2017年 05月 07日
『ブラックファイル 野心の代償』鑑賞
主役のジョシュ・デュアメルについては全く知らないまま、アンソニー・ホプキンスとアル・パチーノが出ているということだけで借りて来てしまったのが標題の作。クライムサスペンスだということも、観始めてから始めて知ったという、予備知識の全くないままの衝動借りでした。
物語は、アンソニー・ホプキンス演じるデニングの周りの状況説明から始まります。デニングは大きな製薬会社のCEOで、データのねつ造により死亡者がでてしまうほどの害のある薬を売り出しており、その訴訟問題に頭を痛めています。そんな彼の支えとなっているのは愛人のエミリー。そのエミリーが誘拐され誘拐犯からは身代金の要求が。犯人の指定場所である画廊に赴いたデニングは、接触を図って来た男を殴り倒してしまう…。
ここまでのシーンの後、時系列的には少々戻り、主人公ベン(ジョシュ・デュアメル)の状態を説明する描写に入ります。彼は看護師の妻を持つ弁護士で、その妻とは流産が原因でしっくり行っていない。相変わらず、ハリウッドはかならず家庭環境に問題のある主人公を出しますね。問題のある家庭環境が「普通」のこととなってしまっている社会環境に薄ら寒さを覚えてしまいますが、ストーリーの主題から外れるので、ここは一瞬の感想に止めておきます。そんなベンのSNSに、ある日、元カノからの友人申請が…。その元カノこそエミリー。エミリーは権力ずくで自身を愛人としたデニングには反発を覚えており、新薬のデータねつ造の事実を証明するデータの提供を申し出た上、妖艶な誘いもかけてきます。
ベンはまず妖艶な誘いにぐらつきますが、なんとか最後の一線までは越えませんでした。しかし、名誉欲や出世欲などには駆られてしまい、エミリーからデータの提供を受けることとなります。ベンの所属する弁護士事務所は敏腕弁護士として名高いチャールズ(アル・パチーノ)の経営するもの。ベンはチャールズに出所は少々ヤバいものの、信憑性の高いデータであることを納得させた上で、デニングとの対決に臨もうとするのですが…。
データを貰おうとエミリーの部屋を訪れたベンは、エミリーが遺体となっているのを発見します。ここから、時系列的にも行ったり来たりだし、人間関係を混乱させる人物も登場して来るしで、ストーリーはかなりカオスな状態となります。ですが、最終的には納得の結末に。どんでん返しが二回あるとだけ記しておきましょう。どのようなどんでん返しかは是非とも本作を鑑賞いただきたいと思います。
アンソニー・ホプキンスに若い女性が絡むと、ついついいきなり噛み付いてしまうのではないか?と考えちゃいますね。良きにつけ、悪しきにつけ、ハンニバル・レクター博士の役が強烈であることの証左です。アル・パチーノを観たのは非常に久しぶり。この作品は2016年に公開されたのですが、ずいぶんと老けた印象です。なによりも井上順そっくり。♫おっせっわにぃなりました〜、って歌い出しちゃうんじゃないかというくらいに似てました。そこで本当に歌ってくれたら大笑いをひっくり返しますが、それだと『新春隠し芸大会』のパロディードラマになっちゃうしなぁ…。
ストーリーはなかなかよく練られていましたが、仕上がり的には微妙な作品でした。
by lemgmnsc-bara
| 2017-05-07 06:43
| エンターテインメント