2018年 06月 10日
『アウトレイジ 最終章』鑑賞
「全員悪人」というキャッチフレーズで、武闘派ヤクザの姿を描いた北野作品『アウトレイジ』の最終章。登場人物から発せられる言葉をはじめ、作品全体に色濃くバイオレンス色が漂っています。北野映画のど真ん中の作品ですね。
今作は、関西最大の暴力団組織である花菱会と韓国の暴力団組織との抗争がメインストーリー。そこに花菱会の跡目争いやら、関東ヤクザと関西ヤクザの対立やらが絡んでいって、事態が複雑化。そこに北野武扮する元関東ヤクザでバリバリの武闘派だった大友が乗り込んでいって派手にドンパチをやらかします。
この作品が遺作となった大杉漣氏が、花菱会の先代会長の娘婿として跡目をついだ、元証券マンの二代目を好演しています。居丈高に古株の幹部たちを罵り、事あるごとにヤクザを見下した発言をするこの二代目に、西野(西田敏行)をはじめとする古参の幹部たちは不満を募らせていました。
そんな折、花菱会の稼ぎ頭である花田(ピエール瀧)が韓国の済州島で、風俗嬢とのトラブルから、その風俗嬢のバックである韓国ヤクザを的に回すという失態を犯します。二代目はこのトラブルを契機に、強い経済的基盤を持つ花田を取り込み、かつ組織No.2の西野とNo.3の中田(塩見三省)とを仲違いさせようと画策します。このゴタゴタに済州島を仕切る張親分の意を受けて乗り込むのが大友。
まあ、派手に銃弾を撃ちまくりますし、見せしめを兼ねて、敵方の要人たちはかなり残虐な方法で殺します。どんな殺し方だったかは是非とも本編をご覧ください。方法は斬新でしたが、決して後味の良いシーンではありません。
大友は暴れに暴れ、すべての敵を殺戮します。そしてその後に待っていたものは…。衝撃的ですよ、ラスト。確かにこの終わり方なら続編は作りようがありません。
日本的な任侠モノとは一線を画し、ひたすらリアルな暴力を描いたこの作品は、日本では大ヒットするとは思えませんが、世界全体に対してはウケる内容であると思います。世界が「世界のキタノ」に期待しているであろう作風のど真ん中作品だったと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2018-06-10 15:17
| エンターテインメント