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『長いお別れ』を読んだ

長いお別れ
レイモンド・チャンドラー / / 早川書房
ISBN : 4150704511
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村上春樹の『ロング・グッドバイ』が本屋に山積みされていたのを横目でみながら、いつか最初の訳書を読んでみようと「積ん読」していたのが清水俊二氏訳の標題の書です。

チャンドラーの作品を読んだのはこれが初めてです。ハードボイルドの巨匠という枕詞がついて回っている作家ですし、主人公フィリップ・マーロウはあちこちで引き合いに出される人物でしたので、興味はあったのですが、何故か今まで読む機会がありませんでした。

主人公のフィリップ・マーロウは確かに魅力的な人物でした。決してスマートではありませんが、警察に代表される権力へは媚びへつらわない一方で、酔っぱらいを放っておけなくて自宅に連れ帰って介抱したりする人間味あふれる人物として描かれています。日本の探偵物や刑事物のドラマの主人公はかならずこの人物の影響を受けているといってよいでしょう。松田優作の「探偵物語」なんかほとんどそのものですな。

この物語は1953年に書かれているというのに少しも古さを感じさせません。大家の作品ということで少々気負って読んでいたのですが、途中から物語に引き込まれてあっという間に読んでしまいました。

というわけで、次は村上春樹の『ロング・グッドバイ』を読んでみたいと思います。
by lemgmnsc-bara | 2007-09-28 00:13 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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