖怪たちの跳梁跋扈をそのまま抜き出してきたかのような生き生きとした挿絵でした。

個人的にはこぶを取るために鬼が用いた紐が欲しいなと思いました。元々は中国の皇帝が余分な脂肪をカラダにキズをつけずに取り除くために、道教の僧侶達に命じて作らせたものと言う設定でした。そんな紐があれば私の余分すぎる脂肪も一気に取り去ることができるのになぁ…。
by lemgmnsc-bara | 2008-01-26 09:42 | 読んだ本

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