2017年 10月 22日
『焼肉のことばかり考えている人が考えてること』を読んだ
私は焼肉が大好きです。しかしながら、当家の最高権力者様はあまり好まれません。本当にごく稀ではありますが、行くことがあっても脂身の少ない肉をそれもごく少量しか召し上がりません。通常の食事なら量の比率は6.5:3.5くらいですが、焼肉に行ったら7:3になり、カルビなど脂身の多い肉に限っては、8.5:1.5位の比率で当然私の食べる量の方が多くはなりますが、何しろオーダーの絶対量が少ない。
酒も少々嗜む私としては、飲み物にせよ食べ物にせよ追加オーダーをかける際は、一々お伺いを立てなければいけませんし、たいていの場合はいい顔をされません…。
その分、最高権力者様抜きで焼肉を食いに行く際には思いっきり食ってやろうと思っているのですが、ご接待を受ける場合はあまりガツガツ食うのは浅ましいし、友人たちも皆歳を食ってしまいましたので、飲食の場に焼肉屋が選ばれること自体がめっきりと減ってしまいました。
というわけで、せめて想像の中だけでも焼肉を楽しもうと衝動DLしたのが標題の書。
著者松岡氏は外食産業に関してのユニークな本を何冊か上梓されているライター。当然焼肉という外食形態についても一家言お持ちです。
氏の言うところの焼肉の最大の特色は何か?それは、他の外食が料理人によって、その食材の持つ魅力を最大限に発揮する調理方法で提供される(はず)なのに対し、焼肉は食する人自らが肉を焼くと言う調理を行うことです。肉の味を生かすも殺すも客自身の腕によるというわけです。
で、松岡氏は、調理の素人である客はどううまく調理したつもりでも、その肉の持つ魅力を精々70%程度しか味わっていないと言い切っています。その値を100%に限りなく近づけるためのメソッドを紹介したのがこの本です。しっかりと読み込んだ上で焼肉屋に行って(そもそもどんな店を選んだらよいか、についても解説してくれています)、肉選びの知識と火の通し加減の技術を駆使すれば旨い肉を存分に味わう事ができると思います。
同じカネを出すのなら少しでもいい肉を、良い調理状態で食したい、というのは全ての人に共通する心情でしょう。ただし、この本のメソッドを身につけて実践するには、時間もお金もかなりかかっちゃうとは思います。残念ながら。しかしながら、2年後、3年後に「焼肉の達人」となりたいと思ったら、次に焼肉屋に行く時からトレーニングを始めるべきでしょう。
by lemgmnsc-bara
| 2017-10-22 17:01
| 読んだ本