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『映画であった本当に怖い話1.2』を読んだ

映画であった本当に怖い話【追加写真収録1・2電子特別合本版】 (角川文庫)

永田 よしのり/KADOKAWA / 角川書店

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私は霊感というものが全くありません。故に「ここには絶対何かある」とか、「なんだか知らないけど、ヤバい」みたいな感覚は味わったことはありません。好んでそういうモノが出現しそうな場所に行く趣味もないし、宿や住居も、幸か不幸か何かが出ると噂のある物件には当たったことがありません。幼い頃は訳もなく暗がりが怖かったり、『うしろの百太郎』や『恐怖新聞』を読んで一人で寝るのが怖くて両親の寝室にもぐりこんだりしましたが、今は毎日会社に行くのが一番怖い(笑)。

とはいえ、恐怖という感情の生じ方に興味があるし、どのように表現したら恐怖がより効果的に伝わるのか、ということにも大いに興味がありますので、怖い話を見聞きするのは好きです。ミステリーの一つの手法として、この世のものならぬ存在を匂わせてそれを犯人にしてしまう、というものがありますが、そういう類の話も好きです。そういう話が得意な阿刀田高氏や高橋克彦氏の著作は出ると買いします。

というわけで、とある日にkindle本の検索ワードに「恐怖」という文字を打ち込んでみたところでてきた標題の書を衝動DL。映画の撮影現場で起こった様々な怪異現象を記してあります。

取り上げられた作品は全て、恐怖をテーマにしたもの。電波が飛び交い、様々な電子機器が多数存在する映画撮影の現場には一種独特の「磁場」みたいなものが発生して、それによって霊が集まるのではいかと著者は推測していますが、では恋愛ものだとかアクションものではそういった噂を聞かないのはなぜでしょう?

一つには、マイナスイメージを嫌う制作側がそのテの情報を握りつぶしてしまうこと。恐怖映画の場合は逆にそういう噂はいいスパイスとなって、ストーリーを彩るコンテキストの一つになりますが、その他のジャンルでは単なるマイナス要素でしかありません。実際には怪異が起こっていても、箝口令が敷かれているであろうことは想像に難くありません。

もう一つは、制作に関わる人全ての集団心理によって、何らかの怪異が認識されやすいということ。ロケ場所も「いかにも」って場所が選ばれるでしょうし、視覚的にも音楽的にも恐怖を煽るような表現をなすのが目的なわけですから、敏感になった神経が、何かを感じ取った気にしまう可能性は大いにあります。

そうは思いつつも、科学では説明のつかない現象とされてしまうものの全てがただの錯覚や思い込みだとされてしまうのもつまらない。本当のところはどうなのか、ってのは無理に明らかにする必要はないでしょう。怪しそうな場所には怪しいモノが潜んでいて、何かの拍子にそれが出てきてしまうのだ、と考える方が健全ですし、疲れないでしょう(笑)。

なお、作品の中に実際に訳のわからないモノが写り込んだものもあるようです。それがどの作品なのかはぜひ本文に当たっていただき、興味がわいたら実際に作品を観て見ることをオススメします。私は残念ながら、観たいと思った作品はありませんでした。



by lemgmnsc-bara | 2017-10-15 17:16 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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