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『マダム・フローレンス!夢見るふたり』鑑賞

マダム・フローレンス! 夢見るふたり [Blu-ray]

メリル・ストリープ,ヒュー・グラント,サイモン・ヘルバーグ,レベッカ・ファーガソン,ニナ・アリアンダ/ギャガ

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押しも押されぬ名女優メリル・ストリープと伊達男ヒュー・グラントの共演作。無類の音痴ながらカーネギーホールでリサイタルまで開いてしまったフローレンス・フォスター・ジェンキンスという実在の女性を描いています。

主人公フローレンスを演じるのはメリル・ストリープ。歌をうまく歌うというのはもちろん難しいのですが、素っ頓狂なメロディーを「自然」に歌うのはもっと難しい。上手い人が「下手な人風」に歌うと、どうしてもワザとらしさが鼻についてしまうのですが、今作に関しては自然な仕上がりだったと思います。(アテレコだったか否かは知りえませんでした…)

さて、フローレンスは聞いた人が耳をふさぐか、あるいは大笑いするかどちらかというひどい音痴なのですが、ソプラノ歌手としてステージに立つという夢を決して諦めませんでした。専属のピアニストを雇い、ボーカルトレーニングにも高名な音楽家を招いて至極真面目に練習します。しかし、その程度では如何ともしがたい、先天的な才能の欠如。いざステージに立つ際にはピアニストは演奏を渋り、指導した音楽家は自らの名声に傷がつくことを嫌って、コンサートホールに行くことを拒否したばかりか、自分の名前を出さないことを条件にまでします。

「カネがもらえるから、仕方がなく、金持ちのババァの酔狂に付き合ってやってんだよ。こんな音痴にかかわずらうのは本当なら願い下げなんだっつーの」というミエミエの描写が笑いを誘います。

さて、ヒュー・グラント演じるフローレンスの夫シンクレアは彼女の真面目さに付き合って、リサイタル実現のために奔走し、実際に彼女をステージに立たせます。その一方で愛人を囲って何かと言い訳を作っては愛人の家に入り浸るというしたたかさも見せます。しかし、本当に「カネ目当て」だけでなくフローレンスをフォローしているのは彼だけだという描写もなされます。

周囲の人間の思惑をよそに、ついにフローレンスはステージに立つのですが、そこに来た客はほとんどがその音痴っぷりを嘲笑うことが目的でした。彼女の歌を録音したテープをとある人物がラジオに持ち込み、それがいろんな意味で評判を呼んだからです。今でいうと、ジャスティン・ビーバーが取り上げた途端にピコ太郎にあっという間に火がついたようなもんでしょうか。

彼女はその悪評をものともせずにあくまでも真面目にカーネギーホールを目指していきますが、果たして…。

まあ、一種のスポ根モノです。最後は結局努力が実を結んでハッピーハッピーなんですから。ギャグとかくすぐりではなく、皆が皆真面目に演じていることで笑えた珍しい作品ではありました。



by lemgmnsc-bara | 2017-10-14 16:09 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
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