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『わが百味真髄』を読んだ

わが百味真髄
檀 一雄 / / 中央公論新社
ISBN : 4122046440
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著者は『火宅の人』などの作品で知られる小説家にして、自ら料理もする美食家としても名高い壇一雄氏。

我が家に三つほどある「積ん読」山の一つが崩壊し、その一番下から出てきたのがこの本。いつどこで衝動買いしたのかも定かではありませんが、確かに興味を引かれたから買ったのだと見えて、見かけた瞬間に『大人がいない…』の次に読む本はこれだ、と決めていました。

内容は四季折々の旬の食材についてのエッセイ。決して高級食材ばかりではなく、わかめや山菜、ちくわにかまぼこ、鍋料理や果物など、実に多彩な食材について触れています。

いわゆるゲテモノも少々。ヤマゴボウらしきものを取ってきて味わったはいいが、家族全員が激烈な食中毒症状におちいってしまった話しや、それでも懲りずに庭に生えてきたきのこを、高級食材のアミガサダケではないかと思いつめ、ついにはホワイトソースで煮て食べてしまうなどの話がユーモアたっぷりに書かれています。ちなみにこのきのこは本物だったようで実に美味であったとも書かれていました。

実は私はこの方の小説を読んだことがありません。『火宅の人』の映画、それもテレビで見た紹介の一シーンだけで、家庭を顧みない破滅型の文士であると勝手に想像していたのですが、このエッセイを読んでいる限りではそうでもないようです。
「喰べるということは愉快なことだ。自分たちの懐ろなみの、材料をさまざまに買いだしてきて、組み合わせ、あんばいし、さて、それがいきいきとした自分達のイノチにつながる行事だと思うと、こんなに楽しいことはないはずだ。」

この言葉はまさに至言。子供を置き去りにして好き勝手やっている親に聞かせてやりたい言葉ですな。家族とともに味わう食事は身体だけでなく心をも作り上げるものです。こまかい理屈ぬきに楽しいものであるはずですよね。現在では仕事や学習塾に追われて家族揃っての食事は稀、などという家庭が多いようですが、そうした家庭はわざわざ人生の最大の快楽の一つを放棄していることになります。味気ない人生ってのはこういうことをさすんでしょうね。

さて、遅レスですが、いただいたコメントに対する返信です。

suginamimerodyさん

>またまた興味深い記事。貼りついてしまいました^^うちは旦那さんが休日にテニスをするので、雨の日にお出かけという何とも(私が)可哀相な休日となります。もっと暖かくなったら、1日は天気のいい日にドライブしたいと思っていたので、是非今回の内容を参考に(いや、ほぼそのまま採用させていただきたい)行きたいと思います。ヤドカリのシーン、お二人とも可愛い♪私もそんなノリ、大好きです^^

いつもコメントありがとうございます。天気のいい日の海沿いドライブは気分がいいですよね。でも旦那さんのお陰でテニスウイドウってことですか。まあ、体が動くうちは限界までスポーツやらせてあげましょう。そのうちやりたくてもやれない時期が来ちゃうんですから。ちなみにウチの妻は、私が雨が降ろうが槍が降ろうがゲームは実施されるラグビーなんぞをやっているお陰で、シーズン中はすっかりラグビーウイドウです。本人も楽器をやっているのでそっちが忙しいからあまりストレスにはなっていないようですがね。フラワーパークの浜には是非行ってみてください。本当に飽きませんよ。貴家のキャプション付け遊びの内容なんかもアップしていただけると幸いです。

ぼなさん

>ああ、それで2個で一貫なんですね。勉強になりました☆

初コメントありがとうございました。ま、この知識もどこかの本で読んだか、テレビでみたか、です。受け売りですみません。普通の寿司屋だと一人前だけでは「つまみ」にしか感じられないんですが、このお寿司屋さんはまさに「食事」って感じでしたね。
by lemgmnsc-bara | 2007-03-23 20:45 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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