『エロティック日本史 古代から昭和まで、ふしだらな35話』を読んだ

エロティック日本史 古代から昭和まで、ふしだらな35話 (幻冬舎新書)

下川 耿史/幻冬舎

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日本史の薀蓄本。神話の時代から近代にいたるまで、日本人の行動に「性」、というよりこの本の論調からすると「エロ」の要素がどれだけ関わってきたのかを、さまざまな文献や史実を基に記しています。

日本の歴史はイザナギとイザナミがそれぞれの「なり余れるところ」と「なり足りぬところ」をあわせることにより始まったとされています。そして、そのあわせる作業の仕方がわからなかったので、セキレイの行為を真似ることでなんとか国産みに至ったというのが最初のエロ要素。ずいぶんと牧歌的だったんですねぇ。

しかし、一旦国ができ、人間が集団で生活し始めると、一気にエロ要素が強くなっていきます。明治の初めくらいまでは、公衆浴場はほぼすべて混浴だったそうですし、盆踊りは、祭りの夜の乱交パーティーの名残です。これも明治の初期に、警察が取り締まるようになるまでは、実際に乱交が行われていたようですね。その他、東北の田舎のほうでは男性が童貞を捨てるのは、人妻に夜這いをかけていたすことが一般的だったり、ちょっと財力に余裕のある人物が妾を置くなどの行為もつい最近まで(後者については現在でも)「常識」だったそうです。おおらかなのか不道徳なのか?私個人としてはポジティブに捉えたいと思います。社会全体にこういうあいまいさを認める空気があったほうが、人々の心にも余裕があったような気がしますね。

現在では、かなり自主規制がすすんで、テレビなどでは、映画などの「出来上がった作品」を別にすると成人女性の乳頭は隠されます。男性の裸の尻や女児の下着などもイラストやモザイクなどで隠されることが多いですね。一方で、ネットにはそのものズバリの画像が出まくっています。結局、どんなになかったことにしようとしても、人間の根本にはエロ要素を求める欲望というか本能が厳然として存在しており、それが実際の行動に反映され、社会的に大きなムーブメントを起こしたります。

息子の嫁に手を出して、その結果生まれた子供(もちろん「戸籍上」は孫ですが…)を天皇にするために息子を退位させてしまう上皇。巨根を武器に時の女性天皇に取り入って、自分が天皇になろうとした道鏡。男性の急激な増加に対応するだけの女性がいなかったため、男色が当然のこととされた江戸初期。直近で言えば、パソコンの普及にもエロ動画や画像を見たいという欲求が大きく作用していたってのは事実ですね。

身分の貴賤や時代を問わず、エロ要素は人間の行動の大きな原動力となります。さて、今後エロ要素はどのような発展を見せ、それが人間の行動にどのような影響を及ぼし、社会的にはどんなムーブメントになるのか?現状を見る限りでは、欲望の対象が二次元の世界に向かった結果、人間関係の構築を苦手とする若者を数多く生み出すという現象を巻き起こしているようですね。これが少子高齢化を促進し、日本の国力が衰退していく、というのが漠然としたムーブメントのようです。いやはや。



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by lemgmnsc-bara | 2017-06-18 17:45 | 読んだ本 | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。
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