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『百貨店サバイバル―再編ドミノの先に 』を読んだ

百貨店サバイバル―再編ドミノの先に
田中 陽 / / 日本経済新聞出版社
ISBN : 4532194237
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ここのところ老舗百貨店同士の合併や業務提携が相次いでいます。阪急と阪神、大丸と松坂屋、そして極め付けは三越と伊勢丹。

郊外の大型SCやカテゴリーキラーなどの伸長に押されっぱなしの百貨店業界がいよいよ生き残りのために必死になって来たって事でしょうかね。

当家のことだけを考えてみても最近は百貨店で大きな買い物をすることがめっきり減りました。精々食品売り場で惣菜やスイーツを買ったりする程度。より厳密に言ってしまえば、百貨店に入っているテナントショップの品物を買っているのであって、百貨店独自で仕入れたものを買っている率は非常に低くなります。

以前は体格の問題もあって、服はほとんど伊勢丹の「デブ専バーゲン」でまとめ買いしてましたんで年間でン十万使ったようなこともあったんですがね・・・。

閑話休題。表題の本は、それぞれのケースの内幕にかなり突っ込んで取材したルポルタージュです。
本店が目と鼻の先にあり、長年商売敵だった阪急と阪神が経営統合するなんて、考えもつかないことでした。村上ファンドという思わぬ「触媒」のせいで強引に統合への線路がひかれちゃいましたが、両本店の特長をいかしてうまく顧客を棲み分けさせて、お互いにメリットを出しているようです。

松坂屋と大丸もしかり。ここにも村上ファンドの影がちらつきますが、商圏の重なりの少なさや、それぞれに抱えた旗艦店舗の再開発問題などを考え、最大のメリットを生み出すべく努力しているようです。合併に至るまでには大小さまざまな問題があったようですが、両社の首脳陣が協議を重ね一つ一つその問題を潰していく姿が描かれていました。

そして三越と伊勢丹。マーチャンダイズ、顧客管理について伊勢丹の右に出る百貨店はないそうです。立地と格式にあぐらをかいてきた三越が果たして伊勢丹流を受け入れることが出来るのか?部外者にとっては興味津々ってなところですが、中にいる人たちは大変でしょうね。いままで培って来た「企業文化」が完全否定されるような場面も少なからずあるんでしょうから。

個人的には、経営統合するからには、銀座三越にキングサイズコーナーを設けて欲しいと思います。まあ、棲み分けの観点から言えば難しいとは思いますがね(苦笑)。
by lemgmnsc-bara | 2008-01-09 07:11 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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