人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『神の領域を覗いたアスリート』を読んだ

神の領域を覗いたアスリート
西村 欣也 / / 朝日新聞社出版局
ISBN : 402273129X
スコア選択: ※※※



朝日新聞スポーツ編集委員西村欣也氏のルポルタージュ集。題名に目をひかれて買ったので、うかつにも朝日新聞のスポーツ欄に時折掲載される名コラム「EYE 西村欣也」の筆者であることに気づきませんでした。名前がズバリ出ているコラムだっていうのに・・・。岩永嘉弘氏風にいえばそれだけ引きつける力のあった「題名」のネーミングということでしょう。

この本の中には、12人の「神の領域」を覗いたアスリートについて述べられています(他に「日本シリーズ物語」と京大アメフト部水野監督との対談も収められています)。トップアスリートのみが知りうる神の領域「ゾーン」(スポーツ心理用語で、「球が止まって見える」などの至高の感覚をさす)について筆者が迫っています。長嶋、王、円谷幸吉から亀田興毅まで。

トップアスリートからは最も遠い存在である私ですが、「ゾーン」に近い感覚は一度味わった事があります。私は中学、高校と剣道部に所属していました(ちなみに二段)が、高校時代のある練習試合の時に、実力的にほぼ互角であった相手に1分もしないうちに勝ってしまったことがあります。その時は試合が始まった瞬間に、相手がどこを狙ってきているか瞬時にわかってしまう状態で、その技への対処も即座にひらめき、ひらめいたと同時にその通りカラダが動いていました。

一流のアスリートたちがそれこそ血のにじむような努力を重ねて垣間みる「ゾーン」はまさに神の領域で、他者がその状態を理解する事は不可能。ならばその状態に至るまでの過程をできる限り細かく追究していこうというのが氏の取材姿勢です。私には特に清水宏保選手の項が印象的でした。

さて、いただいたコメントに対する返信です。
巨人は普通さん、どうもありがとうございました。

>かつてジャイアンツはオープン戦は最下位が縁起がよかった。そして9連覇した。Bクラスに甘んじた過去もあったが、希望はあった。しかし今日のジャイアンツにはそれは無い。20年は優勝できないだろう。ONの人気と実力の功罪はそれに甘んじたジャイアンツに20年の地獄をみせるだろう。巨人はもはや普通のチームなんです。

今や普通以下だと思います(笑)。「ジャイアンツコンプレックス」に取り憑かれているのは、いまの球団首脳部や経営陣だけで、選手にはほとんど関係ないでしょう。上で紹介した本も長嶋、王が最初に取り上げられていましたが、ジャイアンツ(というより日本のプロ野球界全体)はまだこの二人の呪縛から逃れられていません。年齢から言っても、ともに大病を患った事を考えてもそろそろ「隠遁生活」に入っていただいて良さそうなものですが「民意」がそれを許していませんね。今後、WBCなど世界を相手にしていくにあたっては、訳の分からない横やりが入らなくなるという意味で、ジャイアンツが特別でなくなるという事は良い事なのだろうと思います。
by lemgmnsc-bara | 2007-03-06 07:04 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31