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『ローガン』鑑賞

LOGAN/ローガン 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]

ヒュー・ジャックマン,パトリック・スチュワート,リチャード・E・グラント,ボイド・ホルブルック,スティーヴン・マーチャント/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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XーMENシリーズの10作目。ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じるのはこれが最後だそうです。

時代設定は現在より10数年先という近未来。ウルヴァリンはリムジンカーの運転手として働き、かつての仲間であるプロフェッサーXとキャリバンを養っています。数々の地球の危機を救ってきたスーパーヒーロー、ウルヴァリンがなぜこんな落魄の生活を送っているのか?もう25年もの間、ミュータントが誕生していないからでした。悪事をなすミュータントがいなければ、ヒーローのミュータントだっていらない。まさに狡兎死して走狗烹らるというやつです。

ちょっとひねくれた見方をすると、現代の核武装の張り合いへの皮肉と取れなくもありません。敵が強力な核兵器を持てば持つほど、自分たちはもっと強力な核兵器を持ちたいという欲求が高まる。しかしながら、敵がいなくなれば、核兵器いや武器そのものが存在価値をなくしてしまうのです。核軍縮だなんだいって会議が開かれたりしてますが、そもそも超大国と言われている国々がまず自分たちの保有する核兵器を廃棄しようとしない。だからインドとパキスタンみたいな小競り合いは起こるし、とある半島の変な髪型をした独裁者みたいな狂人が現れたりするのです。

話が逸れすぎました。存在意義を失ったミュータントたちは社会の隅でひっそり暮らすほど平和な状態だったのですが、その平和を喜ばない連中だってたくさんいます。この作品の場合それは軍需産業に従事する皆様です。彼らはかつてのミュータントたちの遺伝子を保存しておいて、人工的にその遺伝子を受け継ぐ子供を作り出し、殺人マシーンとしての教育まで施していたのでした。

で、ウルヴァリンは、その軍需産業の殺人マシーン養成施設から逃げ出してきたガブリエラという看護婦から、ローラという少女の保護を頼まれます。追いかけてくる軍需産業の殺し屋たちとウルヴァリンご一行との戦いがメインストーリー。

まあ、不利な状況の正義のヒーローが、苦戦を続け、仲間を次々と失いながらも最後には勝利するという古典的な勧善懲悪アクションヒーローものそのものです。その過程でローラがウルヴァリンの遺伝子を受け継ぐ「娘」であることが判明したり、ウルヴァリンをそのまま若い状態で再生したウルヴァリン2号が登場するなどのイベントが発生します。

この本家ウルヴァリンと、クローンウルヴァリンの戦いをもっと重点的に描いて欲しかった気がしますね。クローンウルヴァリンは、無理やり破壊衝動を埋め込まれて、命令通りに目の前の敵を殺戮しまくるだけ。これじゃターミネーターと変わりません。もっとクローンという特性上、遺伝子の作用をアヤにして別の展開を考えて欲しかった気がします。戦闘シーンそのものも短かったですしね…。

それに、ローラとその仲間たちが目指すエデンという楽園はコミック誌に掲載された架空の存在だったというのに、一般的常識を持っているはずの看護婦ガブリエラまでがその実在を信じて疑わなかったところがいかにも不自然でした。これも少々ひねくれて眺めると、逃げる際になんらかの希望を示してあげたかったからだ、と言えなくもありませんけどね。

by lemgmnsc-bara | 2017-11-09 19:55 | エンターテインメント

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