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『環境問題はなぜウソがまかり通るのか2』を読んだ

環境問題はなぜウソがまかり通るのか2
武田邦彦 / / 洋泉社
ISBN : 4862481825
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以前紹介した『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』の続編。今巻でもリサイクルが本当に環境の良化に寄与するのか、とか、昨今の最大の関心事である「地球温暖化」について鋭く斬り込んでいます。

著者武田氏は「科学者は各々が違う意見を戦わせるべきで、皆が皆地球が温暖化して環境悪化に繋がっているというのなら、そのことに異を唱える科学者がいなければならない」という立場で独自の視点で温暖化を分析し、批判しています。

私自身もここ数年のヒステリックな「地球温暖化ファシズム」ともいうべき風潮については少々疑問を感じていました。

地球が温暖化すると、様々な弊害が生じる、従って温暖化に繋がるような行動をとる人間は悪だし、温暖化を「改善」するような行動をとらない人間も悪だ。リサイクルは今ある資源を有効活用する手法なのだから、その手法を用いない人間は当然悪だ。何となく、こんな風潮があるように感じます。この感じが人々をゴミの分別などの行動に導くのでしょうし、ゴミの分別の制度化にもつながるのでしょう。

ところが武田氏の分析によれば、ゴミを分別すればするほど、その処理には余計なエネルギーがかかるというのです。つまり生ゴミばかりだと燃えにくいから重油をかけて焼却するという矛盾が生じてしまう。一時期騒がれたダイオキシンの害も非常に弱いものだったという説をひいて、ゴミは分別せずにそのまま焼却するのが一番だと述べています。ふーむ・・・。一体何が正しいんでしょうかね?

地球環境問題ってのは規模が大きすぎるし、影響が出てくるまでのスパンが10年や20年といった「短期間」でないところがやっかいですな。現在の我々の行動がいつ、どの程度影響を及ぼすものかイメージしにくく、いかようにでも世論誘導が可能です。したがって、それを巧く自分の政策に利用するゴア氏のような人物も現れてくるわけです。

私個人としては、「規則」に定められたことはきちんと遵守していかなきゃいけないとは思っていますし、出来うる限り、エネルギーの節約には努めようと思っています。ただしその行動が本当に「正しい」のか否かについては、常に関心を持っていたいな、とも思いました。
by lemgmnsc-bara | 2007-12-20 07:09 | 読んだ本

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