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『セイラー教授の行動経済学入門』を読んだ

セイラー教授の行動経済学入門
リチャード・セイラー / / ダイヤモンド社
ISBN : 4478002630
スコア選択: ※※※



腰巻きの「ノーベル賞」の言葉に引っかかって、「権威主義だなぁ」と自己ツッコミを入れながらも衝動買いしてしまいました。

読んで一番最初に感じたのは「懐かしい」。

私の大学時代の専攻は社会学でしたが、師事した教授の専門が「社会的ジレンマ※」で、その構造を分析して行く過程で、ゲーム理論はよく出てきました。この本もいきなりゲーム理論の様々な実験の話から始まっており、院生の先輩の実験の手伝いで被験者やったり、友だち引っ張って来て被験者やらせたり、その実験のためのシステム構築のために一挙にPCが10台も導入されたりといったことを次々と思い出しました。

当時は、文科系の専攻でPCなんか使っているところはほとんどなかったし、個人でワープロを持っているだけで一種のステータスだった時代でした。テレホンカード(これも懐かしい言葉だなぁ)の品質チェックのバイトを2ヶ月近くやって富士通のOASYSを手に入れたことまで思い出しちゃいました。

閑話休題。この本は、ゲーム理論など様々な理論を用いて、人間が必ずしも合理的な行動をとる訳ではなく、それゆえ、その行動の総体としての経済活動は複雑怪奇極まりない、ということを解説しています。各ケースの解説が説明的に過ぎ、読み物としてはあまり面白いとは思えませんでしたが、各ケースの結果そのものはなかなか興味深いものが多かったような気がします。この研究を突き詰めていけばノーベル賞にまで至っちゃう訳ですから奥が深いですな。この分野の本は本格的に読み出すとキリがなさそうですが、気がつくとまた衝動買いしてしまっていそうな気もします(笑)。

※社会的ジレンマ・・・個人としての合理的な行動の総体が、思いもかけぬ結果を引き起こし社会に影響を与える事象。医療技術の発達により平均寿命が伸び、その結果人口増加を引き起こして、資源の枯渇や食糧不足、温暖化などの様々な問題が起こっていることなどが好例。
by lemgmnsc-bara | 2007-12-06 07:21 | 読んだ本

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