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『となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術』を読んだ

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)
関根 眞一 / / 中央公論新社
ISBN : 4121502442
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著者関根眞一氏は西武百貨店で顧客のクレームを処理する部署に長く勤務をされた方。いわばクレーム処理のプロです。

標題の書は氏が百貨店勤務の際に実際に処理に当たった事例を紹介し、クレーマーと呼ばれる人々についての具体的な対処法を述べています。

私も、営業職の頃は、お客様からのクレームに対応するため、お客様の自宅に伺ったことは何度かあります。納得了解してもらったこともあれば、どうしても納得してもらえずに「もう二度とお宅の製品は買わない!」と電話を叩ききられたこともあります。後から丁寧なお礼状をいただくというような嬉しい体験もありました。このお礼状はいまでも手帳に入れて持ち歩いています。

一時期こうしたクレーマーに対処する本がベストセラーになりましたが、お客様がクレームをつけてきたときは危機であると同時に、チャンスでもあり、上手く対処すれば逆に好感度が増してファンになっていただける可能性もあります。とはいえ、怒りまくっているお客様のもとに出向いたりするのはあまり気分のいいものではないのは事実です。どんな人がどんな要求を突きつけてくるかわからないわけですから。

まあ、根本的にはそのお客様の不満にしっかりと向き合い、その不満を解決することに真摯に取り組めば大抵のお客様は納得してくれます。私自身がクレームをつけたときに感じたことでもありますが。

そのクレームというのは以下のようなものです。

暗黒の3年間を過ごした地方支店から異動する際に、住んでいたマンションを退去することになり、管理会社が最後のチェックに来ることとなりました。部屋に傷などがないかどうかをお互いの目で確認して、合意の上で、補修の費用などを決めるためです。事前に当日の15:00からチェックを行うと打ち合わせてありました。ところが前日「別の客の対応のため30分ほど時間をずらせてもらえないか」と連絡がありました。この件は了承。昼前に再度電話で、さらに30分ほど遅らせて欲しいとの要請。これも了承。さらに15:50分頃に「さらに30分遅らせて欲しい」と電話がかかってきました。これにはさすがにムッとして
「3度も延期して一体いつまで待たせるつもりだ。」
「今、別のお客様と一緒でそちらの用件が長引いているもので・・・。」
「そちらの事情はわかるが、こちらも今日中には出発しなければいけない。もうすでに出発予定の時間を1時間も過ぎているのにさらに待てというのか?」
「では別の日ではいかがでしょうか?」
「こちらは本日が最後の日で、今後特別こちらに来る用事はない。別の日に来いというのなら、その時の交通費や宿泊費は負担してくれるのか?」
「いや、それはちょっと・・・。では鍵を郵便受けに入れておいていただけないでしょうか?こちらで見ておきますので。」

この瞬間にぶち切れました。
「こちらでみておきますじゃないでしょう!ウチがいないのをいいことにあんたが勝手な請求をしないって言う保証がどこにある?そのためにお互いが立ち会うというのが原則だろう!!いい加減なことを言うな!!!」
さすがに相手は慌てたようで、「わかりました、なるべく早く行きます。」
「なるべく早くって、具体的には何時くらいになるの?」
「16:20くらいには・・・。」
「もう1時間もそちらの都合で待っているのにさらに待てっていうのか!こちらは出発の時間を遅らせているんだ!すぐに来なければ納得できない!!」
結局16:05過ぎに担当者がやって来ました。当家は最高権力者様が細心の注意をはらって壁などのキズに目を光らせております。何かを引きずろうものなら、すぐに飛んできて叱責されるんですから(涙)。で、チェックはすぐに終わりました。

この担当者はこちらが急いでいるのに待たされているという不満を理解できずになんら建設的な解決策を示さず、その場しのぎをした結果相手を激怒させるという最悪の結果を招きました。私自身は二度と彼の地に住もうとは思いませんが、会社の総務担当にはその業者は使わないほうが良い旨、後ほど連絡しました。相手の不満を理解しなかったが故に顧客を失った好例です。いい反面教師になりました。
by lemgmnsc-bara | 2007-09-14 07:10 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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